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【広報ふじ平成14年】被爆クスノキに平和を誓って

核兵器廃絶平和都市宣言
 戦争の惨禍(さんか)をなくし 世界の恒久(こうきゅう)平和を実現することは 全人類の願いであり 世界で初めての被爆体験を持つ日本国民の悲願である
 しかしながら 核軍備拡大競争は 依然として進み 平和に対する 深刻な脅威(きょうい)と 戦争の危険は後退していない
 富士市は 平和憲法のもとで 平和で明るい生活を享受(きょうじゅ)するため 市民憲章を制定し 市民の行動原理として培(つちか)ってきている
 富士市民は 戦争をなくし 真の平和を実現するための努力を明らかにし 富士山のように 広く 美しく 高く たくましく 正しく生きることを悠久の理想として 非核三原則を遵守(じゅんしゅ)し すべての核兵器の廃絶を求めることを市民の総意とする平和都市を ここに宣言する
 昭和60年11月19日  富士市

 1945年8月、広島、長崎に地球上で初めて投下された原子爆弾。その悲劇から半世紀以上が経過しましたが、世界ではいまだ核兵器の脅威から解放されていません。一瞬にして多くの生命を奪い、その後も人々を苦しめ続ける核兵器の廃絶と、戦争のない平和な社会の実現は全世界の人々にとって大きな願いです。
 核兵器廃絶平和宣言都市である私たちの街・富士市。今回の特集では、昨年8月9日の「長崎原爆の日」に植樹された長崎の被爆クスノキの話を紹介します。


被爆地・長崎のこと
 広島に原爆が投下された3日後の1945年(昭和20年)8月9日午前11時2分、アメリカのB29爆撃機から約9,600メートル上空で落とされた原爆は、長崎市北部の松山町(まつやままち)上空約500メートルで爆発しました。推定表面温度7,000度〜9,000度とも言われるこの原爆の火の玉からは、猛烈に強い爆風や熱線、そして放射線が飛び散りました。
 熱線によるやけどによって表面の皮膚は焼けただれてはがれ落ち、皮膚の下の組織や骨までもがむき出しになりました。すさまじい爆風によって人々は吹き飛ばされ、無数のガラス片や木片を全身に浴びました。爆心地から1キロメートル以内では木造家屋は全壊。壊れた建物の下敷きになって多くの人が亡くなりました。放射線は人間の体内に入って細胞を破壊し、大勢の人たちを死亡させ、生き長らえた人にも、さまざまな病気を引き起こす原因となって、今も被爆者を苦しめ続けています。


被爆クスノキの物語
 樹齢約500年とも言われる2本の被爆クスノキは、爆心地の南東約800メートルの山王(さんのう)神社にあります。爆風で枝や葉がすっかり落ち、幹にも大きな裂け目ができました。真っ黒に焼け焦げたこのクスノキを見て、だれもが死んでしまったと思いました。しかし、しばらくして再び新芽を吹き出してよみがえりました。今後70年間は、草木が生えないだろうと言われていましたが、新しく芽吹いた小さな命は、復興を願う人々を大いに励ましました。その後クスノキは長崎市の天然記念物に指定されました。現在では、幹の中が空洞になるほど弱ってしまっていますが、原爆を知る生き証人としてその恐ろしさを伝えています。
 このクスノキを軸にした平和活動の一つに、平成8年、長崎市立式見(しきみ)中学校の生徒と先生による平和学習の一環から発展した「プロジェクトくすの木」という活動があります。このクスノキの実から苗木を育て、長崎から各地へ平和のメッセージを発信しています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 米の宮公園にある被爆クスノキ2世
( 写真説明 ) 爆風によって半壊した山王(さんのう)神社の鳥居(現存)と被爆クスノキ(右上)(石田寿氏撮影 長崎原爆資料館所蔵)
( 写真説明 ) 平和祈念像
( 写真説明 ) 現在の被爆クスノキ
( 写真説明 ) 原爆が爆発した11時2分を示した柱時計(長崎原爆資料館所蔵)
( 写真説明 ) 原爆によって一面焼け野原となった長崎市街(小川虎彦氏撮影 長崎原爆資料館所蔵)

●原爆による被害(推定)
※当時の長崎市の人口は現在の富士市とほぼ同じ約24万人。
死者      7万3,884人
負傷者      7万4,909人
被害を受けた戸数 1万8,409戸
(半径4キロメートル以内の全戸数)
全焼した家    1万1,574戸
(半径4キロメートル以内、市内の約3分の1)
全壊した家      1,326戸
半壊した家      5,509戸
- 写真あり -
( 写真説明 ) 溶けた6本の瓶(長崎原爆資料館所蔵)
( 写真説明 ) 爆心地から約400メートル離れた商店跡から発見され、高熱で瓶の上部が溶けてくっついています。
( 写真説明 ) 手の骨とガラス(長崎原爆資料館所蔵)
( 写真説明 ) 爆心地付近で見つけられたもの。人間の手の骨とガラスが高熱で溶けてくっついています。
参考文献:『長崎原爆資料館 資料館見学・被爆地めぐり「平和学習」の手引き書』((財)長崎平和推進協会)ほか写真資料提供など長崎原爆資料館にご協力をいただきました。


大きく育て 平和のクスノキ
長崎に原爆が投下されてから57回目の夏を迎え、原爆の生き証人である被爆クスノキの子どもたちが、遠く離れた富士山のふもとで根づいています。
これは昨年8月9日の長崎原爆の日に、米の宮公園西側の一角に植えられたものです。式典には富士第一小学校、富士中央小学校の子どもたちが出席し、平和を守り、クスノキとともに成長していくことを誓いました。


このクスノキを通じ、戦争や平和について関心を持ちつづけてほしい
富士商工会議所 鈴木斌夫(あやお) 副会頭
- 写真あり -
 平成11年の夏、長崎の子どもたちが被爆クスノキを平和学習の生きた教材としていることを知りました。富士市は核兵器廃絶平和宣言都市で、その上クスノキを市民の木としています。商工会議所として、一人でも多くの市民に平和の意義を感じてほしいと思い、長崎の商工会議所の協力を得て苗木を富士市にいただくことになりました。長崎へ行って苗木を受け取ったとき、私自身が経験した戦争の悲惨さを改めて思い出し、戦争の歴史や命の重みを後世に伝え続けていくことの大切さを感じたものです。
 悲惨な戦争の実体験がない子どもたちにとって、平和のとうとさを意識し続けていくことは難しいことです。しかし、今日一たん戦争が起きたら大変であることは言うまでもありません。未来を担う子どもたちがこのクスノキを見て、戦争や原爆の話など学んだことを再認識することに役立ててほしいですね。また、このクスノキの成長を通じて、多くの市民の皆さんが戦争や平和についての関心をいつまでも持ち続けていってほしいと思います。


クスノキに込めた私たちの願い
昨年植樹に参加した小学生の皆さんに伺いました
富士第一小学校6年 風岡秀彰(ひであき)さん
- 写真あり -
 原爆でもう草木も生えないと言われていたのに再び芽が出たことから、あきらめないことの大切さを教わった。この奇跡の木が自分たちの住む街にあってうれしい。どんどん大きくなっていつまでも平和の大切さを伝えてほしい。

富士第一小学校6年 吉川歩(あゆむ)さん
- 写真あり -
 児童会でクスノキの話を劇やポスターにして、命の誕生の喜びや大切さを学校のみんなに伝えている。罪のない人が一瞬で殺されてしまう戦争は二度と起こしたくない。この木を中心に平和の大切さを広めていきたい。

富士中央小学校6年 渡辺ゆりかさん
- 写真あり -
 原爆の話は授業や本を読んで知った。とても残酷で悲しかった。みんながこの木を見て原爆のことを思い出し、富士市の平和のクスノキとして愛されるような木になってほしい。外国の人とも仲よく交流を深めて平和な世界にしたい。

富士中央小学校6年 梶村洸輝(こうき)さん
- 写真あり -
 このクスノキを見て、たくましさや生きる力を感じてとても勇気づけられた。大人になっても恐ろしい戦争がないような世の中にしていきたい。とても貴重な木なので、何があっても倒れないような木に育てていきたい。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 平成11年11月、被爆クスノキの苗木を富士市にも植えようと準備を進めてきた富士商工会議所の関係者が長崎を訪問。「プロジェクトくすの木」副代表(写真左)から苗木を授かりました。


 地球上で唯一の核兵器による被爆国である日本。核兵器によって数え切れないほどの命が奪われました。この悲劇を忘れず、地球上から核兵器がなくなるように私たちは訴え続けなければなりません。
 被爆地長崎から平和へのメッセージを携えて富士市にやって来た2本のクスノキ。とうとい命の大切さを私たちに伝えてくれています。核兵器廃絶、そして平和への誓いを込めて、このクスノキを大切に育てていきませんか。


戦争や平和について考える 視聴覚資料をお貸しします
電話 広報広聴課 55-2700
◆ビデオテープ
・教えられなかった戦争 侵略・マレー半島(110分)
・証言 侵略戦争 人間から鬼へ、そして人間へ(43分)
・核戦争後の地球 第1部「地球炎上」(30分)
・核戦争後の地球 第2部「地球凍結」(30分)
・火垂(ほた)るの墓(90分)
・にんげんをかえせ(20分)
・君知ってる?首都炎上 アニメ東京大空襲(18分)
・はだしのゲン(90分)
・はだしのゲン2(90分)
・ヒロシマに一番電車が走った(30分)
・つるにのって とも子の冒険(27分)
・見上げればひまわり 千恵子さんとともに(30分)
・チェルノブイリ・クライシス 史上最悪の原発事故(57分)
・さよならカバくん(25分)
・おばけ煙突のうた(42分)
・十六地蔵物語(26分)
・沖縄 第1部「一坪たりともわたすまい」(75分)
・沖縄 第2部「怒りの島」(120分)
・おかあさんの木(20分)
・なっちゃんの赤いてぶくろ(18分)
・青い目の人形物語(30分)
・対馬丸(75分)
・かっ飛ばせ!ドリーマーズ カープ誕生物語(86分)
・一つの花(23分)
・おこりじぞう(28分)
・おかあちゃんごめんね(26分)
・トビウオのぼうやはびょうきです(19分)
・ながさきの子うま(26分)
◆16ミリ映画フィルム
・核戦争後の地球 第1部「地球炎上」(30分)
・核戦争後の地球 第2部「地球凍結」(30分)
・おこりじぞう(27分)
・おかあさんの木(20分)
・100番目のサル(20分)
・核戦争(15分)
・ちいちゃんのかげおくり(20分)
 ( )内は放映時間
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
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