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【広報ふじ平成11年】富士の民話 あれこれ

 元吉原地区鈴川町の坂の途中に小さなお堂があります。そのお堂の中に、高さ50センチメートルほどの石のお地蔵さんがおさまっていて、地域の人たちから「砂山のお地蔵さん」と呼ばれ親しまれています。
 今国は、この「砂山のお地蔵さん」についてご紹介します。

砂山のお地蔵さん
 砂山のお地蔵さんは、今ではお堂の中におさまっていますが、昔は雨ざらしで、大きな松の木の根元にひとりぼっちで毎日道を通る人を眺めていました。
 あるやみの晩のことです。吉原湊へ着いた伊勢船の船頭が二人、元吉原の宿場まで鼻うたまじりで行こうとしましたが、道が暗くて困っていました。
 すると前の方から紺がすりを着た小僧がやってきて「こっち、こっち」と言うのでその後について行きました。ところが小僧の姿はいつの間にか消えて二人はアシの生えているどぶの中をザブザブ歩いていました。手足が冷たいのでようやく気がついてどぶの中からはい出した二人は、「あの小僧め、地蔵が化けたに違いない。ちくしょうめ!」と悔しがりましたが後の祭りでした。
 こんな人を化かす話も伝えられているお地蔵さんですが、いつのころからか、このお地蔵さんは人の願いをよく聞いてくれるお地蔵さんだというので、お参りする人が多くなったということです。

鈴川区管理委員会委員長
鈴木 良平(りょうへい)さん(鈴川町)
- 写真あり -
 砂山のお地蔵さんは、願い事を聞いてくれるお地蔵さんとして知られていて、「いいなり地蔵」とも呼ばれています。
 私が小学校低学年のころまで行われていたお地蔵さんのお祭りは、「火渡り」の祭りとして有名でしたね。お堂の前の広場でまきをたき、富士宮市にある本門寺から来た山伏の修行者が、火を治めるよう祈祷(きとう)してくれました。そして、火の上を村じゅうの人たちがはだしで渡って無病息災を願ったものです。その後戦争などでお祭りは途絶えてしまいましたが、地域の古いお祭りを子供たちに伝えていこうと、平成6年にお堂を修復したのを機に、地域手づくりのお祭りとして復活しました。いつかは火渡りも復活できたらいいなと思っています。
- 図表あり -
- 写真あり -
( 写真説明 ) お堂と砂山のお地蔵さん
添付ファイル
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