富士市貯蔵ミカン品評会で金賞第1席、県の品評会で第3席を受賞した
佐野宏一郎さん (岩本)
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ミカンづくりに力を注ぐ富士市内のミカン生産農家が出品して行われた「第4回貯蔵ミカン品評会」(市農協主催)で、金賞第1席を受賞した佐野さんは、ミカン農家の4代目。大学の農学部で農業知識と技術を習得して帰郷、ミカンのほか、お茶やカキなども栽培している専業農家の後継者に…。3年前にも金賞第1席を受賞し今回で2度目、高品質の貯蔵ミカンを生産する第一人者となりました。
また、その後に行われた県の品評会では、第3席を受賞。佐野さんは、全国に誇るミカン生産県の品評会において、三ヶ日を初めとする県内の他地域を相手に高い評価を得たことを喜びます。
「かなり多くの人が、富士市のミカン(青島ミカン)は酸っぱい、と感じているようです。私は、何とかそのイメージをぬぐい去りたい、と考え、5年前から『マルチ栽培』を導入しました。
『マルチ栽培』とは、簡単に言うと、土の上に白い特殊シートをかぶせる栽培方法のこと。光の反射率が高いため、ミカン全体に日光が当たり、病害虫の被害も減少します。また、空気や水蒸気は通しても水を通さないので、ミカンの水分を調節することができるんです。この地域の土は保水性がよすぎるので、ミカンの水分が多くなり、糖度が落ちてしまいます。
青島ミカンは、もともと十分糖度が高いのですが、酸度も高いため、あまり評価されませんでした。しかし、栽培方法によっては、甘くておいしいミカンをつくることができます。これからは、もっと作業効率を高める努力をして、『打倒、三ヶ日ミカン』を目標に頑張っていきたいですね」
力強く語る佐野さんのひとみの奥に、ミカンへの深い愛情が感じられました。