富士市は将来どんなまちになると思いますか。どんなまちになったらよいと思いますか。富士市のまちづくりの方向性を示す新しい総合計画「第四次富士市総合計画」の原案がまとまりました。この原案では、めざす都市像(まちのすがた)を「雄大な富士山のもと 躍動するまち ふじ」とし、施策の大綱を五つ掲げています。そのあらましを紹介します。
21世紀初頭のまちづくりの指針
富士市は、昭和41年に2市1町が合併してから、快適で住みよいまちづくりを進めるために、総合計画をつくってきました。めざす都市像を「富士山をシンボルにみどりあふれる文化と産業のまち」とした現在の第三次総合計画は、平成12年度で計画期間が終了します。そこで、新しい総合計画「第四次富士市総合計画」を策定することになりました。
今回の計画は、急激に変化する社会情勢を念頭に、新しい視点に基づいた21世紀初頭の富士市のあるべき姿を示したもので、市民共通の目標となり、市の行財政運営の指針となるものです。
目標年次は平成22年
この計画は、「基本構想」「基本計画」「実施計画」の三つで構成されています。
基本構想 21世紀初頭に富士市がめざすまちの将来像と、これを達成するための施策の基本的な方向(施策の大綱)を明らかにしたもの。目標年次は平成22年。
基本計画 将来像を実現するための、具体的な施策の体系を明らかにしたもの。計画期間は平成13年度〜22年度。
実施計画 基本計画で定めた施策を具現化するもので、その実施に向け、年度ごとの計画を示すもの。
基本構想「施策の大綱」
(1)人と自然が調和する環境づくり
市民一人一人が身近な生活様式を見直し、市民、企業、行政が一体となり、廃棄物の発生抑制や減量化を進めるとともに、水源の維持保全から、適正な汚水処理までの水環境を守る資源循環型の社会システムを構築し、潤いと安らぎを実感できる環境に配慮した地域社会を形成します。
(めざすまちの目標)
◎持続可能な地球環境を次代に引き継ぐまち(地球環境)
◎豊かな自然と共生するまち(自然環境)
◎さわやかな生活環境を守るまち(生活環境)
◎資源循環型社会を創造するまち(廃棄物・資源・エネルギー)
◎良好な水循環をめざすまち(地下水・上水道・下水道)
(2)いきいきと働ける仕事づくり
これまでに培われた産業技術の高度化と新産業の創出を図るとともに、富士市の立地優位性を生かし、研究部門などを付加した知識集約型企業の誘致を図ります。また、商業の活性化や、観光・農林業の振興を図り、魅力ある経済拠点を構築します。
(めざすまちの目標)
◎多彩な分野に広がるまち(工業)
◎にぎわいを創出するまち(商業・流通・観光)
◎自然の恵みを活(い)かしたまち(農林業)
◎楽しく働くまち(労働・雇用)
(3)健やかで温もりのある暮らしづくり
高齢者や障害者などが安心して暮らせる豊かな健康長寿社会を実現します。また、次代を担う子供たちは地域の財産であるという市民共通の意識をはぐくむとともに、保育環境の充実など子育て支援施策を進め、安心して子供を産み育てられるような、夢のある地域社会を築きます。
(めざすまちの目標)
◎はつらつとした営みを守る健やかなまち(保健・医療)
◎地域の和をはぐくむ温もりのまち(地域福祉)
◎出会いとふれあいを演出する思いやりのまち(社会参加)
◎明るい未来をめざすゆとりあるまち(子育て・生きがい対策・社会保障・消費生活)
(4)こころかよいあう豊かな人づくり
人間性あふれる心豊かな社会を築き、市民が積極的に地域づくりや文化活動ができるよう生涯学習社会を確立します。また、男女共同参画社会の形成に努めるとともに、市民一人一人が郷土に誇りを持ち、郷土を愛する心をはぐくむため、個性豊かな地域文化を創造します。
(めざすまちの目標)
◎豊かな個性が未来へ育つまち(学校教育など)
◎生涯にわたって学びあうまち (社会教育・スポーツ・文化・青少年育成)
◎ふれあい共に創(つく)るまち(男女共同参画社会・コミュニティ・国際交流)
(5)安全で心地よい快適な街づくり
道路、公園などの住環境の整備を進めるとともに、消防・救急体制の整備や地震などの災害対策を万全にし、市民の生命や財産を守る都市づくりを推進します。また、すべての市民が使いやすい都市環境を創出し、利便性の高い公共交通体系の構築を図るなど、都市機能の質を高めます。
(めざすまちの目標)
◎交流ネットワークのあるまち(道路・交通・情報通信)
◎活力にあふれ快適なまち(市街地整備など)
◎暮らしを守る安全なまち(防災・消防・治山・治水)
◎快適な生活環境のあるまち(住宅・公園など)
富士市の未来を見据えた計画に
富士市総合計画審議会会長 石井 利平(りへい)さん
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審議会では、これから原案の内容を具体的に審議していき、ことし8月に審議の内容を市長へ答申する予定です。
富士市の実情を踏まえ、これから予想される状況を先取りしながら、各委員の見識を生かし、広い視野で内容を一つ一つ審議していきたいと思います。
雄大な富士山のもと、未来に向けて魅力ある富士市のまちづくりが進められるような計画にしていきたいですね。
今後の進め方
この原案は、2月1日に発足した富士市総合計画審議会(市議会議員や市民団体代表者、知識経験者で構成)で審議を受けた後、定例市議会で議決をされると、計画として完成します。
市民の声を生かした計画に
市では、市民の皆さんと一緒に富士市の将来を考え、その実現に向けてまちづくりを進めていこうと考えています。この計画を策定するに当たっては、これまで各地区のまちづくり推進会議や市民の代表で構成される市民懇話会で意見を伺うとともに、世論調査で市民の意識を調査したり、広く市民から意見や提言を募集したりしてきました。そして、皆さんからいただいた意見や提言などを生かしながら原案をまとめてきました。
今後も、富士市の将来のまちづくりや、この原案について、意見や提言、感想などがありましたら、企画課までお寄せください。
【問い合わせ】 企画課 内線2836 E-メール kikaku@city.fuji.shizuoka.jp