男女共同参画社会とは、「男だからこうあるべき…、女は一歩下がって…」などといった固定観念からの人権侵害を取り除き、すべての人々がお互いの人権を尊重し、責任も分かち合えるような社会のこと。
このような社会の実現を目指し、4月1日から「富士市男女共同参画条例」が施行されました。市や市民、事業者、地域、学校などが協力し合い、だれもが生き生きと暮らしやすいまちづくりを進めることを定めたこの条例について紹介します。
地域
まちづくりや福祉などの地域活動において、男女が平等に参画できる環境を整え、計画の立案や決定時にも男女が互いに能力を発揮できるように努めます。
※地域への男女共同参画の推進のため、普及・啓発などを行う「地区推進員」を設置します。
教育
男女共同参画の理念を理解し、その視点に配慮した教育を行うよう努めます。
市役所
男女共同参画についての施策を、総合的に実施し、そのために必要な体制を整えます。また、国やほかの地方公共団体、市民、事業者などと相互に連携をとりながら男女共同参画を推進します。
男女共同参画センター
市や市民、事業者などの皆さんが男女共同参画を推進していくための拠点施設です。情報提供、活動支援を行います。(富士市フィランセ西館3階)
職場
男女が対等に仕事に参画する機会を確保し、職場環境を整えるよう努めます。
男女共同参画課
鈴木清昭(きよあき) 課長
- 写真あり -
条例制定を機に お互いの人権を尊重する投げかけを
「男女共同参画社会基本法」では、男女共同参画の推進を二十一世紀の最も重要な課題としています。これを受けて、各自治体でもその地域の実態に合わせた条例制定が進められています。
このような全国的な状況のもと、富士市でも、男女共同参画社会の実現のため、また、「男女共同参画プラン」をより実効性のあるものにするための法的な整備として条例をつくりました。
この条例の特徴は、地域での普及・啓発を主な役割とした「男女共同参画地区推進員」の設置です。また、市や市民、事業者に加え、教育関係者、地域で活動している団体の皆さんにも、推進に協力していただくよう規定しました。
女性のための相談室や情報コーナーなど、既に活用されている「男女共同参画センター」を拠点施設にして、より一層の施設の整備・充実を図っていきたいと考えています。一人一人の個性を大事にして、お互いの人権を尊重していくことを市民の皆さんに投げかけていきたいと思います。
●富士市男女共同参画条例のスタートに寄せて●
市政モニターOB会会長
金城三十二(かねしろさとじ)さん(桑崎)
- 写真あり -
男女共同参画センターの充実に期待
私たちの団体では、フィランセの男女共同参画センターを利用しています。条例ができたことで施設の充実につながることを期待しています。市民にとってさらに利用しやすい施設になってほしいですね。また、この条例の内容を見て、子育てと同じように、地域の力を大切にしている点に共感しました。
社会の基本となる家庭生活のすべては、男女共同の作業だと思います。人と人とのかかわり合いですから、お互いを思いやり助け合うことが大切です。条例がこれらの心をはぐくむことに役立つといいですね。
男女共同参画情報誌「きらり」の編集に携わっている
花崎(はなざき)君子さん(米之宮町)
- 写真あり -
条例の内容が浸透するように
男女共同参画は、家庭や職場、地域などいろいろな分野にかかわりがあると思います。初めから「男だから、女だから」と決めてかからず、人としてそれぞれが自然に尊重されるような社会づくりに、この条例が役立ってほしいですね。
条例ができたことは一つの節目ですが、どのようにしてその内容を私たち市民にわかりやすく伝え、浸透させていくかなど、これからが大切だと思います。そのためには、お互いを理解しようとする心の輪を広げることが必要になるのではないでしょうか。
★この条例を実践し、男女共同参画社会の実現に向け、より市民の視点に立った施策を進めていくため、総務部男女共同参画室→市民部男女共同参画課となりました。
★この条例を総合的、計画的に推進するための市長の諮問機関として、「富士市男女共同参画審議会」を設置し、審議会委員を公募する予定です。(次回4月20日号の広報ふじをごらんください)
問い合わせは、男女共同参画課へ
電話 55-2724、ファクス 51-2363
Eメール si-danjo@city.fuji.shizuoka.jp
☆条例の詳細については、男女共同参画課のホームページにも掲載しています。