私たちの生活になくてはならない水。富士市は街のあちらこちらで清水がわいているなど、富士山や愛鷹山を水源とする豊富な水資源に恵まれていて、そのおいしさも格別です。
今回の特集では、私たちの暮らしを支える水道についてご紹介します。
富士市の水道状況
●88.6%の人が上水道を利用
富士市で使われている水道には、市が管理・運営している上水道(市水道)、地域単位で組合をつくり管理している簡易水道、許可を得て工場などがつくった専用水道などがあります。
平成12年3月末で、上水道の普及率は88.6%。簡易水道、専用水道などを合わせると、水道普及率は99.8%となっていて、富士市のほとんどの人が水道を利用していることになります。
右下の表のように、人口の増加に伴い、給水人口も増加しています。しかし、景気の低迷や節水などにより、年間総配水量は減少傾向にあり、平成7年以降1人当たりの平均配水量も減っています。
●1人が1日に使う水の量はポリタンク約20個分
富士市では1日に8万4,113立方メートルもの水が使われています。1人当たりに換算すると397リットルになります。
つまり、家庭で使う20リットルのポリタンクでおよそ20個分にも上ります。
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( 図表説明 ) *平成6年度までは給水戸数、平成7年度からは給水件数
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( 写真説明 ) 原田地区湧水(ゆうすい)
( 写真説明 ) 大棚の滝
( 写真説明 ) 田宿川たらい流し川祭り
水が家庭に届くまで
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水が家庭に届くまで
水源のすべてを地下水に依存している富士市の水道。この地下水を深さ46メートル〜268メートルの深井戸66か所から取水ポンプで1日に最大12万立方メートルをくみ上げています。
くみ上げられた水は、水源地の着水井に入り滅菌消毒され、沈砂地で細かな砂などが除かれポンプ井に入ります。
ここで水は送水ポンプによって、市内の高台に点在する61の配水池に送られます。そしてここから自然流下した水は配水管、給水管を通り、各家庭などに届けられています。
市内にある水源地や配水池などの水道施設は、標高や規模などの条件により、それぞれの取水能力や貯水能力が異なります。
そのため市では、集中管理システムを導入。上水道管理センターで、各施設からの運用状況や取水・配水量などの情報を統合し、スムーズな給水を行っています。
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( 写真説明 ) 富士市上水道管理センター
集中管理システムにより、適正・均等な取水や各施設の保全管理、緊急時への対応、故障の早期発見などを行うことができます
安全でおいしい富士市の水
●安全を保つため厳しく水質を管理
富士山や愛鷹山に降った雨や雪が地下水となったものを水源としている富士市の水。この水は長い時間かけて地下を通ってくる間においしい成分をたくさん含んできます。
市では、水源や浄水過程の水質について、水道法で定められた検査を実施し、その安全を保つよう厳しく管理しています。富士市の水は、そのままでもおいしく飲める水ですが、法律で定められた薬品で滅菌しています。
●「おいしい水の要件」に適合
厚生省の諮問機関である「おいしい水研究会」が昭和60年に示した「おいしい水の要件」に富士市の水質を比べてみたのが右の表です(富士市の数値は平成7年)。
富士市の水は、おいしさにかかわりのあるミネラル成分を適度に含み、異常なにおいや味がしないこと、地下水であるため水温が低いなど、「おいしい水の要件」に当てはまり、おいしい水と言えます。
さらにおいしく飲むためには、水をペットボトルなどの容器に入れ、ふたを開けたまま冷蔵庫で一晩おいたり、煮沸したりすると、カルキ臭が消えて、よりおいしい水になります。
おいしい水の要件項目別比較
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安い富士市の水
水道事業は全国の自治体が運営。各自治体の水事情によって、水道料金も異なっています。
平成10年4月1日時点で、給水人口10万〜30万人未満の自治体のうち、家庭用20立方メートル当たりの料金比較で、富士市は1,260円で全国では4番目に安い自治体となっています。
富士市の水は安全でおいしいだけでなく、安いことも大きな特徴の一つです。
水に優しい心がけを
水は自然が与えてくれる貴重な財産。富士市は水に恵まれた街ですが、水は決して無限ではありません。水をむだなく使うように心がけましょう。
●洗顔、歯磨きは水を流しながらせず、ためた水を使いましょう
●洗濯、そうじ、まき水などはふろの残り湯を活用しましょう
●洗車はバケツ洗いでしましょう
●蛇口のあけ閉めに注意し、余分な水が出ていないか確認しましょう
水漏れにご注意!
蛇口やトイレなどからのわずかな水漏れでもそのままにしておくと、料金にはね返り、驚くほどの額にもなります。
例えば、蛇口からポタポタと水が出ているのを1か月修理をせずにほうっておくと、約1立方メートルの水がむだになります。
さらに、水洗トイレの水がチョロチョロと流れていた場合には、1か月で20〜40立方メートルのむだになります。
この場合、20立方メートルの富士市の水道料金は1,260円ですから、年間で1万5,120円の損害になってしまいます。
蛇口の漏水は中にあるケレップ(コマ)を取りかえるなどで簡単に修理できます。
早期発見、早期修理をしましょう。
水道工事は市の指定工事店で
家庭内で水漏れがあり、市が指定していない工事店に頼んでしまったところ、水漏れが直らず、トラブルになったケースがふえています。この場合、漏水による水道料金の減免申請ができる対象にはなりません。
水漏れや水道管の破裂などの修繕、給水装置の新設・改造、または撤去の工事を行うときは、必ず工事を行うために必要な資格を持っていて、市の指定を受けている水道指定工事店で行ってください。
★指定工事店について詳しくは…
富士市水道指定工事店協同組合 電話51-0863
富士の名水を保てるよう広い視点での取り組みを
富士市水道事業経営審議会委員 目黒 輝久さん(厚原)
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水質などの測定分析の仕事に携わってきましたが、富士市の水は適度にミネラルが含まれており、生活用水、産業用水として、全国的に見ても大変恵まれていると言えます。水のおいしさは人間の味覚に対して、まず温度が大きく影響します。地下水の水温は安定していますが、夏場では、少し冷やすだけでもおいしさがさらに増してきます。
水はいろいろな物質を運搬する役割もあります。おいしく安全な水を保てるよう、私たちも油など分解しにくいものを地面に捨てないように心がけ、行政も富士山ろく全体をとらえた広域的な水への取り組みが必要になってくると思います。
安心して飲める水をずっと保ち続けてほしい
岩間 弘子さん(大淵)
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生まれてからずっと大淵に住んでいます。水道がひかれたのが昭和41年。それまでは、生活用水に近くの沢のわき水を使ったり、タンクにためた雨水を使ったりしたことを覚えています。雨が降らないと沢の水がかれるなど生活に苦労しました。水道水を使えるようになってからは生活はとても便利になりました。
富士の水で入れたお茶はとてもおいしく感じています。これからもずっとおいしく安全な水を保ち続けてほしいですね。
おいしい水が蛇口から出てくることに驚きを感じた
金子 隆子さん(水戸島1丁目)
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結婚を機に関西から富士市に引っ越してきて17年になります。初めて富士市の水を飲んだとき、消毒臭がない水が蛇口から出てくることに驚きました。前に住んでいたところでは、琵琶湖の水が水源となっており、生ぬるさや消毒臭がありました。夏場には一度沸騰させ冷やしたものを飲んだものです。
たまに実家に帰ってお茶を飲んだり、御飯を食べたりしたときなど、やはり富士市の水はおいしいと実感しています。
安全でおいしい水をこれからも届けていきます
川口 俊 水道部長
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市で行っている水道事業は、税金を使わず皆さんからの水道料金だけで賄う独立採算制をとっています。平成7年以降、給水人口の増加に反比例して、全体の給水量は減っています。現在の実情に見合うよう、平成3年度から始まった第六次拡張計画を見直して、弾力的な経営をするよう努めています。
富士市の上水道はすべて地下水を使っているため、少雨による断水もなく、供給は安定しています。近年ミネラルウオーターがよく売れていますが、富士の水道水は殺菌の必要がほとんどない自然に近い成分の水です。これからも市民の皆さんに安心して使っていただけるよう、安全でおいしい富士の名水を市民の皆さんへ届けていきたいと思っています。
問い合わせ
水道事業全般については… 水道総務課 内線2538
水道料金などについては… 営業課 内線2534
水道施設などについては… 工務課 内線2524
★水道事業について、インターネットの富士市ホームページでも詳しく紹介しています。