市では、世界的な問題となっている地球温暖化や石油資源の枯渇化などに対応するため、環境への負荷が少なく、無尽蔵な資源といわれる太陽光などの新エネルギーに着目し、富士市の特性に適合した、新エネルギー導入の基本方針や今後の展開案を明らかにした「新エネルギービジョン」を策定しました。
◆新エネルギーへの取り組み
現在、環境・エネルギー問題に関しては、国内外においてさまざまな取り組みがされています。特に日本は、平成9年12月に開かれた、地球温暖化防止に向けた国際的な会議(京都会議)において、二酸化炭素の削減に向けた対応を約束しており、二酸化炭素削減に効果があり、環境負荷の少ない新エネルギー導入への取り組みが進められています。
●富士市では…
○クリーンエネルギー自動車(下記参照)の導入
○住宅用太陽光発電システム導入補助
○事業者への天然ガスコジェネレーションシステム(下記参照)の導入補助などを進めています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 市の公用車として、20台のクリーンエネルギー自動車が使われています(平成15年5月現在)
◆富士市の特性
富士市の地域的な特性としては、山、川など、多様で豊かな自然環境に恵まれており、特に日照時間は全国平均を年間170時間程度上回っています。また、乗用車の保有台数が1世帯当たり1.58台と、全国平均の1.09台を大きく上回っているため、移動手段として自動車に依存しています。
さらに、工業都市としての特徴から、非常に多くのエネルギーを消費する事業所が集積しています。
◆ビジョンの基本方針
地球温暖化に代表される環境・エネルギー問題や、多彩な自然に恵まれた工業都市としての特性、また、市民・事業者の問題意識などを踏まえて、「富士市新エネルギービジョン」の基本方針を次のようにまとめました。
1.普及啓発・情報提供の推進
新エネルギーの導入は、環境・エネルギー問題解決への有効手段と考え、市民・事業者・行政の協働により、環境に優しい社会の実現を目指します。
2.地域特性を活かした導入
自然環境を生かした太陽光などの自然エネルギーの導入や、工業都市としての特性から生み出される新たなエネルギーの活用を進めます。
3.総合的展開による波及効果の追求
実用性や採算性を踏まえ、防災面への活用や地域の活性化など、多面的な波及効果を引き出します。
◆ビジョンの展開
新エネルギーの導入に向けては、5つの重点テーマ(次図)を軸とした施策の展開を図り、効果的で効率的な導入を検討していきます。
1.協働プロジェクト
2.こどもプロジェクト
3.水プロジェクト
4.産業プロジェクト
5.災害プロジェクト
- 図表あり -
- 写真あり -
( 写真説明 ) 小学校での環境学習会
新エネルギーってどんなもの?
○太陽光発電・太陽熱利用
太陽の光エネルギーを直接電気に変換したり、熱エネルギーを給湯・冷暖房などに利用したりします
○風力発電
風の力でブレード(風車の羽根)を回して発電します
○廃棄物エネルギー
廃棄物を化石燃料のかわりに使います
○バイオマスエネルギー
木材・家畜のふん尿などをエネルギー源として利用します
○未利用エネルギー
工場排熱・河川水熱などの利用、河川の落差を利用した発電など
○クリーンエネルギー自動車
電気・天然ガス自動車、ハイブリッド自動車(※)など
○天然ガスコジェネレーション
天然ガスを燃料に、発電と排熱利用を同時に行います
○燃料電池
水素と酸素の化学反応で直接発電します。熱も利用できます
※ガソリンエンジンと電動モーターを効率よく切りかえてガソリンの使用を削減し、二酸化炭素の排出量を抑制します。
問い合わせ 環境政策課 電話 55-2902