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【広報ふじ平成10年】富士の民話あれこれ

今宮の火祭り
 今宮の「火祭り」は、昭和40年ごろまで毎年行われていた伝統ある行事です。その後、行われなくなっていましたが、地元の人々の情熱によって復活され、ことしも8月13日に行われます。
 今回は今宮の「火祭り」の由来についてご紹介します。

 昔、昔のことです。今宮では毎年のように火事が起きていました。それに加えて相次ぐ干ばつで不作が続き、村人の生活は大変苦しい状態に追い込まれていました。そこで村人たちは、「この災いを払いのけるように何か祭りをしよう」と相談をしました。
 ところがそれから3日後、またも火事が発生しました。その日は風が強く火は瞬く間に広がり、大火事となってしまいました。
 村人たちは、すぐに祭りを行おうと話し合い、火を清めるための「火祭り」を行うことに決めました。季節は8月の初めを過ぎていたので、お盆に合わせて祭りをすることにしました。そして、名主が三晩連続の「火祭り」をするように、村じゅうにおふれを出しました。
 いよいよお盆です。村の中心に火床をつくり、そこから火をもらったたいまつにひもをつけてぐるぐる振り回しながら、村の一軒一軒を回っておはらいをしました。三日目の晩には、村じゅうの人が神社の鳥居の前に集まり、大きなかがり火をたき、名主や組頭が火のついたたいまつを村人の頭の上でぐるぐる回して祭りを終えました。
 するとその年から、前年まで続いた干ばつもなく豊作になり、不幸な火事もなくなって村は平和になったということです。その後、この「火祭り」は何百年も続いたそうです。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 「火祭り」が行われる今宮浅間神社
( 写真説明 ) たいまつを回して歩く様子
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図


今宮火祭り保存会実行委員長 高瀬 清(たかせ きよし)さん (今宮)
- 写真あり -
 最近は地区の行事でみんなが一つになることが減りましたが、私が子供のころはこのお祭りがとても楽しみで、大人も子供も盛り上がっていました。そのころの思いを胸に、何とか自分たちの手でお祭りをやろうと、同じ思いを持つ人たちと平成5年に復活させました。それからことしで6年目になり、お祭りの日には人もたくさん集まっています。
 毎年お祭りが終わると課題が残りますが、それがまた来年へのステップになっていますね。そして将来はもっとめり張りのあるよりよいお祭りを目指し、この伝統ある「火祭り」を若い世代に伝えていきたいと思っています。
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