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【広報ふじ平成12年】富士の民話 あれこれ

 富士緑道の旧竪堀駅公園から北へ約400メートルほど歩くと、左手に木造の建物があります。建物の中には「いいなり地蔵」と呼ばれる、顔の細長いお地蔵さんが祭ってあります。
 今回はこのお地蔵さんにまつわるお話を紹介します。

平井島のいいなり地蔵
 昔はお地蔵さんがあるあたりにも富士川が流れていて、この地区は平らで島のようであったために平井島と呼ばれています。
 その昔、平井島付近の河原にお地蔵さんが流れ着きました。お地蔵さんを見つけた村人は、このお地蔵さんを川のほとりに安置しました。
 この地区の村々は、新田開発によって新しくできたものが多く、村人たちが心の安らぎを求める氏神などは、初めのうちはなかったのでしょう。村の生活が安定していくのに従って、このお地蔵さんもいつのころからか祭られるようになりました。
 毎月12日(12日講)と、14日の祭りの日には、近所の女性たちがお堂に集まってお題目を唱えています。毎年8月14日には、本祭りが行われます。今では、昔のように露店がたくさん並ぶにぎやかなお祭りではありませんが、お堂にのぼりをたてたり、お参りに来た子供たちにお菓子を配ったりしています。

平井島地蔵尊保存世話人会メンバー 遠藤 偵(ただし)さん(松本)
- 写真あり -
 平井島のいいなり地蔵は、漢字で「言成地蔵」と書くこともあります。だれがつけたというわけでもなく、いつのころからかそう呼ばれています。
 以前、悩みをかかえた女性がこのお地蔵さんにお参りを続けたところ、その悩みが解決したということです。その後もこの女性は、8月14日の本祭りには、欠かさずお参りに来ていたそうです 平成10年に、老朽化したお堂の修復を行いました。主に屋根と堂回りの修復でしたので、地区の皆さんの力だけで直すことができたんですよ。今では近所の方が交代でこのお堂を管理し、守っています。
 最近はお地蔵さんのことを詳しく知る人も少なくなってしまいましたが、地域の大切な文化財の保護のためにも、子供たちをはじめ、もっと多くの皆さんにこのお地蔵さんのことを知ってほしいですね。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図
- 写真あり -
( 写真説明 ) いいなり地蔵(中央)
添付ファイル
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