富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 平成10年 > 平成10年7月5日 713号 > 【広報ふじ平成10年】特集・献血 7月は愛の血液助け合い運動月間

【広報ふじ平成10年】特集・献血 7月は愛の血液助け合い運動月間

あなたの優しさがたくさんの人の命を救います

- 図表あり -
( 図表説明 ) 静岡県献血イメージキャラクター“アボ(ABO)ちゃん”

 皆さんは、献血に対して「痛い」とか「怖い」という印象を持ち、二の足を踏んでいませんか。世の中には、血液を必要としている人がたくさんいまが、血液は人工的につくることができないため、どうしても献血に頼るしかありません。献血はホンの少しの勇気と思いやりがあればできる身近なボランティア。あなたの元気と健康を少しだけ分けてください。

献血は大きく分けて2種類あります
●全血献血
 血液のすべての成分をいただく方法で、400ミリリットル献血と200ミリリットル献血があります。採血された血液は、輸血用血液として使われるほか、それぞれの成分ごとに分離して「赤血球製剤」や「血小板製剤」などになって利用されます。
 採血にかかる時間は15分程度と短いのが特徴です。
●成分献血
 成分献血装置を使って、血液から自動的に血漿(しょう)や血小板といった必要な成分だけを採取し、赤血球などは再び体内にお返しする方法です。方法は全血献血と変わりありませんが、30分から50分程度の時間がかかります。しかし、最も回復が遅いと言われる赤血球を体内にお返しますので、身体への負担が軽く安全な献血と言えます。


16歳から64歳までの健康な人ならどなたでも
 ただし、献血の種類などによって多少の制限があります。200ミリリットル献血は16歳から、400ミリリットル献血・成分献血は18歳からになります。
 また、体重による制限もあります。200ミリリットル献血・成分献血は男性の場合45キログラム以上、女性の場合は40キログラム以上です。400ミリリットル献血は、男女ともに50キログラム以上でないと献血することができません。


病気がうつることはありません
 献血をすることで肝炎やエイズなどの病気が感染することはありません。採血に使用する針やチューブは使い捨てです。
 また、健康で体重などの条件を満たしていれば400ミリリットルの血液を採血しても健康上問題ないことが、医学的に証明されています。
 また、輸血を受けられる人の健康を守るために、献血を行う前に問診を行っています。正確にお答えください。


富士市の献血の現状と取り組み
社会福祉課長 山本喜一郎
- 写真あり -
 富士市の平成9年度の献血状況は、献血目標者数1万850人に対し、献血者数8,333人で達成率は76.8%でした。
 本市の特徴としては、企業などの職域献血や各種団体による地域献血の割合が多い反面、街頭献血や学校などの学域献血の割合が少ないことが挙げられます。職域献血が多い理由は、産業都市ということで企業や事業所のご協力が多いからです。逆に街頭献血が少ないのは、人が集中する場所が分散していることと、他市への通勤・通学者が多く昼間の人口が少ないことが原因でしよう。
 また、最近は400ミリリットル献血や成分献血に協力してくださる人の割合が多いですね。その点は、献血事業に協力的な人が多いと言えるのではないでしょうか。
 献血は皆さんの善意で行われるものなので強制することはできません。ですから、献血バスでの街頭献血の日程を広く宣伝したり、学域献血の拡大に向けて、各学校に呼びかけをしたり、大きなイベント会場で献血を行ったりと、献血に興味を持ってもらえる環境づくりに取り組んでいます。
 より多くの人に献血の意義を理解していただき、協力していただければと思います。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 献血分野別グラフ(平成9年度)
( 図表説明 ) 種類別献血者グラフ(平成9年度)


知っていますか?献血のこんなこと
☆無料で健康チェックが受けられます
 献血をしてくれた人の血液について各種の検査サービスをしています。血液中のコレステロールや総たんぱくなどの生化学検査を行い、その結果を約2週間後に献血者全員に郵送します。
 定期的に献血をするとその都度血液データを得ることができ、健康管理のバロメーターになります。ぜひ、役立ててください。
☆献血協力者には粗品を差し上げています
 献血に協力していただいた人には、その場で粗品をお渡ししています。そのほか、一定回数以上の献血をした人に記念品を贈呈しています。
☆血液には寿命があります
 血液の保存期間は成分によってさまざまです。血小板で3日間、赤血球などで21日間と意外と短いのです。もちろん有効期限を過ぎてしまった血液は、使用できなくなります。血液は長期間の保存ができないため、献血者が減る真夏や真冬といった時期は、需要と供給のバランスをとることが大変です。これから夏に向かい血液不足が心配されますので、ご協力をお願いします。
☆街頭献血は定期的に行っています
 毎月第三木曜日の9時30分から15時30分まで市役所西口、毎月最終土曜日の10時から16時までJR富士駅北口で献血を行っています。そのほか各地区でも行っています。詳しくは広報ふじ20日号をごらんください。

あなたも思いやりの輪に入りませんか

困っている人々の助けになるように 島口 学(まなぶ)さん (森島)
- 写真あり -
 献血は16歳から続けています。きっかけは友人が交通事故に遭ったときに、血液は常に不足していると聞いてびっくりしたから。それに自分は人数の少ないAB型なので、もし自分が血液の必要な立場になったらと思って始めました。やっぱり最初は針が太くて痛いのではという心配はありました。でも、実際は思っていたほどではありませんでしたね。
 ふだん自分や親しい人が健康に生活していると、血液が不足して困っている患者さんやけが人がいるということを忘れてしまいがちですが、常にそのために苦しんでいる人たちがいます。そのような人たちのことを考えると、自分にできることはやらなくてはいけないなという気持ちになります。
 仕事をしているのでなかなか自由に時間がとれませんが、献血なら自分の都合に合わせてできますし、時間もほかのボランティアに比べるとかからないので、続けられるのだと思います。


血液が不足することがないようにご協力ください
沼津赤十字血液センター採血課長 鳥居勝江さん
- 写真あり -
 皆さんが献血してくださった血液は、沼津赤十字血液センターヘ集められ、使用目的ごとに分類されます。全血献血の一部は輸血用に、血漿(しょう)や血小板などの成分は血液製剤用などに製品化されます。その後、検査に合格した血液や血液加工製品は静岡県東部地区の病院などに供給され、多くの人の命を救っています。
 輸血を受ける疾病の1位はがんなどの悪性新生物です。年齢は60歳以上の人が約60%を占めます。将来の高齢社会を考えると、血液の需要は確実に伸びます。しかし、献血には年齢制限がありますので、このまま少子化が進むと血液不足になるのではという心配があります。
 この問題を少しでも解消するため、献血をしたことのない人にまず一度参加してもらいたいですね。初めての人にはなるべく話しかけたり、終わるまでそばについていたりするなど極度に緊張してしまわないように配慮しています。先入観にとらわれず、気楽に足を運んでみてください。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 疾病別輸血状況


まずは献血に興味を持ってくれたら
吉原高校JRC部の皆さん
- 写真あり -
 JRCとはジュニア・レッド・クロスの略で、私たちは部活動として赤十字の精神にのっとってボランティア活動を行っています。その中の活動の一環として月に1回富士駅北口で行われる街頭献血の受付と呼びかけをしています。そのほかにも、福祉まつりに参加して、献血への協力をお願いしています。
 献血の呼びかけやチラシなどを配っていると、あからさまに無視する人もいて、献血に無関心な人がたくさんいるんだなと寂しくなることもあります。でも逆に、「どこに献血バスがとまっているのですか」とか「献血をしてみようかな」、「私でも献血できますか」といった反応や質問が返ってくると、とてもうれしいですし、励みにもなります。部員の中には、活動がきっかけで献血を始めた人もいるんですよ。
 私たちの活動が、少しでも献血に興味を持つきっかけになってくれたらと思っています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 福祉まつりで献血をアピール


感謝の気持ちはずっと N.Mさん (広見・男性)
 生後10か月のときにぜん息性の病気にかかり生死のふちをさまよい、輸血を受けたことがあります。あまりに小さいころのことなので覚えているわけではありませんが、家族の話では輸血を受けると青白かった顔に赤みが差してきて安心したと言います。
 今ではすっかり健康になりましたが、、名前も顔も知らない人に助けてもらったという事実は、私が生きている間ずっと続いていくのではないでしょうか。今後生きていてよかったと思える瞬間があったときには、家族や友達に加え、私に血液を分けてくれた人のことを思い出し、感謝することができると思います。このように考えると、献血は輸血を受けたそのときだけではなく、長期間にわたって思いやりが続いていくものなのだなと感じますね。
 私は献血をすることはできなくなってしまいましたが、このお礼は形を変えた何かで返せたらと考えています。


○20歳の記念にと、友人たちと一緒に献血したのが始まりでした。献血をすると自分の体調がわかるのでとても重宝しています。 (田島芙貴子(ふきこ)さん・川成島)

○最初は粗品がもらえると聞いて献血をしました(笑)。今では自分にとって何でもないことで、人の役に立てばと思って献血をしています。 (鈴木利明(としあき)さん・大淵)

○まだ4回しか行ったことがありません。献血は友達と行くとあまり緊張しないので、行くときはいつも一緒に行くようにしています。 (渡辺美智子さん・石坂)

○4年前に病気で手術しました。輸血同意書にサインしたときに、大勢の人に助けてもらうなんて、ありがたいことだなと思いました。 (M.Mさん・中里)

○女性ネットワーク富士の活動の一環として献血の受付ボランティアをやっています。来てくださった人が気分よく献血ができるように、笑顔で応対するようにしています。 (影島明子さん・中央町)

○亡き主人が手術で大量の血液を提供してもらったことがありました。そんなことから、お礼の気持ちも込めて献血を続けています。 (佐藤弘子さん・伝法)

 献血は思っているほど難しいことではありません。あなたの健康をちょっとだけ分けてあげるつもりで、気軽に献血の輪に参加してみませんか。

◆問い合わせ
 社会福祉課 内線2312
 沼津赤十字血液センター 電話0559-24-6611
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp