富士木遣(ふじきやり)
「木遣り」とは、重い物を運んだり、動かしたりするときに歌う労働歌です。昔は、材木の運搬や船を浜に引き上げるなど、皆で力を合わせるときに歌われていました。江戸時代になると、この木遣りが、お祭りのときに山車やみこしの露払いをするために歌われるなど、労働歌以外としても歌われるようになったそうです。
『富士木遣愛好会』は、伝統芸能である木遣りを、職業や家柄にとらわれずけいこしたいという人が集まり、20年ほど前から活動しています。現在は、20代〜70代まで合わせて21人の会員が、木遣りにまといと宮太鼓を加え、力強い歌声を披露し、見る人に感動を与えています。
主な活動は、祝言や建前などはもちろん、お正月に三日市浅間神社、米之宮神社で行う木遣り奉納や吉原祀園祭への参加、富士まつり、ふるさと芸能祭での披露などです。そのほかにも、福祉施設への慰問などボランティア活動も積極的に行い、木遣りの伝統を広く市民に伝えています。
富士木遣愛好会会長 平林 和幸さん(伝法)
- 写真あり -
富士木遣愛好会は、本当に木遣りが好きな人ばかり集まっているので、出演依頼があればできる限り協力するようにしています。応援してくださる人には、「愛好会ではなく保存会にしたらどうか」とよく言われます。しかし私たちは、木遣りが好きな人が、自由な発想で活動していきたいと考えているので、20年たった今も名称を変更していません。
一口に木遣りといってもその歌にはたくさんの種類があります。一般的には、祭りや祝言などおめでたい場所での露払いというイメージですが、道中を歩きながら歌うものや、お葬式で歌うものもあるんですよ。
これからも、この富士の木遣りをたくさんの人に聞いてもらい、若い人たちに引き継がれていってほしいと願っています。
- 写真あり -
- 図表あり -
( 図表説明 ) 富士まつり 7月28日(日曜日)