富士市初の4年生大学「富士常葉大学」が4月に誕生。21世紀をリードする新しい発想の大学である「富士常葉大学」のあらましを紹介します。
キーワードは「循環」。目指すのは、地球に優しいビジネスと地域づくり
平成2年4月、富士市に初めての大学(2年制)「常葉学園富士短期大学」が大淵に開学して10年。その短期大学が装いも新たに、この4月、4年制大学「富士常葉大学」に生まれ変わります。
富士常葉大学は、自然と人間、生産と消費との循環に注目し、地球に優しいビジネスや社会の仕組みを考えていく新しい発想のユニークな大学です。学部は、日本で初めてという「環境防災学部」と、「流通経済学部」の二つを設置しています。
環境防災学部 定員150人
環境に優しく、災害に強い社会のシステムづくりが学部の目標。21世紀を先取りした先進の環境防災学を学び、これからの地域社会や企業で求められる環境・防災の専門家を育てます。
[研究分野] 防災マネージメント、環境マネージメント、環境復元
流通経済学部 定員200人
むだな製品はつくらないマーケティングの工夫や、廃棄物ゼロ(ゼロ・エミッション)へ向けた流通システムの創造など、地球環境を視野に入れた新しいビジネスを創造できる専門家を育てます。
[研究分野] 流通マーケティング、金融ビジネス、企業会計
多彩な学びの特色
◎少人数のきめ細かい指導が受けられるゼミナール教育が4年間のカリキュラムの中心。
◎これまでの学問の枠を超えた学際的な教育内容が中心で、専門が違う何人かの教員による講義など、ユニークな講義がいっぱい。
◎教授陣には、金融・証券業界やマスコミ、民間研究所などでの実務経験がある教員を多く配置。
◎最新のLL(語学実習室)設備や情報教育設備を使った外国語とコンピュータ知識の勉強。
◎理工学の実験や社会調査など幅広い教育研究ができるよう、最新の施設・設備を用意。
◎野球やサッカーなどができる広大な運動場を大淵丸火に整備。 など
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図
問い合わせ
富士常葉大学 大淵325 電話36-1133
ホームページ
http://www.tokoha.ac.jp/fuji-univ/
環境をテーマに開かれた大学を目指す
富士常葉大学学長 徳山 明さん
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常葉学園富士短期大学が10年前に開学し、約3,000人の卒業生が、市内を中心に活躍してきています。短大が市民の皆さんのおかげで育ってきて、今後もその関係をより発展させていきたいと思っていたので、短大としての役割を終えて、自然な形で4年制大学へ移行しました。
21世紀はまさに「環境の世紀」と言えます。環境問題については市民レベルでも考えていかなければいけない現状です。富士常葉大学は、この環境という大きなテーマに取り組んでいく大学です。そのため、本大学では環境防災学部という日本初の学部を創設し、人間社会を基礎とした研究を行っていくことが特徴となっています。
これからは、「大学の公開」の時代と言われています。本大学でも、市民の皆さんを対象にした公開講座などを開催し、今地域で起きている問題を一緒に研究していきたいと考えています。開学後は、21世紀に生きる人づくりとして世界のために貢献でき、尊敬される人を育成していきたいと思います。
富士常葉大学に期待を込めて
地元の子供たちが行きたくなるような大学に
前田康世さん (大淵)
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大学周辺は自然が多くて環境もよいので、勉強するのには最適な場所ではないでしょうか。ぜひ社会に出て役立つような学生を育ててほしいと思います。そして、地元の子供たちが行きたくなるような大学になってほしいですね。
地元に密着した大学に
秋山勝勇(かつお)さん(浅間本町)
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体育館やパソコンなど、大学の施設・設備を市民にも開放していただくとともに、まちの活性化のために先生方の知識や知恵などを提供していただくなど、地元の大学として地元に密着した大学になってほしいと思います。
自宅から通えることが−番の魅力
三澤慶子さん(三ツ沢・吉原商業高校3年)
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税理士志望のため、流通経済学部を選びました。実務経験豊富な教授陣やコンピュータなどの最新式の設備に引かれましたが、何より自宅から通えるのが一番の魅力です。今後、海外研修制度や大学院を導入してほしいですね。
市民・企業・大学・行政が一体となって研究・実行できる場に
鈴木清見 富士市長
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かねてから市民の皆さんには、富士市に4年制大学をという気持ちがあったと思います。このたび、大学側のご努力によって私たちの願いがかなうことができ喜ばしいことです。4年制大学への移行に伴い、市としても、市有地を運動場用地として提供したり、運動場の造成費用を補助したりと支援体制をとっています。
大学ができると全国からたくさんの若者が富士市に集まってきます。若い人は元気があっていいものです。まち全体の魅力もアップするのではないでしょうか。富士市で勉強だけでなく、いろいろな活動にも参加してもらって、地域のまちづくりの熱源になってほしいと思います。
今後は、大学と市民が共同でシンポジウムを開いたり市民大学に教授を招いたりと、市民・企業・大学・行政が一緒になって研究し、実行できる場になってほしいと思います。そして、やがては、地元の大学、地域の大学として、人づくりにおいて大きな役割を果たしてくれることを期待しています。