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【広報ふじ平成10年】大丈夫!?ダイオキシン

ここ数年、ごみ焼却場から発生するダイオキシン問題がテレビや新聞紙上をにぎわし、市へもダイオキシンに関する問い合わせが多くなっています。昨年12月、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」と「大気汚染防止法」が改正され、大型焼却炉からのダイオキシン排出が規制されました。しかし、ダイオキシンは工場や事業所、家庭などの小型焼却炉からも発生する可能性が高く、私たちはダイオキシン汚染の被害者にも加害者にもなり得るのです。そこで、ダイオキシンとはどんなものか、発生させないためにはどうしたらよいのか考えてみましょう。


ダイオキシンって?
 もともと自然界にはない化学物質で、人の手によってつくられたものです。210種類もの仲間があり、毒性の弱いものから大変強い毒性を持つものまであります。その中で最も毒性の強いものは青酸カリの1,000倍以上の毒性を持つとされ、「最強の猛毒物質」と言われています。
 また、一度発生すると、自然環境では分解されにくい性質を持っています。現在は空気や水、土にも極微量ながら含まれています。


人体への影響
 ベトナム戦争で、アメリカが使用した枯れ葉剤の中に含まれていたダイオキシンが原因となり、流産や奇形児の出産など重大な被害が出ていることはあまりにも有名です。
 また、精子形成阻害や子宮内膜症を引き起こすほか、発がん性も認められるなど、その影響はさまぎまです。


どのくらいの量まで安全?
 以上のようにダイオキシンの毒性は非常に強いものですが、一定の量以下なら健康に被害が出ることはありません。国は一生涯摂取しても健康に影響が出ないとする量を、体重1キログラム当たり1日に5〜10ピコグラムとしています。つまり、体重50キログラムの人は、1日に250〜500ピコグラム以内の摂取なら大丈夫ということになります。
*1ピコグラムは1兆分の1グラム


発生
 塩化ビニールのような塩素を含む物が、300〜500度の比較的低い温度で不完全燃焼すると発生しやすいと言われています。また、800度以上の高温で焼却するとダイオキシンの発生は少なくなります。


体への侵入
 左図のようにダイオキシンは食物や水、空気など、身の回りの自然なものから入ってきます。普通に生活していて体内に入るダイオキシンの推定量は、1日平均体重1キログラム当たり0.52〜3.53ピコグラムと計算されています。そのうち約98%が食物から体に入ると言われています。


発生源
 現在、日本全体のダイオキシンの年間総発生量は、5,140〜5,300グラムと推定されています。
 そのうちの約80%が一般廃棄物焼却場(都市のごみ焼却場)から発生していると言われていますが、そのほかにも産業廃棄物焼却場や金属精錬工(スクラップ鉄を原料としている工場)などが発生源として挙げられています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 日本におけるダイオキシン発生源(グラム/年)


規制
 都市のごみ焼却場や大型の産業廃棄物焼却場は、法律でダイオキシンの排出に関する基準が決められました。これに基づいてダイオキシンが規制されれば、都市のごみ焼却施設からの排出量は大幅に削減されると推定されます。
 しかし、基準が決められていない工場や事業所、家庭の小型焼却炉や野焼きの燃焼温度は低く不完全燃焼する場合が多いので、ビニールやプラスチック製品を燃やすとダイオキシンが発生する可能性が高くなります。


発生を防ぐ
家庭で
 物をすぐに捨てず、リサイクルを心がける、買い物袋を持参し、過剰な包装を断るなど、ごみを減量することについて私たちにできることはたくさんあります。
 また家庭では、さまぎまな素材の物が使われています。ダイオキシンの発生しやすいビニールやプラスチック製品は、必ず市の燃えるごみの日に出してください。市の焼却施設は焼却温度が高温のため、ダイオキシンの発生量が国の基準を下回っています。
工場、事業所で
 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が改正され、小型焼却炉などに対する規制が強化されました。
◎燃やす能力が一時間当たり200キログラム以上または燃やす面積が2平方メートル以上など、一定規模以上のごみ焼却施設は設置許可が必要です。
◎産業廃棄物の露天焼却は禁止されています。ビニール、ゴム、プラスチック、廃油などの産業廃棄物をドラム缶などで焼却してはいけません。
◎紙くずにビニールやプラスチックがまじったごみを焼却炉で焼却する場合も、燃焼方法と設備の構造が決められています。
燃焼方法
・煙突から焼却灰や未燃物を飛び散らせない
・煙突の先端から炎や黒煙を出さない
・煙突の先端以外から煙を出さない
設備の構造
・燃焼に必要な空気の通風があるもの
・空気の取り入れ口、煙突の先端以外は外気に触れないで廃棄物を焼却できるもの
 なお、処理基準に違反した場合は都道府県知事の改善命令の対象となり、この命令に従わないと罰則として、1年以下の懲役または300万円以下の罰金が設けられています。今使用している焼却炉をもう一度点険してください。

黒い煙や炎が出ていませんか?
煙突以外から煙などが漏れていませんか?
少しずつ燃やしましょう
適度な空気の通風はありますか?


ダイオキシンの発生防止に御協力を
公害課 井出好昭 課長
- 写真あり -
 法律で規制される焼却炉から発生するダイオキシンの量は、今後、確実に減少することが予想されます。しかし、最近、公害課へ寄せられる苦情や問い合わせの中に、野焼きや小型焼却炉から発生する煙やにおいに加え、ダイオキシンが心配だという声が聞かれます。
 ダイオキシンは発生の状況がわかりにくく、また、野焼きや小型焼却炉では測定が非常に難しいので、現実的に発生量の把握は困難です。そこで大切なのは塩化ビニールやプラスチック製品など、燃やすとダイオキシンが発生する恐れのある物を、家庭や事業所の小型焼却炉などで燃やさないことです。
 体に害のある恐ろしいダイオキシンの発生を少しでも減らすため、ごみの分別や焼却方法について皆さんの御理解と御協力をお願いします。

ダイオキシンについての問い合わせは公害課(4月1日から環境保全課へ名称変更)へ 内線2074
家庭ごみについての問い合わせは環境衛生課へ 内線2053
産業廃棄物についての問い合わせは富士保健所環境衛生課へ 電話65-2153
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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