富士市立博物館は、昭和56年にオープン。富士市の歴史や文化、中心産業である紙などについての展示が常設されています。
また、毎回テーマと趣向を凝らした企画展を初め、郷土の作家展や富士山写真展なども充実しており、昨年の6月には、入館者50万人を突破しました。
さあ、ことしの冬は、博物館であなたの心と知性を温めてみませんか。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図
曽我物語図会(ずえ)
作者・・・歌川広重
制作年・・・天保後期
内容・・・建久4年(1193)に起き、広く世に知られる曽我十郎・五郎兄弟のあだ討ち物語。十郎・五郎の生い立ちから、見事、父の敵である工藤祐経(すけつね)を討ち果たし、本懐を遂げるまでを描いた、全30枚に及ぶ浮世絵。「東海道五十三次」で知られる歌川広重の作品。
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布袋(ほてい)図
作者・・・白隠禅師(はくいんぜんじ)
制作年・・・不詳
内容・・・掛け軸。
1685年、原(沼津市)に生まれ、日本全国を行脚(あんぎゃ)しながら数々の書、山水画などを残した白隠禅師。
この作品は、七福神の一人として知られ、弥勒菩薩(みろくぼさつ)の化身とも呼ばれている「布袋」の円満の相を描いた掛け軸。
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紙の旅(原稿)
作者・・・後藤清吉郎
制作年・・・不詳
内容・・・型染(かたぞめ)。
「紙の旅」とは、和紙をすく工程を型染でつづった本で、今回展示されるのは、その本の原稿。原稿の図案も、和紙に型染でつくられている。
作者の後藤清吉郎は、「富士の型染」の基礎を築き上げた人であり、*「金唐(きんから)和紙」の復元に精力を注いだことでも知られている。
*なめし革のかわりに和紙を使い、漆を塗るなどして仕上げた擬革紙。
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秋景(しゅうけい)山水図
作者・・・鈴木香峰(こうほう)
制作年・・・正確には不詳。幕末から明治前期と思われる
内容・・・掛け軸。
ほぼ正方形の画面の中に、深山と水面をバランスよく配している。淡く置かれた朱や藍(あい)色が美しく、画面左右や中景の樹木に置かれた濃い黄と朱色は、画面を引き締めている。作者の鈴木香峰は、吉原宿の出身で、吉原駅駅長を30余年勤めた。引退後は画道に専念し、水墨画に彩色を施した山水画で名声を博した。
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東海道中栗毛弥次馬
作者・・・鈍亭魯文(どんていろぶん)
制作年・・・安政2年(1855)
内容・・・「弥次郎兵衛」と「喜多八」の二人が、江戸の日本橋から京都までを旅する珍道中の物語。木版画による短編で、十返舎一九が書いた有名な「東海道中膝(ひざ)栗毛」のパロディー版と思われる。
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寺社参詣(さんけい)図屏風(びょうぶ)
作者・・・不詳
制作年・・・不詳
内容・・・民家の屋根がカヤぶきでふっくらとしていることや、山並みの起伏のあるかき方など、江戸末期の特徴をあらわしている。人物は奈良絵本的な素朴な描写で、左図には、伊勢神宮や二見ヶ浦(ふたみがうら)、右図の海のそばには岸和田城と思われる城があり、いろいろな風景の寄せ集めが描かれている。
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館蔵品展 2月1日(土曜日)〜3月9日(日曜日)
曽我物語図会(ずえ)、布袋(ほてい)図、「紙の旅」の原稿、秋景(しゅうけい)山水図など、博物館が所蔵する名品の数々を展示します。
第10回 郷土の作家展 漆畑勇司彫刻展 1月11日(土曜日)〜26日(日曜日)
自然界の木や土を素材に、孤高な存在感を放つ彫刻。富士市出身の彫刻家、漆畑勇司さんが制作したすばらしい彫刻作品を展示します。
問い合わせ 市立博物館 電話21-3380