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【広報ふじ平成8年】富士の民話あれこれ

銀杏(いちょう)地蔵
 富士岡に乳房が垂れたような大イチョウがあります。その前に地蔵堂が建っており、このお地蔵さんは「銀杏(いちょう)地蔵」と呼ばれています。イチョウの木は、樹齢600年以上といわれ、静岡県の天然記念物にも指定されているほどの大木です。
 今回は、毎年7月23日に縁日を行っている銀杏地蔵のお話です。

 昔、赤渕川に山津波があって、一軒の民家が矢のように流されてきました。ところが、不思議なことに、富士岡の大イチョウのところまで来ると、民家は枝にからまり、ピタリとまりました。そして、流れてきた民家の屋根の上には、乳飲み子を抱えた母親がしがみついていたのです。
 近所の人々が駆けつけて助け出しましたが、その一件以来、母親の乳房からは一滴の乳も出なくなってしまいました。そのため、子供は火がついたように泣き、母親はただ途方に暮れるだけでした。
 そのとき、母親はイチョウの木の言い伝えを思い出しました。そして、言い伝えが本当であってくれるように祈りながら、イチョウの木の乳房に針を刺してみました。するとどうでしょう、その晩から流れるように母親の乳が出るようになったのです。
 やがて、その子供は成人し、子育てイチョウのご神体として、石のお地蔵さんをイチョウの木の根本に祭りました。


吉永地区の郷土史に詳しい 荻野武彦さん(富士岡)
- 写真あり -
 このイチョウの木の乳房のようなものを、このあたりの人は「おっぱい」と呼んでいます。正しくは、「乳状下垂」といい、成長したイチョウの木などには、よく見られるそうです。でも、これほど大きなものは、珍しいのではないでしょうか。
 昔は、母乳が出ないということは、赤ん坊にとって命取りになるほどの大事なことでした。そんなことから、今でも針を刺せば白い液が出てくる、このありがたいイチョウの木を祭ったのでしょう。
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