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【広報ふじ平成14年】NPO 市民のスタイルで

NPO 市民のスタイルで

 今、私たちの社会の中で、市民の要求に市民がこたえる新しいサービスの形が生まれています。その活動を担っているNPO。私たちにとって身近な、さまざまな活動を行い、社会に大きく貢献しています。今回は、このNPOについて紹介します。

◎NPOとは…
 社会の中のさまざまな問題について、自分たちの手で何かをしようという市民が集まってつくる組織が、NPOです。NPOとは、「非営利組織」の略です。テレビなどでよくNGOという似た言葉を聞きますが、これは「非政府組織」の略です。その団体が「非営利」、「非政府」のどちらを重視しているかによって使い分けています。
 非営利とは、利益を上げないということではなく、上げた利益を社員(株式会社でいえば株主)に与えないことをいいます。利益を次の事業に使うことも、事務員などを雇うこともできます。つまり、NPOとは、「社会貢献活動を目的とし、株主や出資者に配当を行わない会社」ということになります。
 社会貢献活動というと福祉や環境の分野のイメージがありますが、社会教育、まちづくり、文化・芸術、スポーツ、災害救援など、さまざまな分野でNPOは活動しています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) NPOの概念


◎NPO法人とは…
 NPO法人とは、「法律によって法人と認められた団体」です。例えば商店の場合、個人商店から合名・合資・有限・株式会社までいろいろな形があります。商店がどういう形をとるかは商店自身が決めるように、NPOがNPO法人になるかどうかもNPO自身が決めるものです。


◎行政とのかかわり
 例えば、高齢社会への対応ということで考えてみると、高齢者が市内に何人住んでいるのかといった情報の正確な把握については、市民活動では限界があります。しかし、高齢者一人一人がそれぞれに何を感じ、何を必要としているのかといった個々の要求にこたえる対応は行政では限界があります。
 つまり、NPOと行政とのかかわりは、お互いの長所を生かし、短所を補える関係にあるといえます。


◎これからの可能性
 現在、個人の価値観は非常に多様化し、まさに十人十色のライフスタイルが展開されています。けれども、行政は多数の意見に応じ、全体に対して公平なサービスを行わなければなりません。これに対し、市民活動では自分たちが選んだ特定の事柄について、相手の必要性に応じたサービスを行うので、少数意見にも
対応していくことが可能です。
- 図表あり -
( 図表説明 ) これまでの公共的サービスの担い手
( 図表説明 ) これからの公共的サービスの担い手


◎市民の力を地域や社会に
 変わり続ける社会の中で、地域やそこに住む人の立場から、積極的に地域や社会に参画していく市民の力が今後ますます必要になります。市民は社会サービスの受け手であると同時に、サービスの担い手にもなり得るのです。また、市も市民のみなさんとの協働を推進していきます。
 次ページでは、既に活動をしているし内外のNPO法人を紹介します。


NPO研修講座『NPOって何?』が行われました。
 社会的にさまぎまな貢献をしているNPO。しかし、まだ一般的によく知られていないのが実状です。そこで市では、NPOについて知ってもらおうと、1月24日・31日、2月7日・14日に研修を行いました。この研修の実施に当たっては、市内のNPO法人である「ふじ環境倶楽部(くらぶ)」に業務を委託して行ってもらいました。
 研修には、延べ約70人の皆さんが参加しました。NPOの使命や法人格取得についてなどの講義と、グループに分かれてのワークショップが行われました。また、事例発表では、市内外で活躍するNPO法人の発表が行われ、さまざまな分野での活動が紹介されました。(次ページで紹介)
- 写真あり -
( 写真説明 ) NPO研修講座「NPOって何?」


皆さんの意見が励みになりました
石坂にお住まいの 片桐由紀子さん
- 写真あり -
 NPOという言葉は、新聞などで目にしていましたが、どういうものなのかは知らなかったので、この研修に参加してみました。
 福祉や文化などのさまざまな分野で、市内でも既に大勢の皆さんが志を持って活動していることを知り、とても驚きました。参加して、本当によかったと思います。短い時間でしたが研修に参加した皆さんの意見も伺うことができ、これからの生活にとても励みになりました。私は富士市なぎなた連盟に所属しているので、スポーツを通して社会に何か貢献できたら、と希望を持ちました。

NPO法人 今こんな活動が始まっています

ハイネット・ふじ 理事長 廣瀬 巌(いわお)さん
夢は市民福祉社会の実現
- 写真あり -
 ハイネット・ふじは、在宅介護や福祉に関する相談などを主に行っています。平成5年に「高齢社会をよくする市民の会・ふじ」として発足し、高齢社会問題の調査や研究などを行い、市民の視点から問題提起を続けてきました。NPO法が施行され、より責任のある組織をと、法人格を取得しました。
 小さなNPOですが、小回りが利くという利点を生かし、即応性のある活動を心がけています。まず、一人一人が何を望んでいるのかを知り、その個々の要望に応じたサービスをしていきます。
 活動の原点は特別なことではなく、市民同士がお互いに助け合い、励まし合おうという市民福祉の考え方。こうした市民福祉の実現と定着が、私たちの大きな夢です。 電話 53-4165
- 写真あり -
( 写真説明 ) 事務所での編集会議


ふじ環境倶楽部(くらぶ) 副代表 佐野 毅(たけし)さん
同じ志の仲間と楽しんで
- 写真あり -
 ふじ環境倶楽部のキャッチフレーズは「身近な環境を考えて、やさしいまちづくり」。安心して暮らせる人間性豊かな魅力的な街の創造を目指して、市民・行政・企業のパートナーシップを基本に、市民が主役のまちづくりを進めています。地域の皆さんや学校と連携し、湧(ゆう)水を生かしたまちづくりに発展するようなワークショップを毎年行ったり、富士山こどもの国で団体パートナーとしてイベントを開催したりしています。
 私たちが住む富士市を少しでもよくしたいという共通の目的を持つ仲間と、次の世代にもつなげていけるように、急がず時間をかけて歩んでいこうと考えています。こうしなければならない、ということはありません。自分たちのスタイルで、好きなことをするのだから長続きするし、楽しいですね。電話 38-0088
- 写真あり -
( 写真説明 ) 田宿川でのワークショップ


グループ富士
 アルコール依存症者の社会復帰中間施設の運営及び酒害相談活動を通じたアルコール問題の啓発活動 電話 31-0505


三心会グループホーム菜の花
 高齢者・障害者への訪問サービス「まごころサービス富士センター」、家庭的な雰囲気の中で自立性、自発性を大切にしながら生きる場をつくることを目的とした共同生活介護グループホーム「菜の花」・「さくら草」の運営 電話 71-2378


ふれあい富士
●家事援助、介護、通院外出の付き添いなどのふれあい活動事業
●訪問介護に関する介護保険事業
●地区の高齢者の集いの場として市委託の生きがいデイサービス事業
●自主事業のふれあいサロン事業
●福祉にかかわる相談、助言、育児援助など 電話 22-0300

※市内で活動するNPO法人は、現在以上の五団体。このうち、「グループ富士」、「三心会グループホーム菜の花」、「ふれあい富士」の3団体は、平成12年4月20日号の広報ふじでも紹介しました。


 さまざまな分野で活動するNPO。NPO研修講座で事例発表した市外の4団体を紹介します。
深良(ふから)たけすみの会(裾野市)
●木材、竹林類での体験学習型講座
●木炭、竹炭類の製作、講習会事業
●福祉バスの運行など

ふじのみや電脳伝拡クラブ(富士宮市)
 高度情報化社会への移行促進のための、パソコン教室の無料開催など

沼津文化協会(沼津市)
●文化情報の収集と提供、文化芸術にかかわる講演会開催と講師派遣
●沼津市庄司美術館の管理、運営
●地域ふれあいコンサート開催事業の企画、運営など

ウォーター・ビジョン(清水町)
●清水町教育委員会からの委託事業
●ベトナムの障害児に対する支援と文化交流
●点字名刺普及活動など

問い合わせ 総務課 電話 55-2705
添付ファイル
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