市では、平成13年度に富士市環境基本計画を策定する予定です。富士市の環境の現況や目標などについて、これまでに、市民、事業者、小学生を対象にアンケート調査を実施し、富士市環境審議会や庁内組織で検討を行ってきました。今回は、これまでの策定状況についてお知らせします。
◆恵み豊かな環境
富士市は、駿河湾から富士山に至るまでの広大な森林や豊富な地下水などの豊かな自然を有しています。私たちの生活や産業は、この自然の恵みによって支えられ、はぐくまれてきました。
◆市の環境の現況
私たちは、日常生活や事業活動において、便利さや豊かさを追求するあまり、多くの資源やエネルギーを消費しています。それによって、富士市の環境も、少しずつ悪化してきているのが現状です。
○自然環境
・緑が減少し、森林が荒廃しています。
・湧水(ゆうすい)が減少し、川の水が汚れています。
・身近な生き物が減っています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) かつては至るところで見られた湧水ですが、今では貴重なものとなっています
○生活環境
・自動車や事業所などからの排出ガスにより空気が汚れています。
・重油をはじめとするエネルギー使用量が年々ふえています。
・人口の増加に伴い、ごみの排出量が年々ふえています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 一般廃棄物の排出量の経年変化
( 図表説明 ) 一般廃棄物の排出量は、人口の増加に伴い増加傾向にあります
○都市環境
・富士山の眺望を阻害する建築物などがふえています。
・自動車に依存する交通体系となっています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 自動車保有台数の経年変化
( 図表説明 ) 保有台数が年々増加していることからも、交通体系が自動車に依存していることがわかります
○地球環境
・地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雨などの地球環境問題が深刻化しています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 富士市の年平均気温の変化
( 図表説明 ) 富士市でも、年平均気温は次第に上昇しています
◆市民・事業者・市の共通の目標(案)
このように、環境問題は、従来の産業型公害から、都市・生活型公害や地球環境問題といった、広範囲で複雑な問題に変わってきています。
これらの問題を解決し、良好な環境を将来の世代に引き継いでいくためには、市民、事業者、市の共通の目標を設定し、三者が連携して目標達成のための取り組みを進めていくことが重要です。
そこで、市の環境の現況と課題に関する分析をもとに、富士市環境審議会や庁内組織での検討を踏まえ、環境基本計画の施策の体系案として、メインテーマを「富士山の恵みを、みんなで守り、育て、ともに生きるまち」とし、五つの基本目標、さらにそれぞれの個別目標を下図のように提案しました。
テーマ:富士山の恵みを、みんなで守り、育て、ともに生きるまち
基本目標1:富士山が育(はぐく)む豊かな水循環の保全と創造
・水を育(はぐくむ)む森林を守ろう
・農地を守ろう
・水や緑を活(い)かした潤いのある環境を創(つく)ろう
・生き物を守ろう
基本目標2:環境への負担が少ない暮らしや産業活動の実践
・空気をきれいにしよう
・静かな暮らしを守ろう
・ごみの減量とリサイクルを進めよう
・ごみの適正な処理と環境美化を進めよう
・限りあるエネルギーを大切に使おう
・健全で安全な暮らしを守ろう
基本目標3:富士市の自然や風土を大切にしたまちづくり
・自然と共生するまちづくりを進めよう
・環境負荷の少ないまちづくりを進めよう
・富士山を活かした景観づくりを進めよう
・富士山の歴史・文化を大切にしよう
基本目標4:市民・事業者・市のパートナーシップによる環境づくり
・環境に対する知識・情報を身につけよう
・パートナーシップを形成しよう
- 図表あり -
基本目標5:美しい地球環境の次世代への継承
・地域から地球環境問題に取り組もう
環境基本計画に関するご意見を募集しています
市では、市民や事業者の皆さんからの貴重なご意見を計画づくりに反映させていただく機会として、次の日程で意見交換会を開催します。多くの皆さんのご来場をお待ちしています。
とき 3月23日(金曜日)・25日(日曜日)
・10時〜12時・14時〜16時・19時〜21時
ところ ロゼシアター4階第3会議室
※参加を希望する人は、当日直接会場へ
なお、意見交換会当日は、環境問題に関する展示や、市の環境や地球環境についての資料を用意しています。
また、環境基本計画の概要と施策の体系についてまとめた冊子を、閲覧用として各公民館に設置します。
皆さんからの活発なご意見をお待ちしています。
問い合わせ 環境政策室 内線2074