富士市は全国有数の製紙のまち。しかし、残念ながら昭和40年代は、公害のまちとして全国に知られていました。
その後、市は、公害対策に力を注ぎ、各企業も環境への影響を配慮しながら事業に取り組み、現在までの発展を遂げてきました。
このような背景のもと、天間に本社を構える家庭紙メーカーの丸富製紙が、このほど「環境ISO」とも呼べる国際規格「ISO14001」の認証を取得しました。
環境ISOを取得 丸富製紙
「ISO14001」は、※国際標準化機構(ISO)の環境管理・監査についての国際規格で、丸富製紙の認証取得は、国内の製紙業界初の快挙。環境に配慮した製造技術のもと、牛乳パックと上質系古紙を有効利用し、すぐれた再生紙の家庭紙を生産している企業姿勢が認められました。
*スイスのジュネーブに本部があり、工業製品などの規格を制定している
同社は、「環境への影響を配慮した製造技術の確立」「資源とエネルギーの有効利用」「工場廃棄物の100%再資源化」などを基本方針に掲げ、再生紙の原料として早くから牛乳パックに着目しました。そして、各種団体や小中学校などの協力のもと、リサイクルシステムを確立する一方、パックの内側に使われているポリエチレンの焼却熱をボイラーに使うなどの取り組みを行ってきました。
佐野廣彦(ひろひこ)社長は、「再生紙には、森林資源の保護や省エネルギー(バージンパルプの3分の1)、ごみの減量などのメリットがあります。トイレロールやティッシュペーパーなどは、二度と使わない紙ですので、再生紙の利用拡大は、環境への大きな配慮でもあります。品質向上などの企業努力はもちろんのこと、消費者の皆さんの環境に対する意識の高まりにも期待したいですね。そのためにも、工場の見学は大歓迎です。皆さんに私たちの工場を見てもらいたいと思います」と話してくれました。
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( 写真説明 ) 牛乳パックのポリエチレンフィルムをすべて熱エネルギーに変える廃ポリ焼却炉熱回収設備。国内唯一の設備です。
( 写真説明 ) PS焼却灰は100%有効利用。すべて売却し、溶融金属保温材になります。