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【広報ふじ平成10年】特集 大丈夫ですか、あなたの骨

人間は、生まれてから20歳ごろまでの成長期に生涯の骨格ができ上がり、その後も骨は常に新陳代謝を繰り返し私たちの体を支えています。また、骨は体を支えるだけでなく赤血球や白血球をつくったり、カルシウムを蓄えたりする役目もあります。しかし、偏った食生活や運動不足などが原因で骨の代謝のバランスが崩れて骨が弱くなっている人がふえています。特に、高齢化とともによく耳にするようになった骨粗鬆症(こつそしょうしょう)。骨粗鬆症のお年寄りが、転んで骨折し寝たきりになるケースもあるとか。今回は、保健女性センターで行っている「骨密度測定」と「骨の健康づくり教室」を紹介しながら骨について特集します。

骨粗鬆症はどんな病気
 最近運動不足で肩や腰、背中が痛くなる、関節痛があるなど骨に関係のある痛みが出てきた人は要注意。今まで支えていてくれた骨がカルシウムの不足により悲鳴を上げているかもしれません。このままでは、不本意な生活を強いられる骨粗鬆症になる可能性があります。この骨粗鬆症とはどんな状態を言うのでしょうか。
 骨は常に新陳代謝を繰り返し、生まれ変わっています。しかし、カルシウムの摂取量が減ったり、老化などで新しい骨をつくる機能が衰えたりすると骨の量が減少してしまいます。この状態が進み骨がスカスカになる状態を骨粗鬆症と言います。骨粗鬆症になると、背が低くなったり、背中が丸くなったり、軽く転んだだけで骨折したりして正常な生活ができなくなってしまいます。
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( 写真説明 ) 骨密度をあらわす骨の断面 正常な骨 骨粗鬆症


骨の老化は本人が気づかないうちに進んでいます
 骨は成長期に正しい食生活をしてたくさん運動をするといい骨になり、生涯を通じて骨の貯金ができます。骨の栄養素はだれでも知っているカルシウム。成長期の中学・高校生などは1日に900ミリグラム、成人でも600ミリグラムのカルシウムが必要です。カルシウムが不足すると、消耗と吸収のバランスが崩れ、骨は本人が気づかないうちに弱くなり、いずれは骨粗鬆症になってしまいます。若いころからあまり運動をしない人や、腰や背中に痛みを感じるなどの自覚症状がある人は骨の老化が進んでいるかもしれません。


骨粗鬆症を予防するには
●カルシウムを意識した食事を
 現在の日本人の食生活で不足している栄養素はカルシウム。しかし、カルシウムは特別な食材に含まれている栄養素ではありません。牛乳やチーズなどの乳製品、小松菜などの緑黄色野菜、海草や大豆製品にも含まれています。これらのカルシウムを多く含む食材を毎日の献立に多く取り入れてください。
 また、カルシウムは吸収しにくい栄養素ですので、吸収を促進するビタミンDや乳糖、たんぱく質が含まれる食材も同時に調理し、バランスのいい食生活に心がけましょう。
●毎日の運動が丈夫な骨をつくります
 人間の体は、運動をすることで筋肉が太くなり大きな力が出せることは、だれもが知っています。しかし、運動することで骨のカルシウムの量がふえ、骨が丈夫になるということはあまり知られていないようです。骨は刺激を与えることによってカルシウムを吸収し太く強くなります。毎日運動しているお年寄りの中には20歳代・30歳代の人よりも強い骨を持っている人がいます。骨は努力次第で成長するもの。食生活の再点検と同時に、毎日運動する習慣を身につけることが骨を丈夫にする条件です。骨の弱った人は、いたわりながら散歩などの軽い運動から始めてみましょう。
●日光浴を心がけましょう
 カルシウムの吸収を促進するビタミンDは、魚や肉などに含まれています。しかし私たちの皮下脂肪にもビタミンDのもとがたくさん含まれているんです。このもとは、日光を浴びることで活性化されて、ビタミンDとなり体の中に吸収されるのです。散歩や買い物、屋外での運動など積極的に外へ出るよう心がけましょう。

骨粗鬆症予防の3原則
 毎日の運動 日光浴 バランスのよい食事


まずは自分の骨の状態を骨密度測定装置で計測してみましょう
 年齢とともに骨の量は減っていきますが、毎日の生活のあり方で減るカーブを緩くすることが可能です。まずは、自分の骨をよく知ること。骨密度測定を行ってこれからの目標を考えましょう。測定には性別や年齢に応じた骨密度に相当する指標「ステフネス値」が健康診査マニュアルで定められており、これを基準にA.B.C1.C2段階に分かれています。Aは正常、Bは骨密度が少し少ない、C1は少ない、C2は自覚症状もある人です。あなたは一体どの値でしょうか。
 保健女性センターでは、予約制で皆さんの骨密度を測定し、測定値に応じた指導を、保健婦が行っています。
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( 写真説明 ) 超音波骨密度測定


超音波骨密度測定器による骨の健康チェック希望者を随時受け付けています
 とき 毎週月曜日〜金曜日(1人約20分)
 ところ 保健女性センター 1階 骨の健康相談室
 対象 市内在住の30歳以上(骨に不安がある人は20歳代も可)
 内容 超音波による骨密度測定と保健婦による健康相談
 申し込み 電話で保健女性センターへ予約してください
      保健女性センター成人保健係 電話64-8993
★測定値が低い人には「骨の健康づくり教室」への参加をお勧めします。
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( 写真説明 ) 測定値に応じた個別相談


骨密度測定を経験し、その後「骨の健康づくり教室」に参加した高井さん御夫妻に感想を伺いました。
高井 仲(なかば)さん(右) 和子さん(左) (宮島)
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(仲さん)
 最近、私のひざが痛くなってきたり、妻の腰痛があったりと自分たちの骨の具合について心配だったこともあって骨密度を測定することにしました。測定結果は予想はしていましたが、がっかりする結果でした。その後、保健女性センターから「骨の健康づくり教室」のお誘いがあり、妻と相談して夫婦で参加しました。骨の老化は自分が気づかないうちに進んでいることや、食事のこと、運動のことなど知らなかったことがたくさんあって、もっと早くに勉強すればよかったと思いますね。それでもこれを機会に、食生活や日ごろの運動を意識的に改善でき、前よりも体が軽くなりました。骨は、短期間ではなかなか効果が出ないと言うことですので、とりあえず、1年間頑張ってまた骨密度を測ってみたいと思います。
(和子さん)
 日ごろの生活で食事についても、運動についても結構気をつけていたのに測定結果を見ててとても驚いてしまいました。その後「骨の健康づくり教室」の話があり、これからどうすればよいのかという思いや半ば興味もありましたので参加することにしました。整形外科の先生や、栄養士さんなどから自分の体のことや食事のことを教わってみるといろいろ日常で間違ったことをしていたことがわかりました。それと、運動は教わったとおりにやってみると意外と成果があるんですよ。骨密度の測定値は短期間ではあまり上がらないと言うことですが、私は2か月で少しですが上昇しました。最近は浜の堤防の階段を楽に上がり下がりできるようになりました。正しい運動をやるということは、これからの結果に期待が持てますし長続きができると思います。


骨の健康づくり教室
 骨の健康づくり教室は、骨密度測定値が低かった人を対象に開催しています。
 教室では、整形外科医や栄養士、運動指導員が骨粗鬆症予防や食生活、日ごろの運動についてわかりやすく説明しますので、気軽に学ぶことができます。
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( 写真説明 ) 運動指導員が軽いダンベルやゴムチューブを使って、簡単にできる骨の健康づくりのための運動を行います
( 写真説明 ) 整形外科医による骨粗鬆症予防講座。骨の働きや日ごろの注意事項などをわかりやすく説明してくれます
( 写真説明 ) 試食を交えながらの栄養士による「カルシウムをとるポイント」講座


骨の健康相談室をぜひ御利用ください
保健女性センター 小林いずみ 保健婦
- 写真あり -
 超音波骨密度測定は、自分の骨の状態を数字で知ることができ、とても安全で気軽にできる測定です。昨年の5月に導入してから、2,000人以上の人に利用していただきました。骨密度の低下は、自覚症状がありません。定期的な骨密度測定と今後の改善策を計画的に行うことが肝心です。
 骨の健康相談室では、皆さんの骨密度の測定値をもとに栄養のバランスや運動習慣などの個別相談を行い骨粗鬆症を予防し明るい生活を送っていただくためのお手伝いをしています。
 体を旧漢字では「體」と書きます。骨が豊かであることが健康な体という意味です。長寿社会を健康で過ごすためにも30歳を過ぎたら毎年、骨の健康チェックを行うことをお勧めします。

問い合わせ 保健女性センター成人保健係 電話64-8993
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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