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【広報ふじ平成14年】身近な?から変えていこう 男女が共に創(つく)るまちをめざして

男は仕事、女は家庭?
女の子はかわいらしく、男の子はたくましく?
一家の主は夫(父親)?
お茶出し、雑用は女の仕事?
役員や代表者は男の仕事?

 性別や年齢、国籍、障害の有無にかかわらず、だれもが個性と能力を発揮して活躍できる街を目指し、「富士市男女共同参画プラン」が昨年4月からスタートしました。
 「男女共同参画」とは、決して一部の人たちに向けての特別なものではありません。環境や福祉、教育の問題などと同じように、皆さんの生活にとても身近なものなのです。
 あなたもきょうから「男だから」「女だから」という考え方を改め、「自分らしく」生き生きと暮らせる社会に向けた第一歩を踏み出してみませんか?


ジェンダーチェック
 あなたは、イメージだけで男性の役割、女性の役割を決めつけていませんか?
「ある外科医の話」
 あるところに外科医がいました。
 ある日、その外科医のもとに重傷患者が運ばれてきました。見ると、その重傷患者は何と自分の息子でした。
 自分の息子の命を救うべく、外科医は一生懸命手術をしました。しかし、そのかいなく、息子は死んでしまいました。
 お葬式のとき、弔問客の一人がその子の父親に向かって言いました。
「あなたが一生懸命に手術をしたのに、残念でしたね。」
 しかし、父親はこう言いました。
「私は手術をしていませんよ。」
 さて、この父親はなぜ「自分は手術をしていない」と言ったのでしょうか?

 どうして父親は「手術をしていない」と言ったのか、皆さんにはわかりますか?
 「わからない」という人は、もう一度文章をよく読んでみてください。この話のポイントは、重傷患者の親が外科医であったこと、しかし、重傷患者の父親は「手術をしていない」と言ったことです。
 もうおわかりですね。手術をしたのは、父親ではなく母親、つまり、外科医は女性であったからなのです。「外科医=男性」だと思い込んでいると、このクイズの答えはわかりませんね。

●ジェンダーをなくそう
 「男らしさ、女らしさ」、「男は仕事、女は家庭」など、男性・女性の違いについて社会的・文化的につくられた性差のことを「ジェンダー」といいます。「外科医=男性」だと思い込んでしまうのも、ジェンダーによる男女の能力や役割に対する固定的な考え方が根強く残っているためです。
 ジェンダーは長い歴史の中で人間がつくり出したものであり、その偏見や先入観が人権を侵害してしまうこともあります。
 まずは自分自身の意識や一言動を振り返り、身近な生活の中に潜むジェンダーについて見直してみませんか。


今も残る男女の格差、多くの人に気づいてもらうために
 男性も女性も、それぞれが個性や能力を尊重し合うことのできる社会を築くためには、男女平等に対する意識が広く浸透し、だれもが身近なところから、性別による不平等感に気づき、考え、見直していくことのできる環境づくりが不可欠になります。
 しかしながら、女性が被害者となる夫や恋人からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)、セクシャルハラスメント、ストーカー行為などの問題は依然として多く、地域においては、「男性が代表・女性が裏方」といった、男性優位の慣習や認識が、ごく当たり前のものとして存在しているのが現状です。
 男女共同参画社会の実現に向けたプランが整備されても、それが広く市民に浸透し、実行されなければ意味がありません。そのため、「富士市男女共同参画プラン」では、より多くの皆さんが、男女がともに生きるまちづくりについての意識を持ち、不平等感のない社会の実現に向けての行動ができるよう、着実に実行できる具体的な行動計画を盛り込みました。


条例づくりに向けて、市民参加で取り組んでいます
 プランが確実に実現するための法的な整備を進めるため、市では現在、市民の皆さんとともに、「男女共同参画社会」を実現するための条例づくりを進めています。
 ことしの1月に、公募による「条例づくり市民会議」を発足。以来、毎月1回の会議では、条例づくりなどについて学んだり、ジェンダーの縛り(偏見や先入観)についてのワークショップを行ったりしてきました。
 7月25日に行われた市民会議では、今後の条例づくりの方向性などについて活発な討論が行われたほか、「より多くの人に、男女共同参画の意識を広めたい」「富士市ならではの内容を条例に盛り込んでいきたい」などという意見が多く出されました。
 今後は、啓発活動を兼ね、各地域の公民館に出向いて公開会議を行いながら、具体的な条例市民案づくりを進めていく予定です。
 このように、市民と行政が協働してよりよい条例づくりに取り組んでいます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 条例づくり市民会議(7月25日)


条例づくり市民会議共同代表のお2人に伺いました

立石(たていし)雅世さん (弁護士:御幸町)
だれもが充実した生活を送れる富士市にしたい
- 写真あり -
 お互いに相手を思いやって生きていくことが、男女共同参画の基本です。これは、法で強制するものではありませんが、実際に存在する男女格差や不平等感など、改めるべきことをきちんと改めるためには、基本となる決まりごとが必要になります。
 「条例づくり市民会議」のように、条例案づくりに市民がかかわるのは今までにないよい試みですね。市民会議のメンバーは、身近な生活にかかわることであり、建設的な意見を出し合い、話し合いを進めています。
 男女共同参画は、家庭、職場、地域など、あらゆる分野にかかわりのあるものです。だからこそ、相手が不快に思うような差別があってはなりません。
 富士市にも男女共同参画の意識が広く浸透し、だれもが楽しく充実した生活が送れるように、元気な街にしたいですね。

稲葉久利さん (会社役員:水戸島元町)
人を思いやる心こそが、人と人とがともに生きることの基本 
- 写真あり -
 「男女共同参画」という言葉の意味を理解している人はまだ少なく、たとえ理解をしていても、そのための意識改革を進めるには、一人の力ではできないことも多くあります。ですから、さまざまな問題についてみんなで考え、解決していける社会をつくっていくことが大切です。公民館で行う予定の「条例づくり市民会議」の公開会議では、ぜひ多くの皆さんに傍聴していただき、ご意見を聞かせていただきたいですね。
 男女共同参画社会の実現に必要なことは、「人を思いやる心」を持つ人をいかに育てていくか、ではないでしょうか。自分を大切にするのと同じくらい人も大切にする、そこに人と人とがともに生きる基本があるのではないかと思います。
 富士山のふもとにある富士市に、すてきな男女共同参画社会を実現していきたいですね。

問い合わせ:男女共同参画室 電話 55-2724
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