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【広報ふじ平成13年】富士の民俗芸能 第1回

吉原祇園(ぎおん)祭

 今から200年ほど前の天明の時代は、長年の不作続きで、吉原宿周辺でも餓死する人が大勢出るという悲惨な状態でした。
 人々は氏神様に豊作を祈りながら、苦労を惜しまず一生懸命働きました。その願いが通じたのか、やがて豊作の年を迎えました。人々は、氏神様へのお礼としてみこしをつくり、町内を練り歩いて豊作を祝いました。これが祇園祭の始まりだと言われています。
 ところが、余りの喜びのためにみこしを担ぐ手にも力が入り、みこし同士の勢いのよい衝突が年を重ねるたびにふえて、けんかも激しくなりました。そこで人々は山車(だし)をつくり、祇園囃子(ばやし)を囃(はや)して町内を引き回す現在の形になったと言われています。
 お囃子には「ニクズシ」「鎌倉昇殿」「小田原」「江戸若」「サンテコ」「ヤタイ」などの曲目があります。また、山車に施された彫刻もたいへん美しいもので、各山車ごとにそれぞれ特徴を持っています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 吉原祇園祭 吉原本町通りほか 6月9日(土曜日)・10日(日曜日)
- 写真あり -

吉原祇園祭五社協議会会長・祭典委員長
中田(なかだ) 廣(ひろむ)さん(西仲町)
- 写真あり -
 吉原祇園祭は、木之元神社、天神社、八坂神社、八幡神社、山神社の五社の氏子である24町内で行われます。現在のような山車を引き回す祇園祭は、みこしを担いで回る天王祭が原型であると言われています。昔は6月12日〜14日に行われていましたが、現在は6月の第2土曜日・日曜日に行っています。
 祇園祭では、20台の山車が引き回されます。一番古いものは、明治時代からの山車もあります。また、最近では、吉原本町通りの3か所で、青年による宮太鼓の競演も行っています。
 200年余の伝統を守り、一方で過去にとらわれない新しいものも取り入れながら、この祇園祭を継続していきたいと思います。吉原の街の活性化にもつなげていきたいですね。
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