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【広報ふじ平成16年】応援します!! 地場産品

 皆さん、「地産地消(ちさんちしょう)」ってご存じですか。地域で生産したものを地域で消費していこうという考え方です。今回は農産物の地産地消について紹介します。


富士市の農業

それぞれの気候や土質に合った農産物を生産
 市の総面積のうち、約13.1%が耕地面積になっています。そのうち、約42%は樹園地、約30%が田んぼ、約28%が畑として利用されています。
 市内各地、それぞれの地域の気候や土質に合った農産物が生産されています。富士山ろく地域では、野菜や花木が栽培され、特に大淵ではお茶づくりが盛んです。愛鷹山ろく地域・岩本山では古くからミカンと茶の栽培が行われています。また、各地で水田の裏作としてキャベツがつくられ、現在では県でも有数の生産量になってきています。

農家や耕地面積、生産額などが減少傾向
 市内の農家数は平成13年で約3,000戸。10年前の約8割になってしまいました。農業を行う人の高齢化や跡継ぎ不足などによる農家数の減少に伴い、耕地面積や生産額なども減少傾向にあります。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 富士市で平成14年にとれた農産物産出額の構成比(静岡県農林統計情報協会の資料から)

「地産」地域で生産

 市内のどこで何がとれるか知っていますか。農産物をつくっている皆さんにお話を聞いてみました。

露木(つゆき) 利昭さん (船津)
- 写真あり -
米をつくっています
 米は平坦なところ、このあたりでは吉原沼津線より南でつくられています。収穫は場所によって違いますが、早いところは8月下旬から始まり、地域によって10月下旬ころまで行います。
 浮島地区では、米だけでなく、茶も栽培している家が多いですね。ほかの地域でも、米づくりをしている農家は、ほかの作物を一緒につくっている家がほとんどですね。


長橋 宏(ひろし)さん (東柏原新田)
- 写真あり -
菊をつくっています
 菊は、元吉原の柏原あたりが産地の中心です。大淵や今宮、田子浦などでも生産され、菊を専業にしている人がほとんどですね。
 現在は、出荷時期を調整できる温室での電照栽培が盛んです。市内でつくる菊は、主に白色と黄色。仏事での消費が多いため、お盆、暮れ、彼岸のころに合わせて出荷しています。


秋山 勝英(かつひで)さん (今宮)
- 写真あり -
茶をつくっています
 茶の産地は、西の岩本、東の須津、北の大淵と大きく分かれます。
 富士市は、産地の標高差が大きいため、出荷時期が長く1か月ほどあります。5月の連休前後が一番茶の最盛期です。二番茶は6月中旬、三番茶は7月中旬から出荷し、時期によって味を楽しめます。
 生産者の直売所が多く、地元で販売、消費されていますね。


坂本 雅良(まさよし)さん (水戸島)
- 写真あり -
キュウリをつくっています
 キュウリは、春と秋の年2回収穫時期があり、その収穫に向けて1年中農作業をします。昭和30年ころはキュウリ・トマトなど果菜類を栽培する農家はたくさんいましたが、だんだん世帯数が減ってきてしまいました。キュウリの栽培はある一定の地区に多いということはなく、市内のあちらこちらでつくられ市場に出荷されます。


鈴木 得三(とくぞう)さん (松岡)
- 写真あり -
イチゴをつくっています
 イチゴは、主に富士北や岩松など、旧富士市の地域で栽培されています。4月に苗の植えつけを行い、翌年5月の収穫を終えるまで手がかかる一年作です。
 収穫は11月中旬ころから始まり、約6か月間とることができます。収穫時期は手が赤く染まり、イチゴの甘い香りが体にしみ込みます。


稲葉 安史(やすふみ)さん (水戸島)
- 写真あり -
ナシをつくっています
 ナシは、市の西部で多く栽培され、鷹岡や須津でもつくられています。富士市の特産品として有名な「富士梨」は、明治初期に水戸島で植え始めました。糖度が高く、味に自信を持って販売しています。
 収穫時期は品種によって違いますが、7月下旬から9月下旬ごろです。栽培農家が直接販売していることが多いですね。


高田 雄介(ゆうすけ)さん (中里)
- 写真あり -
ミカンをつくっています
 ミカンは、主に岩松や須津で栽培され、吉永でもとれます。品種は「青島」が多く、収穫時期は11月中旬から12月下旬ころです。どちらかというと、岩松のミカンは甘く、須津のは味が濃いですね。
 生産量は、年々減ってきてしまいましたが、時期になると、須津の山の段々畑が黄色に色づいてきて、見事な光景になりますよ。


- 写真あり -
( 写真説明 ) シキミ畑
( 写真説明 ) ネギ畑
( 写真説明 ) トマト畑

- 写真あり -
( 写真説明 ) 地産地図

「地消」地域で消費

 地元でとれた農産物は、地元で消費されているのでしょうか。次に、消費の視点からお話を聞いてみました。

富士中央青果株式会社 常務取締役・坂野 友廣(ともひろ)さん
- 写真あり -
地場産品を大切にしたい
 富士市公設地方卸売市場の青果部において、地元で栽培される生産物の占める割合は、約40%です。この割合は、ほかの市場に比べ高く、地場の生産者が頑張っていると言えます。地元での生産量は、全体で見ると減ってきていますが、生産者一人当たりの生産量はふえています。
 今までは、競り売りが主体でした。最近は、市場が間に立ち、生産者とスーパーなどの買い手が、あらかじめ契約した取り引きを行う形式がふえてきました。以前は、一度に同じ物を多量に生産できないと大型量販店では取り扱いされませんでした。しかし、数年前から地場産品が見直され、小売店はもとより、大型量販店などでも地域の物を売っていきたいという傾向が出てきました。私たちは、これからも地場産品を生かすように、取り組んでいきたいですね。


田子浦で夕市会を開いている
吉川 みどりさん(右・宮島)
大石 章(あき)子さん(左・宮島)
- 写真あり -
新鮮な物を皆さんに
 夕市会(ゆういちかい)は、皆さんに新鮮な物を提供しようと、平成4年から始まりました。会員は19人で、毎週火・金曜日、自分たちの畑で朝収穫した野菜などを、昼過ぎに店先に並べます。
 お客さんからおいしいと言われると、うれしいですね。料理方法を教えることもあり、お客さんとの会話も楽しみです。やはり皆さんにしゅんの物を食べてほしいです。


近所に直売所がある
小池 雅美(まさみ)さん (久沢)
- 写真あり -
新鮮な野菜はおいしいですね
 2年くらい前、近所に畑の一角を利用した直売所ができました。時々利用しています。今まで、無人の直売所など、あるなあと思っても、素通りしてしまうだけでした。朝露や土のついた新鮮な野菜は、食べて違いがわかり、家族も喜びますね。
 また直売所では、毎日近所の人が集まって話をする光景が見られ、憩いの場にもなっているようです。 


直売所に商品を出している
小山 享子(きょうこ)さん(右・大淵 )勝亦 安江(やすえ)さん(左・大淵)
- 写真あり -
自分の畑の野菜を使っています
 3年前、地域に直売所ができ、会員になった地元の人々が品物を持ち込みます。
 私たちは、家の畑でとれた野菜を使って、調理し、それを直売所で売っています。また、漬物や切り干しなど、昔から家でつくっていた物を売る人もいます。会員の皆さんは、お客さんに喜ばれるものを提供しようと、生き生きとしていますよ。


飲食店を開いている
木村 剛士(たけし)さん(右・三ツ沢)木村 恭代(やすよ)さん(左・荒田島)
- 写真あり -
安全で安心な物を
 野菜など、使用する食材の半分くらいは、直売所で買ってきます。そこでは、だれがつくっているのか名前を表示しているので、安心して買えます。また最近は、スーパーでも、同様の表示がされています。食品が、どこから来たのかわかると安心ですね。
 口に入る物を提供しているので、安全で安心な物をと考えています。


駿河湾では・・・

田子の浦漁業協同組合組合長・外山(とやま) 廣文さん
- 写真あり -

おいしいシラスを皆さんに
 田子の浦漁業協同組合の主な水揚げは、シラスです。
 シラス漁の漁期は、3月21日から翌年1月14日までです。朝5時45分、27隻のシラス船が一斉に漁場へ向かいます。そして船が戻ると、7時ころから、競りにかけられます。
 船は一そうずつ網をおろし、15分くらいかけて網を引き上げます。生きたシラスをそのまま氷の入ったかごへ入れます。皆さんにより新鮮でおいしく食べてもらえるよう工夫しています。
 平成11年から毎年、9月の最終日曜日に「田子の浦漁協しらす祭」を行っています。この祭りは、地元で多くとれるシラスの宣伝も兼ね、皆さんにシラスのおいしさを感じてもらおうということから始まりました。
 これから、シラス漁の最盛期を迎えます。田子の浦のおいしいシラスを、市民の皆さんに味わっていただきたいですね。


地場産品を応援しよう!!

JA富士市営農課
課長 飯塚 清孝(きよたか)さん
- 写真あり -
地産地消は農業の活性化につながります
 最近、地域でつくった物を地域で消費しようということが、全国的に言われています。
 JA富士市でも、地元の皆さんに地元の物を食べてもらおうと、地域に直売所などを設けようとしています。ほかにも、ことしの1月に、地元の物を小学生に食べてもらおうと、学校給食に富士市産のミカンを取り入れていただきました。
 昔は、今のように流通が発達していなかったため、地域でとれた物は地域で食べていました。まさに「地産地消」が行われていたと言えます。それが、時代の流れとともに、全国だけでなく、世界各地から農産物が届けられるようになりましたが、新鮮・安心という理由から、地場の物を応援しようという動きが出てきました。
 しかし、実際は「地産地消」がすべてではありません。市の現状を見てみると、年々、生産者は減少しています。収穫量や生産される種類にも限りがあるため、市民全員の食材を地場産品で賄うことはできません。
 ですから、「目にしたら」「機会があれば」という具合に購入していただければと思います。
 しかし、地場産品の消費が、富士市の農業の活性化にもつながります。ぜひ、市民の皆さんに地場産品を応援していただきたいですね。 

 新芽の黄緑色が鮮やかな茶畑、稲穂が黄金色に輝く田んぼ。思い浮かべる実りの光景は、どこか心が安らぎます。
 地産地消は、農業の活性化につながり、それは元気なまちづくりにつながっていくように感じます。
 私たちの街で育った農産物を目にしたら、ぜひ味わってみませんか。皆さんで、地場産品を応援していきましょう。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 新鮮な野菜がそろう夕市会
( 写真説明 ) 畑の一角を利用した直売所
( 写真説明 ) 畑の野菜を使って料理
( 写真説明 ) 産地が書かれた値札が並ぶスーパー
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
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