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【広報ふじ平成13年】歯は健康の土台です

6月4日〜10日は「歯の衛生週間」

 6月4日〜10日は「歯の衛生週間」です。
 歯の働きのおかげで、食べ物をよくかみ砕き、体に必要な栄養分を吸収しやすくしています。また、はっきりと話したり、笑ったりと日常生活を送る上で、歯は大きな役割を果たしています。
 今回は、私たちの健康や豊かな生活の土台となっている歯について特集します。

平成12年度「母と子のよい歯のコンクール」市長賞 鈴木直美さん・雅史(まさふみ)くん(今泉)
- 写真あり -
直美さん
 食べ終わったら必ず歯を磨くようにしています。子どもの歯磨きでは行き届かないところがあるので、私が最後に仕上げ磨きを欠かさないようにしています。いつまでも歯を大切にしたいですね。
雅史くん
 歯磨き得意なんだよ。


大切な歯の働き
食べ物をかむことで消化を助ける
 歯の最も大切な役割の一つは食べ物をかむこと。食べ物が小さくかみ砕かれ、消化酵素を含むだ液とよくまぜられることで胃への吸収・消化が助けられます。歯と歯ぐきが悪くなり、よくかむことができなくなると、胃への負担が大きくなってしまいます。「パリパリ」、「シャキシャキ」としたかみごたえを感じさせてくれるのも歯があるおかげ。また、歯をよく磨かずに口の中が汚れると、舌の味(み)らいと呼ばれる部分の細胞の働きが落ち、本当の味がわからなくなるなどの影響があります。

顔の形・表情、話し方にも影響
 歯列の形が崩れると、あごや唇の形、表情も変わるなど大きな影響があります。また、前歯が一本抜けただけでも、「さしすせそ」が言いにくくなります。たくさん歯が抜けると、顔つきも変わります。発音もあいまいになるので、話しづらくもなります。

進めよう 80(歳)20(本)(はちまるにいまる)運動

何でも食べるには20本の歯を
 現在、80歳以上の人の歯は平均して約6本程度となっています。かたい物でも何でもかんで食べるには、自分の歯が最低でも20本必要です。
 これだけあればあとは入れ歯などで補っても自然なかみ合わせを保つことができます。歯が20本以上ある人は、年齢を問わず健康状態がよい人が多く、特に高齢者では、行動範囲も広くどこへでも出かけられるほど健康な人が多いという調査結果もあります。
 一生自分の歯で食べるために、80歳になっても自分自身の歯を20本以上保つことを目標に、若いうちから歯や歯ぐきの健康づくりを進めましょう。

歯でよくかむことで病気の予防に
 歯でよくかんで食べることは、だ液の分泌をよくし、虫歯・歯周病といった歯の病気を防いだり、胃腸での消化・吸収を促したり、生活習慣病の予防にもつながります。また、かむ力が歯の周りの組織へのよい刺激となり、あごの形を整えてくれます。さらに脳の血流をよくし、老化防止にもつながります。
 かむ力は、健康な人を百とすると、奥歯を一本失っただけでも、50〜60にまで落ちてしまいます。歯が一本抜けただけで、かみ合わせ全体がおかしくなり、思わぬ病気の引き金になることもあるので注意が必要です。

バランスの取れた食事を
 歯を丈夫にする食事の一番のポイントは、日ごろからバランスの取れた食事をとることです。中でも、カルシウムを多く含む食品を、赤ちゃんや成長期の子どもにたくさん食べさせると効果的です。また、たんぱく質や、魚、卵、干しシイタケなどに多く含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるので、一緒にとると効果的です。さらに、ワカメ、ゴボウ、コンニャク、ひじきなど食物繊維の多い食べ物は歯をきれいにする効果があります。
 毎日の食卓はバランスよく、さらに適度にかたいものを一品は並べるよう心がけてください。

平成12年度「いい歯のお年寄り8020コンクール」静岡県歯科医師会長賞受賞 山崎 きよさん(中島)
☆91歳で、自分の歯が28本
- 写真あり -
 子どものころから好き嫌いなくいろいろな物を食べてきました。歯を大切にする親の教えのおかげで、今でも自分の歯で食べることができているのだと思います。数年前、歯槽膿漏(しそうのうろう)になりかけましたが、口の中をきれいにしようと心がけ、塩で歯を磨くなどしたら治ってしまいました。
 よい歯を保つために食後の歯磨きは欠かせません。歯を磨かないとむずむずして、自然に足が洗面所へ向かってしまいますね。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 40歳以上の1人平均現在歯数 厚生省「平成11年歯科疾患実態調査」より
( 図表説明 ) −強い歯をつくる食べ物− カルシウムやたんぱく質を多く含む食品

健康な歯の大敵

健康な歯にとっての大敵が「虫歯」と「歯周病」。私たちが歯を失う原因のほとんどがこの病気です。
 虫歯は、歯垢(しこう)がたくさんついている状態で、甘い飲食物をよく食べていると起こります。
 歯垢の中の細菌が食べ物の中の糖分を分解して酸をつくり出すので、この酸が歯を溶かして穴をあけてしまいます。
 永久歯と乳歯がまざっている幼児期から学童期にかけては、特に虫歯になりやすく注意が必要です。
 歯周病は、歯垢の中にいる細菌が歯を支える歯肉(歯ぐき)に炎症を起こし(歯肉炎)、さらに進むと、歯を支えている骨が溶かされて、うみが出たり、歯がグラグラして(歯周炎)、最後には歯が抜けてしまう病気です。
 中高年以降では、歯の抜ける一番の原因となっています。また、初期の歯周病(歯肉炎)は子どもや若い人にも見られます。


虫歯
虫歯の進み方
- 図表あり -
( 図表説明 ) 歯の表面の虫歯。溝に色がつくこともあるが痛みはありません。
( 図表説明 ) 歯の内部のかたい組織も侵されて穴があき、冷たい水などがしみます。
( 図表説明 ) 虫歯が歯の中心部まで達して炎症を起こし、ズキズキとひどく痛みます。
( 図表説明 ) 虫歯菌によって歯の内部が腐ってしまい、痛みを感じなくなります。

虫歯をつくる4つの条件
虫歯は、細菌によって起こる感染症。上の4つの要因が重なったとき、虫歯ができ始めます。
- 図表あり -

虫歯のチェックポイント
●痛くはないが歯の表面が濁った部分ができてきた
●冷たい水が歯にしみる
●歯が痛む
●治療した歯が痛い


歯周病
歯周病の進み方
- 図表あり -
( 図表説明 ) 歯肉が炎症を起こして赤くはれ、ちょっとした刺激で出血することがあります。
( 図表説明 ) 炎症が進み、歯と歯肉の間の溝が広がり深くなっていく。歯を支える骨の破壊も始まります。
( 図表説明 ) 歯を支える骨の破壊が進み歯がグラグラします。歯と歯肉の間から血やうみが出て、口臭もひどくなってきます。
( 図表説明 ) 歯を支える骨はほとんどなくなって歯がグラグラになり、最後には抜けてしまいます。

歯周病をつくる条件
歯周病は虫歯と同様にさまざまな条件が重なって起こり、日常の生活習慣に大きくかかわってくる病気です。
- 図表あり -
歯周病発見チェックポイント
●歯肉の色が赤い
●歯肉がはれる
●歯肉から出血する
●朝、口の中が粘る
●息が臭い
●歯が長く見える
●歯肉がむずがゆい
●かむと痛い
●歯肉からうみが出る
●歯がぐらぐらする

虫歯・歯周病の予防

しっかりと歯を磨くことから
 現代の食事は糖分が多く、やわらかいものが多いので歯にかすがたまりやすく、虫歯や歯周病のもとになる歯垢をつくる原因となります。歯周病や虫歯予防の効果的な方法は、歯磨きによって隅々まできれいに磨いて歯垢を取り除くことです。
 また、歯磨きは歯ぐきをマッサージする役割もあります。歯ぐきの血行をよくし歯周病に対する抵抗力を高めるのに役立ちます。自分の歯の状態に合わせて正しく磨くことが大切です。

歯垢がたまりやすいところ
○「歯と歯ぐきの境目」、「歯と歯の間」、「奥歯のかみ合わせ」の部分は特に注意して磨きましょう。
- 図表あり -
歯ブラシの毛の部分を裏から見て、毛先がはみ出ていれば交換の時期。歯ブラシは強く押しつけず、歯磨き剤を使う場合は少量でもOKです。
- 図表あり -

ブラッシング法の例
◇スクラッビング法
○ブラシの毛先を軽く歯に垂直に当て、1〜2本ずつ磨くように小刻みに左右に動かします。
- 図表あり -
◇バス法
○ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に向けて45度の角度で当て、細かく動かします。
- 図表あり -
- 写真あり -
( 写真説明 ) 歯科衛生士によるブラッシング指導(第二保育園)

歯を守るために日ごろからの予防を
富士市歯科医師会会長 片岡靖長さん(高嶺町)
- 写真あり -
 虫歯予防に対するフッ素の有効性や、歯周病菌などの口の中の細菌と、糖尿病や心臓病など全身疾患との因果関係が注目されています。歯の病気も一つの生活習慣病と言えますので、口の中だけでなく、全身の健康を考えての治療が必要になっています。
 歯の病気は、ひどくならないうちに適切な治療を受けることが大切です。歯科医院では、歯垢やそれが固まった歯石を取り除くなど歯の清掃や、虫歯予防のためのフッ素塗布など、歯を虫歯や歯周病から守るための治療を行っています。また、自分の歯の状態に合ったブラッシング方法などを教えています。
 実際に診療に当たり、歯がしっかりしているお年寄りの方は、日常生活での行動範囲も広く、顔の表情は豊かで明るいですね。8020運動を進め、大切な歯をなくしてしまわないよう日ごろからの予防に心がけてください。

 保健女性センターでは、1歳6か月児・3歳児健診、2歳児むし歯予防教室、保育園・幼稚園でのブラッシング教室、お母さん・お父さん教室、成人・高齢者・寝たきり高齢者への歯科保健事業などを行っています。
 歯は健康の土台となる大切な器官。この特集を通じ、自分の歯を見直してみてはいかがでしょうか。

問い合わせ 保健女性センター 64-8994
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