大淵にある稲垣家住宅が国の登録文化財に指定されました
今春、大淵にある稲垣幸洋(ゆきひろ)さん所有の住宅が、文化庁の登録文化財に指定され、6月1日、その登録証とプレートの授与が行われました。
稲垣家住宅は、木造平屋建てで、建築面積192平方メートル。記録によると、文化元年(1804年)に、稲垣数右衛門さんが建築したもので、現在の当主の幸洋さんが8代目に当たります。稲垣家は昔から地域の大地主として、地域の人からは「大淵の大家(おおや)」と呼ばれ親しまれてきました。
住宅は、カヤぶき屋根で「入母屋形式兜造り(いりもやしきかぶとづり)」と呼ばれる建築形式が特徴。その内部は階下が住まいで、階上が養蚕場であった様子を、今にとどめる造りとなっています。また、広い屋敷の周りは黒い板塀が張りめぐらされ、日本古来の雰囲気を感じさせてくれます。現在、県内でこの兜造りの住宅は、この稲垣家と静岡市の大村家の2か所しか残っておらず、大変貴重なものです。
幸洋さんは、「この家を守ってきてくれた先祖に感謝したいと思います。私自身、建築の仕事をしていることもあり、古い建物には関心があります。これからもこの住宅を大切にしていきたいと思っています」と登録された感想を話してくれました。
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( 写真説明 ) 稲垣さん一家に、富士市太田均教育長が登録証とプレートを授与
( 写真説明 ) 稲垣家住宅の全景