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【広報ふじ平成11年】特集・下水道 きれいな水を未来に

下水道が通ったら、1年以内に接続しなければなりません
 水は生命をはぐくむ源。私たちも生活するために、あらゆるところで水の恵みを受けています。しかし、水も使えば汚れます。その汚れた水の行き先を考えたことはありますか。
 市ではきれいな水、そして私たち人間を含む生き物の命を守るため、4月から、条例で下水道が整備されて1年以内に接続をしなければならないと義務づけられました。
 きれいな水を未来につなぐ下水道について、一緒に考えてみませんか。

●私たちは毎日水を汚しています
 よく街で見かけるたばこや空き缶のポイ捨て。それと同じように、毎日当たり前の生活をしているつもりが、水を汚していることにつながっていると気づいていますか。
 私たちは炊事、入浴、洗濯などで水を大量に使用し、それをそのまま川や海に流してしまっています。実は現在、その家庭排水が川や海の水の汚染の九割を占めるほどになっています。
 汚染された水は自然に流れていきます。その水は臭いとともに、川や海にいる魚などの生き物に影響を与えます。
 このように、汚い水を流すことは、周りの人や水にすむ生き物に迷惑をかけるばかりでなく、やがては自分自身の体に、大きな影響を及ぼすことにもつながるのです。

●下水道を考えることは環境問題を考えること
 こうした問題は地球温暖化、ごみ問題、ダイオキシンなどの大気汚染問題などと同じように、身近で大きな環境問題と言えるでしょう。
 このような問題を解決するために必要になってくるのが下水道です。下水道はトイレだけでなく、炊事、入浴、洗濯などで毎日大量に流されている汚れた水を、下水道管を通して集め、きれいで安全な水に処理してから、再び川や海へ戻す働きをしています。
 ですから、汚れた水をきれいな水に戻す下水道について考えることは、環境問題を考えることにつながるのです。

●下水道につないでいない家庭は 5世帯に1世帯
 下水道が整備されても、家庭からの排水を流す工事をして下水道に接続しなければその意味がありません。現在、富士市で下水道が整備され、利用できるようになった家庭のうち、下水道につないでいない家庭は5世帯に1世帯。すなわち、9,500世帯分、約2万7,300人分の家庭排水が、下水道ではなく、河川や道路の側溝にそのまま流されていることになります。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 下水道につないでいない家庭の排水は、1年で東京ドームの約2.8杯分に相当します

●下水道は料金が高い?
 下水道を利用しない理由として、「我が家では、単独浄化槽を使っているから必要ない」、あるいは「下水道料金が高い」という声を聞きますが、本当にそうなのでしょうか。
 トイレだけの汚水を処理する単独浄化槽と、家庭排水をすべて処理できる下水道を比較してみますと、下水道へ接続した場合、経済的にも安く済みます。

●1日125円の環境投資
 下水道を30年間使ったとして、1日当たりにかかる費用を計算してみましょう。
 下水道を接続するために必要な工事(排水設備工事)は平均して約40万円。これに下水道使用料を加えて、1日当たりにかかる金額を出してみると、1日約125円の負担で済むことになります。
 つまり、缶ジュースを1本買うのに必要なお金とほぼ同じ金額で、水をきれいに守ることができるのです。

●下水道への接続を
 自然の中で行われている水の循環。私たちはその水の恩恵を受けています。そして、使った水を汚いままで返すことはエチケット違反。その大切な水をきれいにするために、下水道への接続がどうしても必要なのです。

◎単独処理浄化稚を使用した場合
 清掃料金、点検料金、電気使用料金などを含めると1世帯当たり月平均 約3,000円(5人槽) 約3,500円(7人槽)
◎下水道を使用した場合の使用料金1世帯当たり月平均 約2,650円
- 図表あり -
( 図表説明 ) ◎下水道接続前(上)台所やおふろなどの水は汚れたまま川や海へ流れます
( 図表説明 ) ◎下水道接続後(下)家庭排水は全部きれいな水になって川や海へ流れます
- 写真あり -
( 写真説明 ) 1日たった125円で、汚れた水もきれいに変わります

●下水道へ接続するには?
 宅内工事の費用は平均して約40万円です。これは各家庭の排水状況によって異なりますので、まずは2、3社で見積もりをとってみてください。
- 図表あり -

●接続(排水設備工事)は指定工事店で
排水設備工事は、市が取り決めた技術水準を満たしている指定工事店だけが行えます。
★市外の排水設備工事店でも、市の指定を受けていれば工事ができるようになりました。

●1戸につき100万円まで無利子で融資
 排水設備工事を行うための負担を少しでも少なくするために、1戸につき100万円まで無利子で、工事費を融資あっせんしています(新築・増改築・店舗を除く)。
・償還期限
 50万円以下の場合 36か月以内
 50万円を超える場合 60か月以内
・手続
 工事が完了し、市の工事検査が済んだら、申請用紙と必要書類を、下水道部管理課へ持参してください。


水は生きている、だから…

 「未来もきれいな水であってほしい」と、だれでも思うはず。しかし、水に対する思いやりが薄らいでいくと、水は確実に汚れていきます。それを防ぐために下水道へ接続することは、未来の水を守る第一歩なのです。
 また、調理くずや油を流さない、必要以上の洗剤を使わないなど、まずは私たちの身の回りにある水の処理の仕方を、もう一度見直してみてください。

身近な水への関心を
消費者団体 「あくてぃぶ」代表 田中 富子さん(今宮)
- 写真あり -
 私が子供のころ、近くの川では、水があちこちでわき、魚がいっぱい泳いでいたのを覚えています。今では、そういう風景も少なくなってきたことは残念ですね。
 まだ私の家には下水道が通っていませんが、近くの沢で泡が出ているのを見ると考えさせられます。
 私たち「あくてぃぶ」でも、身近なところから水を大切にし、水をきれいに守ることへの関心を持とうと心がけたいと思っています。

水いたわる気持ちが大切
ふじ環境倶楽部 小池 智明(としあき)さん(今泉)
- 写真あり -
 ふじ環境倶楽部では、昨年度「富士の湧水(ゆうすい)」をテーマに調査研究しましたが、水には命の戟動を感じるときがあります。
 水について知ることは、私たち人間の生活を考えることにつながります。水の循環の中で、人間がそれにかかわっているのは水をくみ上げて、排水するというわずかな一部分。自然の恵みを使わせてもらっているという気持ちを持つことは大切だと思います。
 私たちが日常生活する中で、汚い水を流していることに気がつかないこともあるとは思います。下水道へ何でも流してもいいということではなく、水をいたわる気持ちを持ちたいですね。

下水道で水を守って
伝法小学校5年 中島 聡志君(右・伝法)山崎 真理子さん(左・国久保)
- 写真あり -
 去年の4年2組では、2学期にクラスのみんなで下水道についていろいろと勉強しました。みんなで協力して調べたことを、かわら版や紙芝居、ポスターなどにして発表しました。また、下水道につないでもらえるよう、かわら版は地区の人に配って見てもらいました。
 汚い水が川や海に流れたら、魚がかわいそう。なるべく下水道に流すようにできたらと思いました。
 下水道のことを知って、水を汚さないように気をつけたいし、街をきれいにしたいなあと思います。そして、私たちが大人になってもきれいな水を飲みたいです。

問い合わせ
◎下水道部管理課 内線2511〜2516
(下水道使用料・排水設備工事・受益者負担金・融資あっせんなど)
◎下水道部建設課 内線2504〜2509
(下水道の整備計画・工事など)
◎下水道部施設維持課 内線2541〜2543
(下水道の維持管理・下水道処理場など)
*インターネット富士市ホームページでも下水道について詳しく紹介しています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 現在、下水道が整備されている地区
( 図表説明 ) 富士市民の58.6%、約13万9,000人が下水道を利用できます。
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