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【広報ふじ平成18年】ふじ3(サン)ハートリンク 地元の食材を給食に2市1町 学校給食座談会

 食べ物の安全性への関心が高まる中、全国各地の小中学校で、地元の食材を使った「地産地消給食」がふえています。
 そこで、今回は、富士市・富士宮市・芝川町から栄養士3人に集まっていただき、学校給食への地元食材の利用などについて話していただきました。
- 写真あり -
( 写真説明 ) (右)芝川町 小川 禮(れい)子さん(芝川町栄養士)
( 写真説明 )  小中学校は6校。小・中学校が隣接し、1か所で共同調理する所以外は各学校で調理。献立は栄養士が全校統一のものをつくる。

( 写真説明 ) (中央)富士市 石井 紀子さん(富士南小学校栄養士)
( 写真説明 )  小中学校39校すべてが各学校で調理。栄養士は19人。栄養士のいない学校には、栄養士が「共同献立」をつくり、配布している。

( 写真説明 ) (左)富士宮市 山岡 徳次さん(学校給食センター栄養士)
( 写真説明 )  小中学校30校すべての給食(1日約1万2,000人分)を給食センターでつくり、各校に配送。栄養士は3人。

Q 献立づくりで心がけていることは何ですか?
(芝川) 決められた栄養量を満たすことはもちろんですが、やはり一番は、安全で安心な、おいしい給食にすることですね。その中で、できるだけ子どもたちが喜ぶ献立を心がけています。
(富士) 給食を通じて、子どもたちに四季を感じてもらえるように、旬の食材を使うように心がけています。
(富士宮) 子どもたちが苦手なものを、いかに食べやすくするかということを意識して、新しいメニューを考えます。

Q 人気メニューを教えてください
(芝川) カレーと、冷やし中華などのめん類ですね。
(富士) やはりカレーやめん類が人気ですが、ピビンバや親子丼などのどんぶり物や揚げパン、海藻サラダも人気です。煮物が好きな子も多いですよ。
(富士宮) 以前行ったアンケートで、1位はカレー、2位がフルーツポンチ、3位がラーメン、4位が焼きそばという結果でした。

Q 特色ある給食を教えてください
(芝川) 手づくりのメニューが多いです。ハンバーグやコロッケなど、衛生管理や作業工程が大変なもの以外は、ほとんどが手づくりで、家庭の味に近い給食だと思います。
(富士) 「サイダーかん(サイダーを寒天で固めたもの)」と「サンマの筒煮(じっくり煮込まれ骨ごと食べられるサンマ)」は、ほかにはないものですね。
(芝川) 「サンマの筒煮」は、サンマが煮崩れしませんか?
(富士) 酒と砂糖としょうゆで、二時間ほど弱火で煮込むと、煮崩れずに、子どもでも丸ごとおいしく食べられるようになります。甘露煮のような感じです。
(芝川) いいですね。つくってみたいです。今度詳しく教えてください。
(富士) ほかにも、かき揚げは季節ごとに、サクラエビ、枝豆などを入れてつくります。だしは、料理によってイワシ、カツオ、サバの削り節やコンブを組み合わせて使っています。
(富士宮) 毎月一回「富士宮の日」という日を設けています。その日は特に意識して地元の食材をたくさん使ったメニューにしています。「富士宮の日」を設けたことで、子どもたちに「給食に地元の食材を使っている」ということが伝わりやすくなりました。

Q 地元食材をどのように利用していますか?
(芝川) 春はタケノコの煮つけや若竹汁、秋は白マイタケやヒラタケを揚げ物にしたり、汁物に入れたりしています。芝川町には給食に使える地元食材が、ほかにもたくさんあると思います。地域ぐるみで取り組めば、地場産品をもっと利用できると思います。
(富士) 昨年、地場産品を給食にどのくらい利用しているかを調べたところ、富士市産、県内産合わせて約30%でした。果物ではミカン・イチゴ・ナシ、野菜では葉ネギ・大根・小松菜・里芋などの地場産品を、積極的に取り入れるようにしています。
(富士宮) 養鶏や養豚が盛んなので、鳥肉や豚肉は地元のものを使っています。また、ニジマスも特産ですので、竜田揚げやホイル蒸しをよく出します。また、市内でとれたキャベツ・ゴボウ・白菜・里芋などの野菜を汁物の中に入れたり、お茶の葉を御飯と一緒に炊き込んだりと、ふだんから地元の食材を多く使っています。

Q 地元食材を利用するに当たって、課題はありますか?
(芝川) 地元のものをできるだけ使いたいと思っていますが、価格と安定した供給という点が今後の課題ですね。
(富士宮) 野菜は、農協や納入組合に地元のものを優先して納品するようにお願いしています。富士宮市は「フードバレー構想(*)」を推進しているだけあり、農産物の種類は豊富です。しかし、大量につくっているわけではないので、天候や生育状態によって、予定していたものが納品されないということが何度かありました。
(芝川) 確かに、天候などによって食材の価格が変わる中、計画を立てて、決まった予算の中でやりくりするのは、栄養士が一番頭を悩ますところですよね。
(富士) 業者に地元のものを納入するようお願いしていますが、悩みは同じです。農作物は豊富にあるはずですから、地元の生産者とネットワークをつくれたらいいなと思っています。多少値段が高くても、形がふぞろいでも、工夫次第で何とかなると思います。
(富士宮) そうですね。輸送コストや新鮮さを考えても、地元でとれたものを地元で使うというのは、大きなメリットになりますしね。
(富士) 給食に地元の食材をと考えたとき、自分の市や町だけで考える必要はないと思います。芝川町でタケノコがとれる時期に富士市・富士宮市でそれを使っても「地産地消」に変わりはないと思います。
(富士宮) お互いの街の旬の食材を共有できれば、給食に使える地元食材がふえて、献立の幅が広がりますね。
(芝川) 富士宮市特産のニジマスや豚肉などの食材は、ぜひ使ってみたいです。これからも、給食を通じて子どもたちに地元の食材を教えていきたいと思います。
(富士) きょうは、いろいろな取り組みが聞けて、とても勉強になりました。
(富士宮) きょうの話を参考に、これからも地元食材を使った新しいメニューをたくさん出していきます。

 ありがとうございました。これからもおいしい給食をつくってください。

*フードバレー構想
 富士宮市の豊かな農産物や食品を生かしたまちづくりの構想
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( 写真説明 ) (左ページ上段)富士南小学校 栄養たっぷりの人気メニュー『サンマの筒煮』を丸ごとパクリ!「骨までやわらかくておいしいよ」

( 写真説明 ) (左ページ中段)芝川町立芝川中学校 この日のメニューは、地元で栽培されたヒラタケ、白マイタケの入った、きのこソースのソフトめんでした。

( 写真説明 ) (左ページ下段)富士宮市立富丘小学校 この日のメニューは、ホッケのフライと、地元でとれた豚肉・ネギ・大根が入った汁物。おいしくて笑顔がこぼれます。

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