雨乞(あまご)い芸能
平成6年、神戸地区まちづくり推進会議で、神戸に伝わる雨乞いの伝統を継承していこうと、『雨乞い芸能保存会』が結成されました。
「雨乞い芸能」で演奏される曲目は、丸茂湛祥(まるもたんしょう)さんによって創作されました。神戸地区に古くから伝えられている、五つの太鼓の音色をもとに、だれもが演じることができるように、現代風にアレンジされています。
『序』『四季』『富士山焼け』『日照り』『雨乞い』の五部で構成され、『四季』では富士の四季の美しさをおおらかにうたい、『富士山焼け』『日照り』では宝永の大噴火により、壊滅的な被害を受け、日照りのため草も枯れるさまを悲しく訴えます。そして『雨乞い』では、必死に雨を求めて祈る村人のひたむきな姿が切なく表現されています。
主な活動は、7月第三土曜日に行われる神戸雨乞い曼陀羅(まんだら)のお祭り(お曼陀羅さん)、神戸地区文化祭などでの発表ですが、ことしはロゼシアターで行われる、東海道400年祭の記念行事「東海道今昔物語」にも参加し披露します。
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( 図表説明 ) 神戸雨乞い曼陀羅祭り 7月第3土曜日
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雨乞い芸能保存会会長 内山義和(よしかず)さん(神戸)
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保存会には、現在小学生約50人のメンバーがいます。演奏するのはすべて小学生ということで指導も大変ですが、指導に当たる大人も一生懸命教えているので、練習にも熱気があふれています。最近では、中学生になった子どもたちも指導に参加してくれるようになり、本当にうれしく思います。
保存会で活動した子どもたちが大人になったとき、次の世代に教えていくようになってほしいですね。そして、毎年「お曼陀羅さん」の日には、同窓会のように集まって、私たちと酒を酌み交わすようになれたらうれしいです。
不思議なことに、「お曼陀羅さん」の日には、必ず雨が降るんです。多分、雨乞い芸能のおかげなのでしょうね。(笑)