【広報ふじ平成14年】一緒に考えましょう 私たちの環境
私たちの生活や産業は、豊富な富士山の恵みにより支えられ、はぐくまれてきました。しかし、便利さや豊かさを追求するあまり、、自動車排気ガスによる大気汚染やごみ問題、地球温暖化などの地球環境問題が発生し、富士市の環境は少しずつ悪化してきています。
美しい富士山の恵みを将来の世代に引き継いでいくために、今、私たちにできることは何かを考え、実行していきましょう。
富士市環境基本計画が完成します
平成12年度、13年度の2年間をかけて策定作業を進めてきた「富士市環境基本計画」が、まもなく完成します。
この計画では、「富士山の恵みを、みんなで守り、育て、ともに生きるまち」というテーマを掲げ、富士山から駿河湾に至るまでの森林、地下水、水産資源」地形、歴史・文化などの有形、無形の「富士山の恵み」を永遠に継承することを目指しています。
なお、「富士市環境基本条例」において、環境を守り、育てる主体は「市民」「事業者」「市」であると規定しており、計画では、三者がそれぞれ役割を持ち、協力して目標達成のための取り組みを進めていきます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 富士市環境審議会では、平成12年8月以来、13回にわたる環境基本計画の審議を終了し、2月14日、市長に答申しました。
<計画の主な取り組み>
環境問題を解決するために、市が優先的・重点的に取り組む項目として、基本目標ごとに重点取り組み項目を設定しました。
1.豊かな水を守る緑を育て、おいしい水を守る取り組み
(1)ボランティアによる森林の育成
・ブナ林創造事業などによる森林の創造
(2)豊かな水の保全
・富士市の水のおいしさのPRと地下水の価値の意識啓発
・「富士山の恵み」創造基金(仮称)制度の創設
(3)水や水辺の生き物とふれあえる空間づくり
・湧(ゆう)水池の保護とその周辺の整備
2.ごみを減らす取り組み
(1)ごみの発生抑制
・環境保全協力店(仮称)制度の創設
・ごみの排出抑制に対する意識啓発
・事業系ごみの排出抑制に対する指導
(2)ごみのリサイクル
・ごみのリサイクル拠点整備の検討
・ペーパースラッジなどを再利用した製品の利用
3.富士山を生かした、環境にやさしいまちづくりに向けた取り組み
(1)富士山を生かした名所づくり
・富士山の眺望点やそれを生かした名所づくりの推進
(2)環境にやさしい交通システムの整備
・交通需要マネジメント*(TDM)の導入の推進
(3)環境にやさしい車両の導入
・公用車の低公害車への転換
※道路渋滞、排気ガス問題に対し、マイカー通勤の削減や公共交通機関への転換などにより解決しようとするもの。
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( 写真説明 ) 公用車の天然ガス自動車(低公害車)
4.環境教育・環境学習による、人づくりの取り組み
(1)環境教育・学習の支援・推進
・地域や教育機関における環境教育・学習の支援
・こどもエコクラブの活動支援
・生き物調査など市民による環境調査の実施と情報提供
(2)環境教育・学習の指導者の養成・登録
・環境学習アドバイザー育成・登録制度の確立
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( 写真説明 ) 環境学習会(今泉小学校)
5.地球環境問題の解決に向けた取り組み
(1)地球温暖化防止についての意識啓発
・環境家計簿の普及・啓発などによる意識啓発
(2)環境にやさしい行動の実践
・地球温暖化防止対策実行計画の策定と市の率先的な取り組み(4ページ参照)
・太陽光発電の普及推進
・コジェネレーション*の普及推進
・環境にやさしい製品の率先購入(4ページ参照)
・富士スモッグ(富士市の空気がよどんだ状態)の原因究明
・産学官の連携による国際的な環境研修機関の設置検討
※一つのエネルギー源から二つの有効なエネルギー(電気、熱エネルギー)を取り出すこと。
計画に基づく取り組みが、4月からいよいよスタートします。
今後は、毎年年次報告書を公表し、市民・事業者の皆さんや富士市環境審議会の意見を施策に反映していきます。
なお、計画の概要については、4月に全戸配布するパンフレットをごらんください。
環境基本計画についての問い合わせ…環境政策室 電話 55-2776
「富士山の自然の恵み」を生かした特徴ある計画が完成
富士市環境審議会会長東海大学名誉教授
岡部 史郎(しろう)さん
- 写真あり -
富士市環境基本計画の策定に当たり、富士市環境審議会では、30人の委員により計13回もの話し合いを行ってきました。その中では、市民公募の委員の皆さんからも率直な意見をいただくことができました。私は富士市以外の市町村の環境審議会にも参加していますが、これほど多くの時間をかけ、市民の意見を取り入れて綿密に話し合いをしたのは初めてです。
計画の策定に当たって、大きな核となったのは「富士山の自然」と「湧(ゆう)水」です。富士山の自然の恵みを生かすという、しっかりとした核があったこと、また、市民の意見を取り入れて、これだけの計画をつくり上げることができたことは、富士市の環境基本計画の大きな特徴だと言えます。
富士市は住宅や工場が混在した街ですから、環境問題への具体的な対策を考えるのは難しいものです。環境基本計画を、これから実際に推進していくことは、大変なことかもしれません。しかし、常に新たな視点から富士市の環境について考えていくことで、この環境基本計画は生かされていくと思います。
4月から「富士市地球温暖化防止対策実行計画」と「富士市グリーン購入基本方針」の取り組みをスタートします
「地球温暖化対策の推進に関する法律」と「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」が制定され、市では、市の施設を対象とした「富士市地球温暖化防止対策実行計画」と「富士市クリーン購入基本方針」を策定しました。
地球温暖化防止と、環境に優しい物品購入の推進に向けて、職員一人一人が事業者・消費者としての自覚を持ち、積極的に取り組みます。
富士市地球温暖化防止対策実行計画
地球温暖化を進める温室効果ガスとは、二酸化炭素やメタンなどの6種類の物質です。平成12年度に、市役所みずからの事務事業に伴って排出された温室効果ガスは、約6万6,000トンでした。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 温室効果ガスの種類と総排出量(平成12年度)
●計画の実施期間と削減目標値
平成12年度の温室効果ガス排出量(約6万6,000トン)を基準として、平成14年4月1日から平成18年3月31日までの4年間で、全体の2%(約1,300トン)の削減を目指します(左図)。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 温室効果ガスの削減目標値
内訳としては、
・市庁舎、病院など「市役所独自で削減に取り組むことのできる排出量」は4%の削減を目標とします。
・「一般廃棄物焼却に伴う排出量」は、5%の削減を目標としますが、平成16年度までは増加する見通しです。ごみの減量化や再資源化など、市民の皆さんの協力が必要となります。
・「下水処理に伴う排出量」は、下水道の普及に伴い、38%増加します。
●削減に向けた取り組み
○電気使用量の削減
○燃料使用量の削減
ガソリン・軽油・灯油・LPガス・都市ガスなど
- 写真あり -
( 写真説明 ) 公用車には、駐・停車時のエンジンストップ呼びかける「アイドリングストップ」のステッカーを貼っています。
●計画の見直しと公表
計画は、平成17年度に見直しを行います。なお、温室効果ガスの排出量については、毎年公表をしていきます。
富士市グリーン購入基本方針
●グリーン購入とは…
市が購入するすべての物品については、環境負荷の低い物品(エコマークなどのついている商品、再生紙を使用した商品など)の購入に努めます。また、物品を購入するときには、必要性と適正量を十分検討して、購入総量を抑制します。
●購入対象品目
平成14年度は、グリーン購入の対象品目として、83品目を定めました。このうち、用紙類、文具類、OA機器など61品目については、100%グリーン購入を目標としています。
また、公用車については、天然ガス自動車やハイブリッド自動車の導入も進めます。
●方針の見直しと公表
基本方針は、平成17年度に見直しを行います。なお、購入方針・購入状況については、毎年公表をしていきます。
問い合わせ 環境保全課 電話 55-2773
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp