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【広報ふじ平成12年】富士の民話 あれこれ

 沼川へかかっている河合橋付近や、沼川と滝川の合流するあたりは、昔はとても深いところでした。
 今回はこの沼川のふちにたくさんすんでいたと言われる、かっぱにまつわるお話の一つを紹介します。

沼川のかっぱ
 昔、吉原宿が元吉原の今井にあったころのことです。宿場のすぐ北側を沼川が流れていて、特に滝川と合流するあたりは深いふちで水量も多く、そこには49匹のかっぱがすんでいました。
 あるとき、宿場に泊まった大名の家来が、川で馬の身体を洗っていました。すると、一匹のいたずら好きのかっぱが、馬をからかおうとして馬のしっぽをつかんで、力いっぱい水の中へ引き入れようとしました。驚いた馬は、川の中から飛び出して街道の方へ駆け出しました。ところがそのとき、かっぱも一緒に街道へ引きずり出されてしまいました。
 かっぱは、「これはしくじった」と大急ぎで川の方へ逃げ出しましたが、とうとう大勢の人たちに取り巻かれて、捕らえられてしまいました。
 人々はこのいたずらかっぱを、馬屋の柱に一晩じゅう縛りつけて、次の朝になってようやく放してやりました。

駿河郷土史研究会副会長 渡邉 繁治(しげはる)さん (今井1丁目)
- 写真あり -
 かつての沼川は、アシやマコモが生い茂り、水はとてもきれいに澄んでいました。子供のころは、よく川へ遊びに行ったものです。河合橋から飛び込んで泳いだり、釣りなどをして遊んだりしました。沼川ではウナギも多くとれたんですよ。
 時間を忘れて遅くまで遊びほうけていると、近所の人に「いつまでも遊んでいると、かっぱに川へ引きずり込まれるぞ」とよく言われたものです。かっぱの存在を信じていたわけではなかったのですが、そう言われると何だか怖くなって、急いで家に帰ることもありました。今思えば、そうやってかっぱの名を借りて、地域の人たちが子供たちに水の怖さを教えるなどして、地域ぐるみで教育をしていたのでしょうね。
 川で遊んだ昔のことや、かっぱの伝説のあった土地柄そのものが、今ではとても懐かしく思います。あの環境を現代にも残したかったですね。今の子供たちにも、かつての私たちの遊びを経験させてあげたいものです。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図
- 写真あり -
( 写真説明 ) 沼川と滝川の合流点
( 写真説明 ) 河合橋
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