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【広報ふじ平成10年】野鳥の楽園に遊びに行こう

 そろそろ、ことしも皆さんの家の近くでも、鳥たちがにぎやかにさえずり始めたのではないでしょうか。この時期、多くの野鳥たちが子育てのため、遠くの国からやってきます。
 富士市は特有の地形により、県下有数の野鳥の飛来地。山や川、沼に集まる多種多様な野鳥の観察が可能な場所がたくさんあります。しかし、常日ごろから野鳥を気にかけている人は少ないのではないでしょうか。
 5月10日から16日はバードウイークです。ふだんは鳥に興味がない人でも、カジュアルな服装に着がえ、双眼鏡を首から下げて新しい富士市の魅力を探しに出かけてみませんか。
 さまざまな野鳥が、さわやかな初夏の風に吹かれながら、あなたの訪れを待っているかもしれませんよ。

「山」 丸火自然公園

 富士山麓(ろく)の標高550〜600メートルの緩やかな斜面に広がる公園。ほとんど人の手を入れず、自然をそのままにしてあるのが、この公園の特徴。
 初夏になると、この恵まれた環境の中で子育てをしようと、鳥たちが遠く南の国からやってきます。そのため、公園内は鳥たちのさえずりで大変にぎやかになります。
- 写真あり -
( 写真説明 ) まずは立て看板でどんな鳥がいるのかをチェック。
( 写真説明 ) コゲラ(1年じゅう)
 横しま模様の小さなキツツキ。木に穴を開け、樹皮につく虫を取って食べる。「ぎぃーぎぃー」と戸がきしむような声で鳴き、枯れ木を好む。〔15cm〕
( 写真説明 ) コゲラにつつかれた幹
( 写真説明 ) ヤマガラ(1年じゅう)
 胸や腹などが暗いオレンジ色で、「つーつーぴー」と繰り返して鳴く。〔14cm ※くちばしの先端から尾の末端までの長さ〕
( 写真説明 ) センダイムシクイ(夏)
 体の上面はオリーブ色で、目の横に白い線がある。名前の「ムシクイ」とは虫を食べるところからつけられている。鳴き声が特徴的で、「焼酎(しょうちゅう)一杯ぐいー」と聞こえる。〔12.5cm〕
( 写真説明 ) 公園内には人工の水場や巣箱があり、付近は、鳥が集まりやすくなっています。

※今回、みどころアドバイスや写真提供など日本野鳥の会南富士支部の会員の皆さんにご協力いただきました。
みどころアドバイス
大和瀬(おおわせ) 泰さん(富士岡)
- 写真あり -
 公園内のファミリーコースやヤングコースで十分楽しめます。時間は鳥の活動が一番活発な早朝。「早起きは三羽の得」と私たちは言っています。双眼鏡は、高倍率だと木立がじゃまで見づらいので、8倍ぐらいが使いやすいです。
 野鳥たちのさえずりは、繁殖と関係していますので、今の時期が一番楽しめます。野鳥の姿を目で確認できなくても、耳でさえずりを楽しみましょう。何度も足を運んでいるうちに、自然と野鳥を探すのが上手になっていきますよ。

鳥の鳴き声を人間の言葉であらわしたものを「ききなし」といいます。本当にそう聞こえるかあなたの耳で確かめてください。
 イカル お菊二十四(にじゅうし)
 コジュケイ ちょっと来い
 ウグイス ほう法華経(ほけきょう)
 メジロ ちょうべえ ちゅうべえ ちょうちゅうべえ
 ホオジロ 一筆啓上(けいじょう)つかまつりそうろう
 ホトトギス 特許許可局

「川」 富士川河口

 富士川は、海と接する地点に河口をふさぐ形で砂れきが積み重なっているため、海からの波が河口に入りません。そのため、河口内側には広くて静かな水面が広がり、県下でも有数の水鳥の飛来地になっています。
 源平の富士川合戦で、源氏軍が奇襲攻撃をかけようとしたところ、水鳥の大群が舞い上がり、その水音に驚いた平家軍が総退却したという話からも、昔から多くの水鳥が羽を休めに来ていたことがわかります。
- 写真あり -
( 写真説明 ) ことしの4月に富士川緑地の南西に設置された、初心者にもわかりやすい、写真入りの説明板。
( 写真説明 ) カワセミ(1年じゅう)
 青緑色とオレンジの体、長いくちばしと短い尾を持つ。その美しさから「水辺の宝石」と呼ばれている。〔17cm〕
( 写真説明 ) チュウシャクシギ(5月)
 シベリアに渡る中継地として富士川河口で栄養補給する。カーブしている長いくちばしと、水の中を歩くための長い足が特徴。海に近い草地などで見ることができる。〔42cm〕
( 写真説明 ) コアジサシ(夏)
 中州で集団(コロニー)をつくって繁殖を行う。夏には親子づれの姿も見られる。親鳥は、ひらひらと飛びながらねらいを定め、垂直にダイビングをして魚をとり、ひなに運ぶ。〔成鳥28cm〕

みどころアドバイス
渡辺 修治さん(中央町)
- 写真あり -
 河口に近いほどよく野鳥を観察することができます。また、中州には雑草が茂り、野鳥にとってえさをとったり羽を休めたりするのに絶好の場所となっています。
 夏の富士川河口は、野鳥の数は冬ほど多くはないですが種類は豊富で、本当に野鳥の楽園です。ただ残念なのは、釣り針や釣り糸でけがをしたり、死んでしまったりする野鳥が多いことです。落ちている釣り針や釣り糸を見つけたら、持ち帰るようご協力ください。

「沼」 浮島沼

 愛鷹山の南側に広がる、赤淵川から沼津市西部にかけての2,300ヘクタールの低湿水田地帯。ここでは、カモやシギ、サギ類などの野鳥が観察できます。
 川では、気持ちよさそうに泳ぐ野鳥も見られそう。また、天気のよい早朝や夕方には、美しい富士山も見ることができます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) オオヨシキリ(夏)
 ヨシの中に巣をつくるため、名前に「ヨシ」が入っている。ヨシの先端で「ぎょうぎょうしー」と大きな声で鳴くのが特徴。〔18.5cm〕
( 写真説明 ) ケリ(1年じゅう)
 田んぼの中で生活している。気が強く、特に5月〜6月は子育て中のため、外敵に対して非常に神経質。名前は鳴き声が「けり」と聞こえることからつけられている。〔35.5cm〕
( 写真説明 ) セッカ(1年じゅう)
 草地で暮らし、5月〜6月はさえずりが活発なため、見つけやすい。上昇するときには「ひっひ」、下降するときには「じゃっじゃっ」と鳴く。〔12.5cm〕
( 写真説明 ) 浮島自然公園建設予定地(湿地内には入らないでください)

みどころアドバイス
中村 守さん(永田北町)
- 写真あり -
 浮島沼は、浮島自然公園建設予定地周辺やアシ原、田んぼや川、水路といったいろいろな場所で、さまざまな種類の野鳥が観察できます。浮島沼の範囲は広いですが、特別ここでなければ観察できないといったことはありませんので、いろいろな場所を見て回ることをお勧めします。また、これからの季節では、水辺でかわいいカルガモ親子も観察できます。
 時間帯としては、朝早く観察することをお勧めします。


- 写真あり -
( 写真説明 ) 日本野鳥の会南富士支部の皆さん
 バードウオッチングのときは「鳥に優しく、人に優しく、自然に優しく」という気持ちで行動してください。野鳥たちの生活を見せていただくという謙虚な気持ちが大切です。
 また、これから野鳥たちが子育てを始めますが、巣から落ちているひなを見つけても、絶対に持ち帰らないでください。そのようなひなを見つけたら、少し高めの枝に戻してください。そうすれば、親鳥が見つけることができます。
 バードウオッチングは手軽にできますし、健康維持にも効果があります。私たちの会では、探鳥会をだいだい月1回の割合で行っています。毎回参加者を一般募集しますので、興味のある人はぜひ参加してください。

問い合わせ 日本野鳥の会南富士支部事務局 電話0544-66-0735(伊藤昌光 方)
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
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