年金は、皆さんの生活を支える大事な資金。そして、「基礎年金番号」は、その年金受給権を守る大切なかぎなのです。
「基礎年金番号」は、自営業者や20歳以上の学生などが加入している国民年金、民間サラリーマンを対象とする厚生年金保険、公務員を対象とする共済組合などの各公的年金制度に共通し、それらの制度に加入している人や年金受給権者が共通して使用する年金番号です。
「基礎年金番号」は平成9年1月から導入されます。これにより、既に年金を受給している人(年金受給権者)が持っている年金証書に書かれている記号番号が変わります。(図1参照)
また、現在、国民年金や厚生年金保険に加入している人は、その加入制度の年金手帳の記号番号がそのまま「基礎年金番号」になり、共済組合に加入している人には、新しい番号がつけられます。(図2参照)
- 図表あり -
( 図表説明 ) 図1 (既に年金を受給している人の場合)
( 図表説明 ) 基礎年金番号は、年金受給者になっても使用することから、年金証書にも基礎年金番号を記載します。
( 図表説明 ) 図2 基礎年金番号のつけ方
手続不要
*公的年金に加入している人及び年金を受給している人が対象になりますが、特別な手続は不要です。また、年金の支払方法や受給額に変更はありません。
基礎年金番号Q&A
Q.基礎年金番号って何?
A.今、持っている年金番号が一体化されたものです。
現在、年金に加入している人なら、だれでも自分の年金番号を持っています。年金手帳を開くと国民年金や厚生年金保険の記号番号を記入する欄があります。これがあなたの年金番号です。この番号をもとに、年金の加入期間や保険料の納付記録が管理されています。
基礎年金番号は、国民年金、厚生年金保険、各共済組合などの制度ごとにつけられている現在の番号を、共通の番号体系に整理したものです。
たとえ加入する年金制度が変わっても、年金番号をいくつも持つ必要がなくなり、一つの年金番号のもとで、加入から受給までの手続を行えるようになります。
Q.どうして基礎年金番号が必要なの?
A.年金加入の記録を確実につなげるためです
年金制度は、何十年という長い期間にわたって加入記録や保険料納付の記録を保管し、一人一人に間違いなく年金を支払わなくてはなりません。そのため、膨大な数の加入者や受給者のデータを正確に把握するために年金番号をつけています。
ところが現在、国民年金、厚生年金保険、各共済組合などは、それぞれの制度で加入者の記録を管理しています。加入制度が変わると新たな番号がつき、一人で複数の年金番号を持つケースも少なくありません。
そこで、公的年金の全加入期間を通じ、同一の番号で記録の整理を行い、将来の年金を確実にすることが必要となるのです。
Q.基礎年金番号はどのように通知されるの?
A.通知書または新しい証書を送付します
基礎年金番号は、次の方法でことしの12月から順次お知らせします。
1.現在、年金に加入している人には「基礎年金番号通知書」でお知らせします。
2.年金を受給している人には、基礎年金番号を記載した「新しい年金証書」を送付します。今までの年金証書とともに大切に保管してください。
*平成9年1月以降、初めて年金制度に加入する人は、加入したときに基礎年金番号を持つことになります。
基礎年金番号のメリット
年金相談や年金の裁定がより早く、より的確に!!
国民年金や厚生年金保険などの各年金制度を通じた一人一人の加入記録を把握できるようになりますので、加入者が過去の加入歴を忘れてしまっても、基礎年金番号さえわかれば、より早く、より的確に年金相談に応ずることができます。
また、年金受給権の裁定もよりスムーズに行えます。
届け出が簡素化されサービスが充実!!
年金制度は、結婚や転職・退職など、人生の節目節目に届け出が必要になります。しかし、基礎年金番号の導入により、将来的にはさまざまな届け出が簡素化されます。
さらに、年金の記録が整理されることによって、事前に加入期間や年金見込み額をお知らせするサービスなどを充実させることができます。
うっかり届け出を忘れても大丈夫!!
今までは、退職などによって国民年金の被保険者になるはずの人が、ついうっかり届け出を忘れてしまったことにより、年金の受給額が少なくなってしまったり、年金がもらえなくなったりすることがありました。
基礎年金番号が導入されれば、届け出を忘れてしまった人などに対して個別にお知らせすることができます。
年金の返納などのトラブルを防止!!
遺族厚生年金と老齢基礎年金など、複数の年金受給権が発生した場合、手続がわからず届け出がおくれ、年金の過払いが生ずることがあります。
基礎年金番号の導入により、異なる年金制度の受給権も把握できるため、年金間の調整が徹底され、年金の過払いによる返納金の発生など、年金受給者のトラブルを未然に防ぐことができます。
問い合わせ
・国民年金課 内線2346
・社会保険事務所 61-1900