熟練の技術や知識を持つ、「ふじマイスター・匠人(たくみびと)」
小林 賢治郎さん(蓼原)
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建具・家具工の小林さんは、市が今年度創設した「ふじマイスター・匠人」に認定されました。
小林さんは、祖父の代から続く木工所の三代目。木工所ではもともと、ふすまや家具などをつくっていましたが、時代の流れとともに、学校の体育館などの木工事も行うようになりました。現在は、まな板から神社仏閣まで、木を素材とするものなら何でも、幅広く仕事を手がけています。
小林さんは小さいころから木材に囲まれ、木の香りの中で育ち、家業を手伝っていたそうです。本格的に仕事を始めたのは今から50年ほど前で、20歳のときでした。
「木は、切った後も生きています。ですから、木目や特性など、それぞれに合った使い道を考え、木材のよさを生かすことが私の役目だと思っています。皆さんに木のぬくもりを伝えたいですね」と話す小林さん。市役所2階の市民ロビーに置かれている富士ひのきを使用した机やいす、高島町内会の子どもみこし、米之宮浅間神社のさい銭箱などは、小林さんから寄贈されたものです。
「この仕事は、形になって残るのでうれしいですね。技を施し、丹精込めてつくったものを引き渡すときは、まるで娘を嫁に出すような気分です。親から教わった技は私の誇りです。培った技術は後世に残し、継承していきたいですね」と温かな笑顔で話してくれました。
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( 写真説明 ) 細工が施された見事な組子障子は、全国大会出展作品です