昭和63年3月に東海道新幹線新富士駅が開駅してことしで11年を迎えました。今や新富士駅は、雄大な富士山のふもとで生活する私たち、そして、富士市を訪れる人にとっても欠かせない玄関口となっています。
まもなく21世紀。市では住みよいまちづくりのため、将来の富士市の顔となる新富士駅周辺地区の整備を進める準備をしているところです。今回は新富士駅南地区への土地区画整備事業の状況についてお知らせします。
新富士駅の開駅と新富士駅周辺の整備経緯
昭和59年、東海道新幹線の新富士駅が現在の位置で開駅することに決定しました。新富士駅の開駅に伴い、多くの利用者が見込まれることと、急速な土地利用転換が図られることが予想されました。
そのため、新富士駅周辺に土地区画整理事業を計画し、市街地が形成されるための基盤整備を行うとともに、開駅に必要な用地を確保することを目的に地元説明会を開催しました。
しかし、この地区は市街化が進んでいることなどから、開駅に必要な用地は直接買収方式により確保し、土地区画整理事業計画は並行して進めることになりました。
その後、土地区画整理事業の基本計画案を作成し、地元や国・県など関係機関と調整を進めてきました。
新富士駅周辺地区が県東部地区の拠点に
平成5年4月、富士市は地方拠点都市法(地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律)により、静岡県東部地方拠点都市地域として静岡県知事の指定を受けました。
ここでは、土地利用の状況、周辺の公共施設の整備状況などを考え、広域都市機能の集積、または住宅及び住宅地の供給など、居住環境の整備を図るための事業を重点的に実施すべき地区となる「拠点地区」を定めることができることになっています。
市では、新富士駅の持つ広域交通の機能、駅周辺の土地利用、都市基盤などの機能の充実を図るため、新富士駅周辺の約88ヘクタールを拠点地区として位置づけ、地域振興整備公団とともに基礎調査などを行い、検討を重ねてきました。
それらの調査に基づき、拠点地区を四つのブロックに分けて整備を進めることが、市議会の拠点都市整備促進特別委員会で了承されました。
新富士駅都南地区の新しいまちづくりがスタート
このうち、A地区に当たる新富士駅南地区では、かねてから計画のあった住居系を主体とした市施行の土地区画整理事業を実施し、市の玄関口にふさわしい整備を進めていくことになりました。
その後、拠点地区整備の中間報告として地元説明会を開催。国や県など関係機関と協議を重ねながら、あわせて調査を実施し、新富士駅南地区整備の検討を進めてきました。
平成10年2月、新富士駅南地区の土地区画整理事業について、市議会の拠点都市整備促進特別委員会と全員協議会に報告し、2、3月には地元説明会を開催しました。
そして市では、平成十年度、新たに新富士駅南地区整備室を設置しました。
土地区画整備事業とは?
道路、公園、河川などの都市施設を一体的に整備して、土地の合理的な利用を進め、良好な市街地をつくる事業です。
都市の発展とともに、街には住宅、店舗、工場などが密集し、郊外では道路、河川などが未整備のまま住宅が建てられ、消防車も入れないような好ましくない環境ができ上がってしまうことがあります。そこで、災害に強く安全で、明るく潤いのある暮らしやすい生活環境を実現するため、土地を所有している皆さんが協力し少しずつ土地などを出し合って、総合的なまちづくりを進めていくことが必要であり、この事業は「都市計画の母」と言われています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 富士中部土地区画整理事業では、中央歩行者道を整備するなど、生活環境に配慮した潤いのあるまちづくりを進めました。
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( 図表説明 ) 新富士駅周辺地区
( 図表説明 ) ●A地区(新幹線南側)
( 図表説明 ) 住居を主体とした土地区画整理事業で良好な市街地をつくり、市の玄関口にふさわしい整備を進める地区となっています。
( 図表説明 ) ●B地区(新幹線北側)
( 図表説明 ) 岳南地域の広域玄関口にふさわしい市街地の形成と中核的施設の導入を配慮した整備を進める地区。現在、市では地域振興整備公団や県とともに、導入機能、整備手法などについて検討を進めています。
( 図表説明 ) ●B-1およびC地区
( 図表説明 ) 現在、企業が操業している地区であり、将来の動向などを見定めながら柔軟に対応する整備地区としています。
( 図表説明 ) 新富士駅南口駅前広場想定図