悪質商法とは、言葉巧みに消費者を勧誘し、高額な商品やサービスを売りつける販売方法のことをいいます。その手口は、より巧妙で内容も複雑化してきていて、富士市消費生活センターには、悪質商法に関する苦情や相談が数多く寄せられています。
悪質商法の被害から身を守るためにはどうすればいいのか、実例を挙げて紹介します。商品を選ぶ確かな目と、悪質商法についての知識を持ちましょう。
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( 図表説明 ) 富士市消費生活センターに寄せられた年度別相談件数
消費者の権利を守る法律の改正
平成13年6月に「訪問販売法」が改正されました。新たな名称は「特定商取引法」といいます。かつての訪問販売法に追加された内容は次のとおりです。
(1)内職商法・モニター商法に対する規制の新設
(2)マルチ商法に対する規制の強化
(3)電子商取引(インターネット通販など)の消費者保護
- 図表あり -
( 図表説明 ) 「特定商取引法」によるクーリング・オフ一覧
★クーリング・オフするときは
はがき(簡易書留)か内容証明郵便で送付します。はがきで出す場合は忘れずにコピーをとっておきましょう。クレジット払いの場合は、販売会社と同じ書面を信販会社にも送りましょう。電話ではなく、必ず書面で出すことが大切です。
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( 図表説明 ) はがき(簡易書留)でクーリング・オフをするとき
( 図表説明 ) ※はがきはコピーをとって保管してください。
実例 こんな手口に要注意
ケース1 自宅にいながら収入を得られる?巧みに誘う内職商法のわな
ある日、突然電話で 「パソコンでホームページを作成すると一ページ3,000円の収入になる。わからないところはサポートする」と言われた。パソコンとホームページ作成用のソフトを購入すれば自宅で仕事ができるという。「ソフトが届けばすぐに仕事が始められるし、そのうち一人でできるようになる」とのこと。ソフト購入代金の支払いは、ホームページ作成の仕事の収入から払えば負担にならないというので、分割にして80万円余りでソフトのみ購入。しかし、その後、仕事はないので解約したい。
注意点
業者は、「養成講座を兼ねながら、収入を得る事ができる」など巧みなセールストークで契約を迫ります。ターゲットになりやすいのは子育て中の女性。『子どもの世話をしながら自宅で収入を得たい』という気持ちのすきをつかれます。契約してしまっても書面が届いて20日以内ならクーリング・オフが適用されます。
ケース2 ひとり暮らしの高齢者がターゲット 高額な契約は慎重に
二人の男性が家を訪れて、「このままでは家が壊れてしまう。早く補修をするように」と外壁工事を勧められた。「今すぐ契約すれば、380万円の工事費を300万円で」と言われ、断り切れず契約してしまった。よく考えてみると高額なので、3日後書面でクーリング・オフの手続を行った。しかし、その後、業者から「既に足場を用意してしまったので3割の90万円を支払ってほしい」と請求されてしまった。
注意点
このケースの場合、クーリング・オフの手続が済んでいるため、支払の義務はありません。このような外壁工事の契約のターゲットになりやすいのは、ひとり暮らしの高齢者です。100万円単位の高額な契約なので、即決は避けきちんとした態度で断るようにしてください。
20歳になったら契約に責任を持って
20歳になると自分の行動に責任を持つことになりますが、「契約」に対する責任もその一つです。しかし、消費生活センターには、契約の認識不足が引き起こす若者の被害相談が多数寄せられています。
相談の中で特に目立つのは、「資格取得商法(電話勧誘販売)」「アポイントメント商法」「マルチ商法」です。
●資格取得商法
業者が自宅や職場に電話をし「行政書士などの公的資格が簡単に取れ、給料のプラスアルファになる」と巧みな話術で契約を迫る商法。
●アポイントメント商法
電話で呼び出して「旅行が格安で行けてブランド品も安く購入できる割引会員権はどうか」と誘い、会員権とパソコンなど高額な商品をセットで販売する商法。
●マルチ商法
自分で商品を購入し、知人を勧誘すれば売れた分だけ利益が入る商法。高額な商品の支払いが困難になるなど問題も多く、人間関係のはたんというリスクも背負う。
どの商法でも分割払いを勧められ、「この程度なら支払える」と安易に契約する人が多いようです。契約する前に「この商品は必要か」「支払い能力はあるか」を考えてください。もし契約してしまってもひとりで悩まず相談を。
消費生活相談
勧誘を受けて迷ったとき、契約してしまったけれど解約したいときなどは、すぐに保健女性センター2階消費生活センターヘ。
相談方法 電話または来所
とき 毎週月曜日〜金曜日 9時〜12時 13時〜16時
電話 64-8996