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【広報ふじ平成12年】ロゼシアター発 21世紀の市民文化

 この11月で開館7周年を迎えるロゼシアター。ことし4月には利用者数が300万人を突破するなど、皆さんの文化活動の場として、また、文化情報の発信地として大きな役割を果たしています。
 まもなく21世紀。ロゼシアターで生まれた文化の種が芽を出し、花開く時代がやってきます。今回、ロゼシアターを中心とした未来の市民文化について特集します。

ロゼシアターの文化事業
鑑賞・普及・育成・創作を柱にした自主事業
 ロゼシアターの事業は、自主事業と貸館事業の二つに大きく分けられます。
 ロゼシアターが主催する自主事業には、音楽・演劇・古典芸能などの一流芸術家による公演を行い、皆さんに質の高い芸術文化の鑑賞機会を提供する事業があります。また、「小・中学生の招待コンサート」、「青少年サマーミュージカルスクール」、また、富士市出身の新人演奏家による「MAYコンサート」など、将来の富士市の文化の担い手となる青少年などへの文化普及・育成事業に取り組んでいます。
 そして、もう一つの大きな事業の柱が創作事業。これまでに「富士青少年国際音楽祭」の開催や、「ディアナ号」や「曽我物語」など富士市ゆかりの物語を題材にした創作ミュージカルの上演など、富士市独自の文化を発信してきました。

市民と一体になった文化事業を
 ロゼシアターでは、これらの創作ミュージカルや、昨年の「市民合唱〜第九の集い」など、ここ数年、多くの市民の皆さんが参加できる事業にも力を入れています。
 これからも市民の皆さんが身近に文化に親しんでいただき、ロゼシアターと市民が一体となった文化事業を進めていきます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 10月15日にモーツァルトの名曲「レクイエム」を歌う市民参加の合唱団「ロゼシアター合唱団」。本番を間近に控え練習に力が入ります
( 写真説明 ) 市民創作ミュージカル「名残(なご)りの小袖(こそで)」の一場面(平成10年)
( 写真説明 ) 過去の出演者が一堂に会した「MAY(めい)コンサートスペシャル」(平成11年)


ロゼシアターは鑑賞の機会を提供する場だけではありません。市民の皆さんみずからが文化活動を行う場でもあります。さまざまな文化活動に取り組む皆さんは、積極的にロゼシアターを利用し、それぞれの目標へ向けて練習に励んでいます。

ロゼシアターは私たちのステージ
●市民グループの文化活動
- 写真あり -
( 写真説明 ) ダンスグループ「オールスター」
( 写真説明 ) 日本舞踊グループ「日舞研究会」
( 写真説明 ) 木管アンサンブルグループ「アンサンブルルフト」
( 写真説明 ) 女性コーラスグループ「ラ・カンタービレ・ローザ」
 ロゼシアターは、21世紀の富士市の文化発信の拠点として、市民の皆さんの文化活動をさらに応援していきます。

座談会 富士市の文化をロゼシアターから

 ロゼシアターを拠点として活動しているグループの皆さんに、21世紀に向けて、これからの市民文化や文化活動に対する期待や思いなどを語っていただきました。

鈴木 敏正さん(宮下)
去年「第九の集い」に参加したのをきっかけに、合唱を始める。ことしは「ロゼシアター合唱団」の一員としてレクイエムの市民合唱に参加。
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唐国 純子さん(大淵)
「地元の人に自分たちの作品を見てもらおう」と、学生時代に美術を学んだ仲間同士で「モモクリテン」というグループ展を行っている。
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遠藤 真希さん(厚原)
ダンスグループ「オールスター」に所属。沼津、御殿場などのメンバーとの合同グループ。富士市では3年前から始め、練習にはロゼシアターの練習室を利用している。
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西村 三佳さん 【本名・渡辺】(伝法)
フルートアンサンブル「ムジカ・□−ザ」と「ラ・フルール」に所属。第4回MAYコンサート出演以来、ロゼシアターの事業へ数多く出演。
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立石 光博さん(久沢)
「日舞研究会」に所属。2年前、市民創作ミュージカル「名残りの小袖」に参加したのがきっかけで日本舞踊のおもしろさに引かれ、現在も続けている。
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活動を通して感じること
鈴木
 ロゼシアターで活動をしていると、家族や友人などが見に来る機会が多いですね。ですから、周りからの批評や意見はあまりなく、仲間内からの反応が多いです。それでも、みんながだんだん上手になっていくように感じます。
西村
 私もやはり、家族などが見に来てくれることが多いです。でも、私の演奏会がきっかけで、ロゼシアターで音楽やお芝居を見るようになった、と言われました。
遠藤
 私たちのグループは、市外での活動が多いので、身内的な意見よりも第三者の意見を直接聞くことができます。また、演じる側と見る側の距離が近いので、自分たちだけでなく、周りで見ている人たちも一緒に楽しんでくれます。
西村
 私も遠藤さんのように、演奏をしている自分たちだけでなく、聞いている人にも同じように楽しんでもらいたいと思うのですが、やはりクラシック音楽はかたいイメージで見られてしまいますね。

つくる人との意識と、見る人の意識を高めたい
立石
 「富士市は文化レベルが低い」とよく言われます。ほかの地域のような活発な雰囲気がなく、観客もおとなしくてあまり反応がないですね。演じる側の資質を高めるのと同時に、見る人たちの意識も高め、育てることが大切ですね。その点では、展示会はとても活発だと思います。盛り上がった雰囲気がありますね。
唐国
 そうですね。展示会に来てくれた人に、感想や意見などを書いてもらっていますが、何かのついでに見に来てくれる人も多いんですよ。せっかくロゼシアターの展示室を使うのですから、演奏会や演劇を見に来た人たちにも足を運んでもらえるとうれしいですね。
鈴木
 ここ数年で、文化活動に対する環境はよくなっていると思います。ロゼシアターも、設備が整っていてすばらしい施設ですよね。ここを中心に文化の地盤が固まっていけば、もっと多くの皆さんにも文化の輪が広がっていくと思います。

一人でも多くの人に参加してもらえるように…
立石
 市民文化というのは、行政などから与えられるものではなく、市民一人一人の中から生まれて、それらが結集して市民全休で盛り上げていくものだと思います。
唐国
 そのためにも、音楽や舞台や芸術など、あらゆる角度からだれもが参加しやすいイベントがあればいいですね。それらを発信できる場がロゼシアターであってほしいと思います。
遠藤
 でも、何かをやっている人と、やっていない人との間の見えない境界がとても大きいような気がします。実際、いろいろなことに参加したい人は大勢いると思います。
鈴木
 中でも女性は、結婚や出産などで、どうしても活動が途切れてしまう人が多いですね。それを何とかしてあげたいなと思います。子育て最中の女性も気軽に活動ができるように、託児所を充実させたり、子供と一緒に参加できる企画があったりしたらいいですね。

体験を通して、楽しさを感じてほしい
唐国
 絵を描くことなら、子供と一緒にできますよね。私たちは、今は作品を発表する場しかなく、実際に創作の楽しさを体験してもらう機会がありません。例えば親子で絵を描く会などをやって、それらを私たちの持っている知識でお助けできたらいいですね。機会があったらぜひ、やってみたいです。
遠藤
 ダンスも、体を動かすことが好きなら、年齢を問わずだれにでもできます。多くの人に参加してもらいたいのですが、富士市には私たちの活動を発表する場がありません。それが残念ですね。
西村
 子供のころから、芸術にふれあえる機会があるといいですね。それをきっかけに、音楽や創作芸術の楽しさを実感してもらえれば、もっと身近で自然なものとして身につくのかもしれません。
唐国
 私たちがやっていることは、何よりも自分たちが楽しくて、一番素直に気持ちを表現できること。展示会や発表会が、活動に夢中になれる私たちの気持ちを知ってもらうきっかけになり、さらに仲間がふえていったらうれしいですね。
立石
 そのためにも、いろいろな活動をしている団体が結集して、市民の創作意欲が発揮できるような、何か大きなイベントがロゼシアターでできたらいいですね。
西村
 「参加してみたい」と思う人が、だれでも気軽に参加できるイベントであってほしいですね。

富士市で生まれた文化を、ロゼシアターで育てたい
唐国
 エネルギーを持って活動している人は、きっと大勢いると思います。ロゼシアターが「ここで発表してみたい」と思えるような場所であり、ここで生まれ育った人たちがいろいろなことを表現しやすい場所になれば、才能を持っている人たちが富士市でもどんどん育っていくと思います。
鈴木
 そうですね。ロゼシアターがそういう場所であれば、市外で活動している人たちも富士市に戻ってきてくれると思うし、活発な文化も根づくと思います。
立石
 ロゼシアターという立派な施設があるのだから、ここを拠点に頑張り、活動を続けていくことで、文化の根を広く定着させていかなければいけないと思います。地元で地道に活動している人たちは、有名になることよりも、自分たちの活動を一人でも多くの人に広め、浸透させていきたいという意識の強い人が多いと思いますよ。
西村
 こんなに楽しい世界がありますよということを、もっと多くの人たちに教えてあげたいですね。
鈴木
 さらに、自分たちの活動を通していろいろな人たちとふれあうことで、自分の視野も広がりますね。

 最後に、皆さんは「こうして、違う分野の皆さんと話し合える機会が、今後もあったらいいですね。ここにいる音楽、舞台、創作芸術の皆さんで協力し合って何か一つのことができたら、きっと楽しいでしょうね」と話してくれました。
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