皆さんは、ボランティアという言葉から何を想像しますか。
奉仕、福祉、すごいこと、一部の特別な人がすること…
多くの人が、しようと思ってもなかなかできない、または自分にはできない、特別なことだと感じているようです。ボランティアは、そんなに特別なのでしょうか。
ボランティアって何だろう
「ボランティア」を辞書で引いてみると、「みずから進んで社会事業などに参加する人」とあります。最近では、ボランティア活動そのものを「ボランティア」と言っています。
一般的に「ボランティア=福祉」というイメージが強いように思われます。そのイメージは、どこかかたく、なかなか受け入れられにくいようです。
身近にあるボランティアの種
でも、今は、さまざまな場でボランティアをしている人がたくさんいます。また、日々に暮らしの中にも、ボランティアは、たくさん存在しています。
今回は、皆さんの周りにどのようなボランティアの種があるのかご紹介します。
ボランティアの種いろいろ
それでは、いろいろな分野でボランティアをしている皆さんの声を聞いてみましょう。
国際交流ボランティア
FILS(フィス)で日本語を教える・斉藤 尚(なお)子さん(鮫島)
- 写真あり -
自分のためにもなるから続けていける
1年くらい前から、毎週FILS(国際交流ラウンジ)で、日本語を母国語としない人たちに、日本語を教えています。
もともと、日本語教師になりたいと思い、日本語を教えるための講座で学んでいたので、そのような場を探していました。
毎週、生徒と楽しい時間を過ごしています。楽しいだけではなく、どのように教えたらわかってもらえるかなど、自分の勉強にもなっています。ボランティアは、自分のためにもなるから、続けていけるのだと感じています。
生徒とのかかわりの中でいろいろな国の文化や習慣の違いに驚きます。それが社会の中で誤解を招くこともあります。お互いに少しずつ歩み寄っていけたらと思います。
- 写真あり -
環境ボランティア
清掃活動をしている柚木寿会会長・小杉 竹次(たけじ)さん(柚木)
- 写真あり -
損得抜きで続けていきたい
悠容クラブ「柚木寿(ことぶき)会」は、昭和50年代から、地区の神社の清掃を毎月第2日曜日に行っています。会員は54人いますが、清掃活動に参加しているのは約20人です。会の平均年齢が80歳と高齢化していることもあり、参加は強制ではなく、できる人が行っています。
昨年は、長年続けてきた神社の清掃活動が認められ、表彰を受けました。表彰されたことはとても光栄です。でも、私たちは、だれかに認めてもらいたいというよりは、「自分たちが日ごろ生活している地域のた
めに何かしたい」という気持ちから行っています。
これからも、損得抜きで続けていきたいですね。
- 写真あり -
趣味ボランティア
中央公園のバラを育てている・松田 昭平(しょうへい)さん(依田橋町)
- 写真あり -
皆さんに愛されるバラを育てています
私は、雨でない限り毎朝、中央公園イベント広場にあるバラ園の世話をしています。また、私が入っている「富士ばら会」も、毎週日曜日に世話をしています。会員は50人くらいで、バラの好きな人、バラを育てたい人が集まっています。
バラを植えてから、ことしで5年目を迎え、本当にきれいな花を咲かせています。今では、富士市の観光名所として紹介されるようにもなり、市内だけでなく、市外からも多くの人が見に来て、バラの見事さに感心していきます。皆さんのお褒めの言葉はとてもうれしいですね。
皆さんに愛されているバラを大切に育てていきたいです。
- 写真あり -
観光ボランティア
観光ガイドとして活動する・岡田 政章(まさあき)さん(比奈)
- 写真あり -
元気ある富士市をPRしていきたい
昨年10月に「富士市観光ボランティアガイドの会」を設立しました。現在、会員は約40人で、30歳代から80歳代の人がいます。それぞれの得意分野を生かし、地元ガイドでなければできないような話を心がけています。最近は、行事の主催者や遠方の観光会社から、観光ガイドをしてほしいと声がかかります。会員の都合を調整しながら、少しずつ活動の場を広げています。
私たちの説明を聞いた人たちからの拍手やお礼の言葉は、とてもうれしいですね。お金では買えない、何とも言えない気持ちが残り、私たちの心の財産になります。
今後は、市外の人に元気ある富士市をPRすることはもちろん、市民にも文化や歴史などを伝えていきたいと思っています。
- 写真あり -
イベントボランティア
イベントのときに活躍する・新開(しんかい) 福江さん(三ツ沢)
- 写真あり -
皆さんにも楽しさを感じてほしい
私がイベントボランティアに登録したのは、昨年行われた「NEW!!わかふじ国体」にボランティアとして参加したことがきっかけでした。
私はスタンプラリーの受付などを担当しました。国体会場に来た人との触れ合いや、ほかのボランティアの人たちと和気あいあいと過ごした時間はとても楽しかったです。
たくさんの人との出会いから笑顔の輪が広がり、新しい発見ができるので、ボランティアは大変よい経験になっています。仕事や家事などがあるので、いつでもというわけにはいきませんが、都合の合うときには活動していきたいと思っています。
私が感じたような思いを、ぜひほかの皆さんにも感じていただきたいですね。
- 写真あり -
ボランティアの種を育てよう
ご紹介したように、ボランティアには、いろいろな種類があります。日常生活の中に隠れているボランティアもあるんですよ。
あなたにできるボランティア、見つけてみませんか。
あなたにできることチェックリスト
スタートから始めてみましょう。たどり着いた星の数字のボランティアを始めてみませんか。
- 図表あり -
( 図表説明 ) あなたにできることチェックリスト
★1 福祉ボランティア
福祉施設などを訪問して、お年寄りや障害を持つ人と話をしたり、食事や洗濯などを手伝ったり、手話や点字を勉強し障害を持つ人のために役立てたりと、福祉といってもさまざまなボランティアがあります。
その中から自分に合うボランティアを探してみましょう。
問い合わせ先 ボランティアセンター 電話 64-7100
★2 趣味ボランティア
日ごろ、趣味でどのようなことをしていますか。
ハーモニカやハンドベル、コーラスなど、音を奏でる趣味を持っている人は、それを披露するのも一つのボランティア。
ちぎり絵や手芸など、何か作品をつくっている人は、つくり方を教えたり、作品を提供したりするのもボランティアになります。
問い合わせ先 ボランティアセンター 電話 64-7100
★3 収集ボランティア
何か集めることが好きな人は、収集ボランティア。
日ごろ、ベルマークやロータスクーポン、使用済みプリペイドカードなどを捨ててしまっていませんか。
これらを集めると、寄付金やボランティアの活動資金に生まれ変わります。ふだんは見過ごしてしまっているものを、収集して役立ててみませんか。
問い合わせ先 ボランティアセンター 電話 64-7100
★4 環境ボランティア
環境に優しいことをする、これが環境ボランティアです。
地域などをきれいにする活動だけでなく、ポイ捨てはしない、ごみは持ち帰るなどの心がけが大切です。
また、ペットボトルや牛乳パックなど、ごみを捨てるときは分別することもふだんの生活の中でできることですね。
きょうから始めてみませんか。
★5 観光ボランティア
観光ガイドを養成する講座を受けた後、史跡や文化財などの観光名所で活動します。観光名所を訪れる人たちとの交流の中で、感動を体験してみましょう。
定期的に研修会も行われるので、自分の知識向上にもなります。
問い合わせ先 ステーションプラザFUJI内 観光ボランティアガイドの会事務局 電話 62-0456
★6 イベントボランティア
みんなでワイワイすることが好きな人は、イベントボランティアに挑戦してみてはいかがでしょう。
富士まつりなど、さまざまなイベントの手伝いをして、多くの人と触れ合ってみませんか。
問い合わせ先 商業労政課 電話 55-2777
★7 国際交流ボランティア
外国の言葉や文化について興味がある人は、国際交流ボランティアを。
世界の国の人たちと触れ合って、いろいろな言葉や文化を学んだり、日本のことを教えてあげたりしてみませんか。
富士市には5,000人以上の外国人が生活しているんですよ。
問い合わせ先 FILS(フィス)(国際交流ラウンジ) 電話 57-2800
★8 ちょこっとボランティア
日ごろ、あまり時間などに余裕がない人でもできるボランティアがあります。それは、ふだんの生活の中でだれかを思いやる心を持つこと。
バスや電車で席を譲ったり、重そうなものを持っている友人などの荷物を持ってあげたり、道に迷っている人に声をかけ教えてあげたり…。
そのような場面に出会ったら、ちょこっと、ボランティアしてみませんか。
★9 自分にできることを聞いてみよう!
現在、ボランティア連絡会に所属している団体は44団体あり、活動内容はさまざまです。また、個人で活動している人もいます。私たちにご相談いただき、自分に合ったボランティアを見つけてください。
富士市社会福祉協議会にあるボランティアセンターは、ボランティアを必要としている人とボランティアをしたい人の橋渡しをさせていただいています。多くの人に利用していただける場になればと思っています。ぜひお気軽にご利用ください。
- 写真あり -
問い合わせ先 ボランティアセンター 電話 64-7100
ところ フィランセ東館3階
とき 月曜日〜金曜日 8時30分〜17時
- 写真あり -
( 写真説明 ) ベルマークなどを集める収集ボランティア
( 写真説明 ) 車いす利用者を目的地まで送迎する移送ボランティア
笑顔の花をさかせよう
- 写真あり -
( 写真説明 ) 講演会などのときに子どもと遊ぶ託児ボランティア
「自分にできることを、できるときに、できるだけやる」
富士市ボランティア連絡会会長・小山(おやま) 章夫(ふみお)さん(天間)
- 写真あり -
まず一歩を踏み出してほしい
私は10年ほど前から、ボランティアをしています。ボランティア講座を受け、その講座で知り合った人たちと、男性ばかりのボランティアグループをつくりました。施設などのイベントの手伝いや、中央病院で車いすの整備などをしています。
ボランティアをしていることを人に話すと、「すごいね」「偉いね」とよく言われます。ボランティアという言葉を使うと、何か大それたことをしているように受け取られがちですが、皆さんも意識しないでしているボランティアがたくさんあります。
例えば、地区の清掃活動や祭りの手伝いなど。ほかにも、昔からの近所づき合いの中で自然とお互いを助け合ってきたこともボランティアです。どこかに行って何かをするだけでなく、日々の生活の中で行ってきたボランティアもあるんですよ。
「自分にできることを、できるときに、できるだけやる」ということがボランティアの基本です。ですから、「ボランティアはだれでもできる身近な存在」という意識が広まっていけばいいなと思っています。
また、車を運転していて横断歩道でとまったり、バスで席を譲ったりしたときなど、何かしたときにどこかうれしくなる感じは、ボランティアをした後の気持ちと同じように思います。この気持ちを多くの皆さんに感じてほしいです。
まず、ボランティアへの第一歩を踏み出していただけるとうれしいですね。
「ボランティア」と聞くと、どこか身構えていませんでしたか。
日々の生活の中でもできるボランティアがあります。そして、心や時間にゆとりができたとき、少し遠くにあるボランティアに目を向けてみてください。
まずは、皆さんの身近にあるボランティアの種を育ててみませんか。きっと笑顔の花が咲くことでしょう。
笑顔の花がたくさん咲く街。そんな富士市にしていきたいですね。
- 写真あり -
( 写真説明 ) ペットボトルなどをリサイクルする
( 写真説明 ) 環境ボランティア
( 写真説明 ) マイクを片手に観光名所を説明する観光ボランティア