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【広報ふじ平成13年】生きている富士山

目の前にそびえ、毎日、私たちに雄大な姿を見せてくれる富士山。富士市の象徴とも言える富士山ですが、皆さんは富士山が「活火山」であることをご存じですか。昨年末ごろ、低周波地震が多発し、「富士山が噴火?」という記事を新聞や雑誌で目にするようになりました。今回は、その低周波地震についての情報と、富士山の噴火の歴史をお知らせします。

富士山は日本で一番大きな活火山
 現在、「活火山」とは、過去2,000年以内に噴火した火山や、現在でも噴気活動が活発な火山、または将来噴火する可能性がある火山のことをいいます。世界有数の火山国である日本には、計86の活火山があり、中でも富士山は日本で一番大きな活火山です。

富士山の噴火の歴史
 富士山のはっきりした噴火記録は、西暦781年までさかのぼることができます。以来少なくとも、確かな噴火記録は十回残っています。さまざまな古文書には、噴火の経緯や噴火によって引き起こされた火山災害の様子が書かれ、富士山の噴火の恐ろしさ、被害の大きさを現代に伝えています。
 とくに800〜802年の噴火(延暦(えんりゃく)噴火)、864〜866年の噴火(貞観(じょうがん)噴火)については、それぞれ日本紀略、日本三代実録などの平安時代の歴史書にはっきりと記述されています。また、1707年の宝永噴火は最も新しい噴火記録として、さまざまな文献に詳しい記述がたくさん残されています。

低周波地震は減少傾向
 1980年から、富士山の火山活動の観測を行った結果、富士山の地下、深さ10〜20キロメートルの場所で「低周波地震」という、ゆっくりとした揺れ方をする地震が発生していることがわかりました。普通の地震は1秒間に10回以上揺れて、すぐに終わりますが、低周波地震は1秒間に数回しか揺れず、しかも長続きするのが特徴で、地殻中のマグマの動きに関連して引き起こされていると考えられています。
 昨年末より富士山地下での低周波地震の多発傾向が続きましたが、ことしに入り、やや減少してきました。
 この低周波地震の動きを受け、ことし2月5日に火山噴火予知連絡会(事務局:気象庁)が開催され、「現段階においては噴火に直接つながることは考えにくい。噴火に至るまでには、次の段階の動きがあらわれると考えている」との発表がありました。
 今の富士山は1707年の宝永噴火以来、約300年間「眠った」状態が続いており、今回の低周波地震の動きは、眠っている富士山が「寝返りを打った」という状態なのかもしれません。これに応じて、東京大学地震研究所や文部科学省防災科学技術研究所では観測点をふやして、今後の富士山の変化をよりよく知ろうとしています。

防災対策は万全に
 差し当たり富士山の噴火の可能性は差し迫ってはいないようですが、富士山は今でも生きている「活火山」であることを忘れずに「自(みずか)らの命は自らで守る。自らの地域は皆で守る」のスローガンのもと、地区の自主防災会活動への参加、非常持ち出し品の準備、避難場所の確認など、日ごろから防災対策に努めましょう。
 市でも、富士山の低周波地震について新たな情報が入り次第、広報ふじなどでお知らせしていきます。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 富士山の噴火履歴
( 図表説明 ) 富士山低周波地震月別回数表(資料:静岡気象台)
- 写真あり -
( 写真説明 ) 宝永噴火時(1707年)に噴出された火山れき・火山灰の分布および厚さ(単位:センチメートル)
( 写真説明 ) この地図は国土交通省国土地理院発行の20万分の1地勢図を縮図複製したもの(資料提供:野菜茶業研究所 宮地直道氏)
「富士山の噴火の歴史」と噴火履歴、地図の引用:「富士山火山防災ハンドブック」(発行者:富士砂防工事事務所、山梨県、静岡県)

問い合わせ 防災対策課 電話 55-2715 
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