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【広報ふじ平成9年】富士の民話あれこれ

本市場のかさ守稲荷
 本市場の法源寺の東側に、「かさ守(もり)稲荷さん」と呼ばれる神社があります。皮膚病やいぼに困っている人がお祈りし、白い石を借りていき病気の部分をなでると治ると言われています。
 江戸時代にさかのぼる「かさ守稲荷」の由来を紹介します。
 
 今から300年前のことです。一人の武士が米之宮神社参道で大変な熱とはれものの痛みに倒れていました。村人たちは手厚く看護しましたが、病気は重くなるばかりでした。
 ある日、武士は苦しそうにこう話しました。「私は数か月前からこの病気にかかり、江戸の笠森(かさもり)稲荷におすがりするために西国からやってきたのです。昨晩の夢に女神があらわれて『笠森稲荷に一心に祈り、白い石を敷きつめた上で寝起きすれば熱は石が吸い取って全快するであろう』とお告げがありました」
 村人は早速白い石をたくさん集め、その上に武士を寝かせました。すると病気は日一日とよくなりました。数日後、すっかりよくなった武士は笠森稲荷にお礼をするために、江戸へ旅立っていきました。
 その後、武士は再び本市場に立ち寄り、村人に感謝し、江戸の笠森稲荷から分けてもらった御神体を渡して西国へ帰っていったということです。
- 写真あり -
( 写真説明 ) かさ守稲荷さんには、今も白い石がたくさん置いてあります


かさ守稲荷さんの近くに住む  宮川 清さん(本市場)
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 江戸の笠森稲荷は、徳川家康のはれものを治したといわれており、この武士はそれにあやかろうとしたようです。はれものを治すことから、「笠森」の笠が瘡(かさ)ぶたのかさに変わり「かさ守」になったものです。
 だれからともなく、この白い石で皮膚病の治癒を祈るようになり、治ったらその石をよく洗い、白い石をもう一つ加えて返すようになったそうです。昭和の初めごろまではよく見られたようですね。
 また、武士が全快したお祝いにお赤飯を炊いたので、今でも2月の二の午(うま)の日には、かさ守稲荷さんを奉り、お赤飯を配ります。
 さらに白い石は、学業成績向上や合格祈願にも使われるようになりました。私は子供のころ富士市から離れて生活していましたが、祖母がこの白い石を送ってくれたのをよく覚えています。
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