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【広報ふじ平成15年】戦争を知り、平和を知る

第二次世界大戦が終わり、日本から戦争がなくなり58年。戦争は既に過去のことであると考える人も多いのではないでしょうか。
 しかし、戦争は決して過去のことではありません。たとえ日本に戦争がなくても、現在も、戦争や紛争は世界各国で起こっています。また、核兵器の保有や開発なども、平和を脅かす大きな問題となっています。
 今回の特集のテーマは「戦争と平和」。世界中で今もなお続いている戦争や平和の意味について一緒に考えてみませんか。

 昭和60年11月19日、富士市は、核兵器の廃絶と戦争のない平和な社会の実現に向けて、市として核兵器廃絶と平和への願いを内外にあらわした「核兵器廃絶平和都市」を宣言しました。

◆核兵器廃絶平和都市宣言
 戦争の惨禍(さんか)をなくし 世界の恒久(こうきゅう)平和を実現することは 全人類の願いであり 世界で初めての被爆体験を持つ日本国民の悲願である
 しかしながら 核軍備拡大競争は 依然として進み 平和に対する 深刻な脅威(きょうい)と 戦争の危険は後退していない
 富士市は 平和憲法のもとで 平和で明るい生活を享受(きょうじゅ)するため 市民憲章を制定し 市民の行動原理として培(つちか)ってきている
 富士市民は 戦争をなくし 真の平和を実現するための努力を明らかにし 富士山のように 広く 美しく 高く たくましく 正しく生きることを悠久の理想として 非核3原則を遵守(じゅんしゅ)し すべての核兵器の廃絶を求めることを市民の総意とする平和都市を ここに宣言する
昭和60年11月19日 富士市
- 写真あり -
( 写真説明 ) 広島 原爆ドーム
( 写真説明 ) 長崎 平和祈念像


○第二次世界大戦
 1945年、日本の降伏により、第二次世界大戦は終結を迎えました。この戦争は、20世紀の著しい技術の進歩により、機関銃や航空機、毒ガスなどの新兵器がもたらす被害が大きく、大規模なものとなりました。このため、多くの人の命が失われただけでなく、建物の崩壊などにより都市基盤が失われるなど、経済的な損失も非常に大きなものでした。
 この戦争での犠牲者は、世界中で数千万人に上ると言われています。日本人の犠牲者は600万人以上。中でも、広島・長崎への原子爆弾投下による犠牲者は、20万人以上と言われています。

○現在も続く戦争
 先の第二次世界大戦により、戦争の悲惨さを知ったはずの人類。しかし残念なことに、第二次世界大戦以降も、世界の150か所以上で戦争や紛争が起きています(下図参照)。その主な原因は、思想や宗教、民族の違い、貧富の差などが挙げられます。
 これらの戦争による死者は1億人以上とも言われ、第二次世界大戦をはるかに上回る数の人々が犠牲になっています。そして、兵士よりも一般市民の犠牲が多いことが特徴です。
- 図表あり -

○核兵器の脅威
 第二次世界大戦後の約40年間、アメリカと旧ソ連(現在のロシアほか)を中心に起こった核軍備拡大競争により、地球上に原子爆弾や水素爆弾などの戦略核兵器が蓄積されました。そして、全面核戦争が起これば全人類が滅亡するだろうという危機をも生み出しました。
 1991年、アメリカと旧ソ連の間で調印された「戦略核兵器削減条約(START)」により、冷戦期に増大した戦略核兵器は大幅に減少しました。しかし一方では、人間への被害を大きくした中性子爆弾(水素爆弾の一種)が開発されるなど、核兵器の開発は今もなお進んでいます。
 また、核兵器は、製造から解体まで、あらゆる過程で放射能汚染を引き起こす可能性があります。核兵器は、存在するだけで地球環境を汚し続けるのです。
- 図表あり -


私たちにできることとは…

 日本では、戦争を知る世代が減り、戦後の貧困を体験した人も少なくなりました。日本の総人口の7〜8割は、いわゆる「戦争を知らない世代」。戦争を知らない世代は、戦争の本当の恐ろしさを知りません。
 しかし、戦争体験者の話を聞いたり、世界じゅうで起きている紛争や内戦について学んだりすることで、戦争の恐ろしさや悲惨さを知り、それを次世代まで語り継いでいくことが、今の時代に生きる私たちに託された重大な役目ではないでしょうか。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 第二保育園では、「富士の語りべ」の会の橋口傑(すぐる)さんを招いて平和教室が行われました(7月11日)。「戦争は、国と国のけんかです。世界には今でも、戦争で食べ物がなくて困っている子どもがたくさんいるんだよ」


○命の重みを考えていきたい
昨年の「平和のための富士戦争展」にボランティアなどで参加した
右から
小川 浩代さん(富士東高校2年)
国分(こくぶん) 瑞菜(みずな)さん(富士東高校2年)
宮下 和也さん(富士東高校3年)

- 写真あり -
 戦争展では、ふだん見ることのできない写真や映像などを実際に見て、とても大きな衝撃を受けました。学校で教わる戦争は日本のことが中心ですが、戦争展を機に、もっとほかの国で起こっていることにも目を向けるべきだと思うようになりました。
 実際の戦争は、映画のような格好よさはないと思うし、ゲームのようにボタン一つで簡単にできるものでもないと思います。しかし、戦争の本当の悲惨さを知らないために命を軽く考えてしまう人が多いので、今でも世界から戦争がなくならないのではないでしょうか。
 「平和」は、争いごとがなく、お互いを思いやることができ、だれもが充実した生活を送れることだと思います。でも、今の日本では、若者の凶悪事件や児童虐待など、考えられないような事件が起きています。戦争がないことだけで平和だとは言えないのでは…。私たちは、人の命の重みを考えていかなければならないと思います。


○大切なのは、他人を理解できる心のゆとりを持つこと
平和へのメッセージ
実行委員長
日下田(くさかた) 照明(てるあき)さん(厚原)
- 写真あり -

 8年前、「この子たちの夏」という、広島・長崎の悲劇を伝える朗読劇が富士市で上演されたのをきっかけに、「平和へのメッセージ」が始まりました。戦争や平和への関心が薄れていく中ではありますが、高校生や中学生などの参加も見られ、頼もしく感じられます。
 最近は、戦争について学ぶ機会が減っているように思います。しかし、被害者や加害者など、いろいろな立場の人たちの視点から戦争について学ぶことは、これからの平和を考える上でとても大切なことだと思います。
 平和は「空気」のようなもので、ふだんはその存在に気づかなくても、なくなってしまえば苦しくなります。心にゆとりがなく、心配事の多い状態は平和とは言えません。現在起きている戦争やテロも、時間をかけて話し合えば解決できることが多くあると思います。お互いを理解し合うゆとりがないために、争いが起きるのではないでしょうか。
 平和のために私たちに必要なことは、自分とは違う立場の人の意見を聞き、お互いに理解し合う心のゆとりを持つことだと思います。


 今の日本は平和だから…と、つい戦争に無関心になり、平和であることが当たり前だと思ってしまう私たち。しかし、戦争について知ることで、平和であることの大切さや、平和のありがたさを知ることができるのではないでしょうか。
 「戦争は過去のこと」、「戦争は外国で起こっているもの」などと無関心にならず、まずは「戦争を知ること」から始めてみませんか。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 平和へのメッセージ
平和を願うグループが、それぞれが持つ平和への思いを、合唱や劇などを通して伝えます
第8回 平和へのメッセージ
8月16日(土曜日) 13時開演
ロゼシアター小ホール
( 写真説明 ) 平和のための富士戦争展
「伝えよう、戦争の悲惨さと平和の尊(とうと)さを」と題した昨年の戦争展では、高校生や中学生などの姿も多く見られました
2003年平和のための富士戦争展
8月12日(火曜日)〜17日(日曜日)
ロゼシアター展示室


戦争や平和について考える視聴覚資料をお貸しします
電話 広報広聴課 55-2700
- 写真あり -

◆ビデオテープ
・教えられなかった戦争−侵略・マレー半島(110分)
・証言 侵略戦争 人間から鬼へ、そして人間へ(43分)
・核戦争後の地球 第1部「地球炎上」(30分)
・核戦争後の地球 第2部「地球凍結」(30分)
・火垂(ほた)るの墓(90分)
・にんげんをかえせ(20分)
・君知ってる? 首都炎上 アニメ東京大空襲(18分)
・はだしのゲン(90分)
・はだしのゲン2(90分)
・ヒロシマに1番電車が走った(30分)
・つるにのって−とも子の冒険−(27分)
・見上げれば、ひまわり−千恵子さんとともに−(30分)
・さようならカバくん(25分)
・おばけ煙突のうた(42分)
・16地蔵物語−戦争の犠牲になった子どもたち−(26分)
・沖縄 第1部「1坪たりともわたすまい」(75分)
・沖縄 第2部「怒りの島」(120分)
・おかあさんの木(20分)
・なっちゃんの赤いてぶくろ(18分)
・青い目の人形物語(30分)
・対馬丸(75分)
・かっ飛ばせ!ドリーマーズ カープ誕生物語(86分)
・1つの花(23分)
・おこりじぞう(28分)
・おかあちゃんごめんね(26分)
・トビウオのぼうやはびょうきです(19分)
・ながさきの子うま(26分)
・クロがいた夏(80分)
・はとよ ひろしまの空を(21分)
・証言 中国人強制連行(41分)
・証言―20世紀からの遺言−若者が問う侵略戦争(38分)

◆16ミリ映画フィルム
・核戦争後の地球 第1部「地球炎上」(30分)
・核戦争後の地球 第2部「地球凍結」(30分)
・おこりじぞう(27分)
・おかあさんの木(20分)
・100ばんめのサル(20分)
・核戦争(15分)
・ちいちゃんのかげおくり(20分)
★( )内は再生時間です。
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
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