富士甲子囃子(ふじきのえねばやし)
甲子囃子は、加島村当時の青年団が、伊勢神宮神嘗祭(かんなめさい)のとき、10月17日・18日の両日はやしたものが発祥です。
太鼓の曲は、小田原〜三島〜吉原〜今泉〜加島と伝わった小田原ばやしでした。大正8年に富士宮の太鼓が加わり現在の富士甲子囃子が誕生しました。
大正15年には、『富士本町に氏神様を』との村人たちの機運が高まり、『村の発展も』と願って、大黒様を祀(まつ)ることに決まりました。村の代表者が出雲大社に参拝し、大黒様の御神体をいただき、現在の富士公民館東側に甲子神社を建立し鎮座しました。これを機に、本格的な屋台をつくり、本町、仲町(現在の富士町)共同で引き回すこととし、祭典日も8月4日・5日に定めました。
その後も、富士甲子囃子保存会が伝統を守りながら後継者の育成を図り、祭りを盛り上げています。
現在は、祭典日を8月第一土曜日・日曜日に変更していますが、祭典日が8月4日以降になる場合でも、神事などは4日に行っています。
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( 図表説明 ) 甲子祭8月4日(土曜日)・5日(日曜日)
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富士甲子囃子保存会会長 望月 隆男さん(富士本町)
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富士甲子囃子保存会は昭和47年に発足しました。
私にとって甲子囃子は、父親が太鼓をたたいていたので、子どものころからごく自然に携わっていたという感じでした。
平成2年には保存会の若者たちで、保存会の下部組織となる壱番會(いちばんかい)を結成し、現在は壱番會が中心となって太鼓をたたいています。この年の甲子祭が無事に終わったときは、仲間全員達成感で思わず涙が出ましたね。
以前は、本町周辺に住む人しか会員になれませんでしたが、現在は、富士地区を中心に他地区からの会員も募集しています。
この囃子を通して、他地区にも太鼓の輪ができてくれたらうれしいですね。