8月10日、富士市茶手揉(てもみ)保存会による「茶手揉技術講習会」が富士市農協茶業研修センター(大淵)で開催されました。この話題を、まちかどネットワーカーの江川明美(あけみ)さん(中里)に、親子で体験してもらいました。
この講習会は、富士市茶手揉保存会会員の技術向上と、でき上がったお茶を、米寿を迎えた人にお祝いとして贈るために、毎年行われています。
木村(三)会長
昔は、全部手もみでお茶をつくりました。今は機械化されていますが、やはり手もみはお茶の製法の基本。ですから、『実際に自分の手で触って、お茶のよしあしがわかるようになれば…』という思いで、茶工場の若い人も保存会に入ってきています。
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( 写真説明 ) 男性 右から
( 写真説明 ) 会長の木村三郎さん、
( 写真説明 ) 会員の木村和彦さん、
( 写真説明 ) 副会長の杉山孝文さん
( 写真説明 ) 女性 右から
( 写真説明 ) 江川明美さん
( 写真説明 ) 仁美さん(中1)
二人に茶手もみを教えてくれたのは、茶手揉保存会の杉山孝文さんと、木村和彦さんです。
杉山
お茶の手もみは、初めから手作業でやると、5時間もかかる大変な作業ですが、きょうはあらかじめ機械で蒸して途中までもんだ茶葉を使います。重さ3キロの生の茶葉が、手もみした後には、5分の1の重さになってしまうんですよ。さあ、きょうは頑張りましょう。
江川(娘)
頑張ります!
江川(母)
初めてなので、ドキドキしています…。
早速、ガスで加熱された「焙炉(ほいろ)」と呼ばれる乾燥台の上で、作業を開始。
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( 写真説明 ) よりきり(1時間半)
手の中で葉を回すような感じで、力を入れず優しくもみ、葉の中の水分を飛ばしていきます。
江川(母)
まだ葉がしっとりしてやわらかく、鮮やかな緑色ですね。
木村(和)
最後は針みたいにピンとなりますよ。
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江川(娘)
不思議!手でもむと、お茶がおいしくなるんですか?
杉山
手だと、無理な力がかからないから、お茶の本当の香りがするんだよ。
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( 写真説明 ) でんぐり(30分)
次に、葉と葉をすり合わせながらもんで、葉をまっすぐにそろえます。葉を散らかさないよう、手を焙炉から離さずにもむのがコツ。
杉山
葉が蒸れないように、手の中でひっくり返してもみます。
江川(母)
簡単なように見えて難しい!
江川(娘)
手が熱い…あ、だいぶ感触が変わって、パラパラしてきました。軽くなった気がします。
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( 写真説明 ) こくり(30分)
手もみの最後の行程。じっくりもむことで、葉の中の水分が表面に出て、照りが出ます。
木村(和)
なかなかきれいに葉が伸びましたね!
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( 写真説明 ) 真剣…!
杉山
手が素直だから、素直なお茶ができたんだよ。後は乾燥させてでき上がりです。
お疲れさま。2時間半、よく頑張りました!
江川親子
ありがとうございました!夢中でやっていたので、時間があっという間に過ぎてしまいました。
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( 写真説明 ) こんなに細くまっすぐに!
【茶手もみ体験を終えて】
これだけ手間をかけてお茶をつくると、大切に飲みたいと思いますね。手もみ茶にはとても愛情がこもっています。機械でつくるお茶をおいしくするためにも、基本を探究するのは大切なことですね。(明美さん)
機械ではどうしてもできない味が出るのでしょうね。若い人たちがこの技を覚えて、将来、次の人に教えられるようになればいいですね。(仁美さん)