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【広報ふじ平成16年】特集:介護の現場から

特集:介護の現場から

9月の第3月曜日は、敬老の日。皆さんもご存じのように、総人口に占める高齢者の割合は年々ふえ続けています。
 今回の特集のテーマは「介護」。介護の現状と現場の声をお伝えします。

市民の6人に1人が65歳以上
 ことし8月1日現在、富士市の人口は約24万3,000人。このうち65歳以上の人口は約4万600人で、その割合(高齢化率)は16.7%。市民の約6人に1人が高齢者です。左図から、富士市がほかの市町村に比べて、高齢化率が低いことがわかります。しかし、これからますます進んでいく高齢社会に向けて、高齢者を支える体制が求められています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 高齢化率

高齢者のいる世帯の増加
 高齢者のいる世帯は年々増加し、平成12年の国勢調査では、総世帯の約3割強に上っています。その内訳を見ると、「高齢者同居世帯」が減少する一方、「高齢者夫婦世帯」や「高齢者ひとり暮らし世帯」がふえています。

人ごとではない介護問題
 今後も、高齢化率の増加が予測されます。このような中で、介護や支援を必要とする高齢者はふえていくことでしょう。
 今、介護される、または介護する立場になく、自分にはまだ関係ないと思っている人も、決して人ごとではありません。


富士市の介護
 社会環境が変化する中で、介護は社会全体の課題になってきています。さて、富士市の現状はどうなのでしょうか。

社会全体で高齢者を支える
 社会環境の変化に伴い、家族だけで高齢者を介護していくことが、難しくなってきました。介護が必要になった高齢者を社会全体で支えるために、平成12年4月から、介護保険制度が施行されました。介護保険認定者数は毎年ふえ、高齢者の約7人に1人が、介護認定を受けています。

サービスを受ける意識の変化
 今まで、介護は家族が行うもので、他人の世話になるのをためらう文化がありました。女性の就労や核家族化が進み、家族で介護できる人がいなくなってきたという状況もありますが、介護保険制度が始まり、介護は家族だけで行うものという意識が、だんだん薄れてきたのではないでしょうか。
 内閣府調査によると(図:介護を受けたい場所)「介護を受けたい場所」として、施設での介護を望む人がふえています。その理由は、「家族に迷惑をかけたくない」など、家族を気遣う人が多く、進んで施設介護を望むわけではないようですが、10%程度しかなかった以前の数値と比べると、増加しています。
 しかし意識が変わってきたと言っても、まだ他人が家に入ることは抵抗があるようです。
 居宅サービスのうち訪問系・通所系サービスの利用状況を見ると、富士市の特徴がわかります。全国的には、それほど差がありませんが、富士市では、特に通所系サービスの利用傾向が強いようです。

約2割が介護サービス未利用
 認定者の約2割は、介護サービスを利用していません。平成14年1月の高齢者実態調査によると、サービス未利用者の約3分の1が入院中のためサービスを利用していません。ほかには、介護認定は受けたが、まだサービスを利用するほどではないという人や、家族が介護してくれるので利用しない人がいました。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 介護保険認定者数とサービス利用数
( 図表説明 ) 介護を受けたい場所
( 図表説明 ) 居宅サービス内容の富士市と全国の比較

福祉保健部長・市川 聰(さとし)
- 写真あり -

介護度が重くならないように
 介護保険制度開始から今までの状況を見ると、介護度の軽い人が著しく増加しています。
 元気な人が要介護にならないよう、また介護度を重くせず、自分でできる力をできるだけ維持するよう、介護予防を重視した体制が必要となってきます。
 市では、介護保険サービスのほかに、元気なお年寄りを対象にした、脳いきいき教室や生きがいデイサービスなど、さまざまなサービスを行っています。生き生きとした生活が送れるよう、多くの皆さんに利用してほしいですね。
 また、介護保険認定者の半数以上が痴ほうであることもわかっています。全国的にも同じ状況にあり、痴ほう性高齢者に合うサービスが求められています。
 介護保険制度開始から5年目を迎えることしは、介護保険見直しの年です。これから先、介護度が軽い高齢者、痴ほう性高齢者、一人暮らし高齢者の増加が予想され、それに応じた体制づくりが必要になります。現在の介護保険は、介護が必要になった人のための制度です。今後は、これから介護が必要となる人たちも視野に入れていきたいと考えています。


介護現場の声
多くの皆さんが「介護は大変そう」と思っているのではないでしょうか。実際はどうなのでしょう。
では、実際に介護に携わる人たちの声をご紹介します。

介護サービス未利用者の家族
杉山 昌敏(まさとし)さん(宇東川東町)
- 写真あり -

家族の手で介護してあげたい
 私の父は、10年ほど前から手助けが必要になり、今は何をするにも介護が必要です。また、目が見えず、耳も聞こえないため、意志の疎通が難しく、昼間は、ほとんど居間のいすに座って過ごしています。
 父は介護認定を受け、介護サービスを受けることもできますが、私が自営のため、家にいることもあり、全く利用していません。
 でも、介護はやはり大変です。例えば夜、父はトイレに行くために何回か起きます。そのたびに手が必要になり、私も起きます。ここ数年、朝までぐっすり眠れることはありません。ほかにも、ふろに入れるのに手がかかります。入浴するのは、今は1日置き、冬は3日に1度の割合になってしまいます。10日に1度くらい、市内に住む弟が、入浴の手伝いに来てくれて助かっています。
 確かに介護は大変ですが、自分の親のことなので、面倒を見るのは当たり前だと思います。これからも、できるだけのことはしていきたいですね。

グループホーム入所者の家族
井出 恵子さん(蓼原)
- 写真あり -

入所についてとても悩みました
 ことし6月、夫の母がグループホーム(痴ほうの人たちが共同生活する施設)に入りました。10年くらい前から母の痴ほうが始まり、子どもが成長するのと反対に、後退していくのが目に見えてわかりました。得意だった編み物も、そのうち編み方さえもわからなくなりました。今では、家族のことも認識できません。
 入所するまで、デイサービスを利用しながら家で介護していました。母の痴ほうが進み、徘徊(はいかい)するようになり、介護に手のかかる一方、私の体調が悪く、介護が大変になってきました。そのうち母が家族とぶつかることも多くなり、このままだと家族がばらばらになりそうでした。ケアマネジャーに相談したところ、1週間ほどで施設入所が決まりました。最後まで家で介護していきたいと考えていたので、入所後もしばらくは、これでよかったのかととても悩みました。でも今では、母が施設で穏やかに生活している様子を見たり、私たち家族の状況を考えたりすると、入所してよかったと感じます。

介護サービス利用者の家族
小牧 昭(あきら)さん、靖代さん(伝法)
- 写真あり -

介護を難しく考えないでほしい
 私たちの母は、月曜日から土曜日まで毎日デイサービスを利用し、月2回ショートステイ(短期の入所サービス)も利用しています。
 介護サービスを利用するようになったのは、約3年ほど前、母が支えなしで歩くことが大変になり、階段に手すりをつけたいと思ったことがきっかけでした。デイサービスを受けるようになり、最初は週1回の利用でしたが、母の希望により、通う日数がふえました。利用する前は、1日ぼーっとしているだけでしたが、今は友達と話したり、何かつくったりと充実した毎日を過ごしているようです。もちろん、私たち夫婦にもゆとりと時間ができ、母だけではなく、私たちのためにもよかったのではと感じています。
 また、デイサービスセンターでは、家では大変な入浴や、熱や脈をはかるなどの健康管理もしてくれます。その点でも安心ですね。
 介護は大変だと思われがちですが、特別なことは何もしていません。難しく考えずに介護していきたいですね。

デイサービスセンターに勤務
秋山 みゆきさん(天間)
- 写真あり -

デイサービスの利用を楽しんでほしい
 デイサービスセンターは、在宅のお年寄りを対象にした、日帰りで通う施設です。入浴や軽い運動、趣味活動など、朝から夕方まで施設で過ごします。私が働く施設では、毎日通う人もいますが、週3回利用する人が多いですね。利用者は子どもと同居している人が多く、特に家族が仕事のため、昼間一人になる人が多いようです。
 私は、平成4年から介護スタッフとして働き始めました。介護の仕事をしていると「大変だね」と言われます。介護に限らず、仕事はどれも大変だと思っています。また、利用者の「面倒をかけてすまない」という言葉がつらいですね。私の方こそ、働かせていただいてありがたいと思い、楽しく働いています。
 利用者の皆さんは、デイサービスセンターで同じ世代の人と話し、人とかかわることの楽しさを感じているようです。家にいると、自分では外出する手段がなく、家に閉じこもってしまうようです。本人が希望してデイサービスに来られる人が多いですね。 

- 写真あり -
( 写真説明 ) ケアマネジャーの家庭訪問
( 写真説明 ) 季節ごとの行事を楽しむデイサービスセンター
( 写真説明 ) 自宅での介護
( 写真説明 ) 入所した家族との面会
( 写真説明 ) デイサービスセンターの送迎

ケアマネジャーとして働く・藁間 喜見(わらま きみ)さん(中里)
- 写真あり -

人と人の橋渡しをしています
「クモの巣を張りめぐらすように」
 ケアマネジャーは、人と人の橋渡しをする仕事です。お年寄りを中心に、その家族や利用している介護サービスの事業所、主治医、地域の人などその人を取り巻く人たちと、クモの巣を張りめぐらすようにかかわっていきます。自分たちでできる力を奪ってしまわないよう、どの程度援助したらいいのか、いつ手を差し伸べたらいいのかを見きわめる難しさを、常日ごろ感じています。

「介護に対するよくない印象」
 ほとんどの皆さんが介護に対し、よい印象を持っていません。「介護してる」と言えば、「偉いわね」という言葉が返ってくるし、「介護してもらう」と言うと、「自分はもうだめになってしまった」と思ってしまうようです。年をとれば、介護はだれにでも必要になります。介護に対する抵抗感や悪い印象を変えたいですね。
 介護度が重くならないよう、予防のために家に手すりをつけたり、つえを使ったりすることを勧めています。しかし介護へのよくない印象からか、「私はまだいいよ」と言う人が多いです。転ばぬ先のつえとよく言うように、介護が必要になってから手を打つのではなく、元気なうちから予防するよう心がけてほしいです。

「地域で支えていく」
 本人や家族からの相談が多いですが、「悠容クラブに来なくなった」「最近見かけなくなった」などという情報を、地域の人からいただき家庭訪問することがあります。中には、だんだん外出が面倒になり、家に閉じこもってしまう人がいます。そうならないよう、地域で支えたいですね。

「多くの人が抱えている不安」
 ふた親を見るケースも少なくありません。しゅうとめの相談に来ている人が、実家の両親の相談もしていきます。40代・50代の人たちが、親に何かあったらどうしようかと、漠然とした介護イメージに、不安を抱えています。わからないことや困っていることは、ぜひ私たちに話していただきたいですね。介護サービスの提供だけでなく、精神的にも支援していけるよう取り組んでいます。

 今後、介護を必要とする人はふえていきます。介護の実状は、家庭や社会環境など人によって違い、さまざまです。
 市では介護現場の声を聞きながら、高齢者やその家族を支える体制をつくっていきたいと考えています。介護について感じている不安や感想など、ぜひ市役所や地域にある事業所にお聞かせください。

問い合わせ先
介護保険について      介護保険課 電話 55-2765
高齢者福祉サービスについて 生きがい福祉課 電話 55-2760
高齢者保健サービスについて 保健福祉センター 電話 64-8990
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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