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【広報ふじ平成8年】特集 阪神・淡路大震災を教訓に!突然の地震に備えて

富士市地域防災計画を見直し

皆さん、忘れてはいませんか。平成7年1月17日に起きた阪神・淡路大震災の悲劇を…。
富士市では、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、「富士市地域防災計画」の見直しを行いました。今回はその内容をお知らせします。
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( 写真説明 ) 戦後最大の地震災害となった阪神・淡路大震災のつめ跡は今もなお…

 昭和55年に作成された「富士市地域防災計画(東海地震対策編)」は、東海地震が予知されることを前提に定められています。しかし、阪神・淡路大震災の教訓を生かして、東海地震が突然発生した場合の対策を重視することが必要になりました。そこで、平成7年4月に発足した「富士市地域防災計画見直し検討委員会」と、7月に市議会に設置された「地震防災対策特別委員会」で、計画の見直しを検討してきました。

 見直しの方向としては、
1.災害発生時の初動態勢の確立
2.迅速な救出・救助・消火対策の確立
3.秩序だったきめ細かな被災者対策の確立
4.地震災害に強いまちづくり
を柱にしました。そして、静岡県が平成7年5月に策定した「地震対策300日アクションプログラム」の総点検30項目に沿って、富士市における東海地震対策について総点検を行いました。

 また、検討された見直し事項については、
1.直ちに実施すべき事項については、即実施する
2.市民の意識啓発など、ソフト対策で急を要するものについては早急に対応する
3.年度別計画を立てて実施すべき事項については、おおむね平成11年度を目標に整備を完了する
4.市民や自主防災組織などにおいても、自主的に対策を講ずるよう啓発する
ということに注意を払いました。
 それでは、30項目の見直し検討事項の中から、今回新しく盛り込まれた内容を主にお知らせします。

★初動態勢の確立
 市職員の迅速な参集体制を確立するとともに、緊急警報放送受信機(ラジオ型)を全公共施設150か所に配備します。

★被害状況の把握と初期情報の収集伝達
 市災害対策本部における情報通信体制と機器の整備を推進します。
・*同時通報用無線戸別受信機を全自主防災会会長宅と事業所に設置
・地域防災無線の新規導入
 また、個人が使用できるアマチュア無線などの積極的な活用を図ります。
・富士市アマチュア無線非常通信協力会(案)の設立

★津波避難対策
 *気象衛星ひまわりから受信する地震・津波等緊急警報受信装置を導入します。

★救出救助対策
 地域における相互扶助による救出活動についての意識を啓発するとともに、自主防災組織への救出用資機材を配備します。
・*自主防災会へバール、つるはし、大ハンマーを配備
・市災害対策本部へジャッキ、防災用エアーテントなどを配備
・*消防本部へファイバースコープ、赤外線熱画像カメラなどを配備
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( 写真説明 ) 自主防災会へ配備されたバール、つるはし、大ハンマー

★災害時の広報と生活情報の提供
 災害時のラジオ放送やケーブルテレビなど、地域に存在する広報メディアの活用を図ります。
・市庁舎、消防庁舎、公民館などへのケーブルテレビの引き込み
・ケーブルテレビ番組への割り込み放送装置の整備

★緊急物資対策
 被災者に対する対応が迅速に図られるよう、避難所となっている学校施設の余剰教室などに、食糧、毛布などの備蓄品や資機材を確保します。
 また、住民用備蓄食糧、避難所用更衣室、防災用毛布を整備します。
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( 写真説明 ) 伝法の防災倉庫には、防災資機材や紙おむつ、粉ミルクなどの災害弱者向けの生活用品を備蓄してあります

★し尿・ごみ対策
 一般用・小便用・身障者用の仮設トイレを備蓄します。

★災害弱者対策
 避難生活を支援するため、災害弱者向けの食糧や生活用品の備蓄を促進します。
・*要介護高齢者・身体障害者・ゼロ歳児対策として、紙おむつや粉ミルクなどを備蓄
・仮設住宅や市営住宅への障害者の優先入居を促進

★災害ボランティア支援対策
 適切な情報と活動拠点施設や必要な資機材を提供し、ボランティア団体などとの連携、協力関係をつくります。
 また、ボランティア団体などとの連絡調整窓口を設置し、情報交換や協議などを行い、各部署間の調整をします。

★市民の意識啓発
 *啓発パンフレット「富士市民の防災対策マニュアル」を全戸配布します。
*は、すべて平成7年度に整備完了したもの
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( 写真説明 ) 「富士市民の防災対策マニュアル」平成7年11月に全戸配布されました

 これらの見直し検討事項を反映させた「富士市地域防災計画」の修正案は、去る5月24日に行われた富士市防災会議で承認されました。今後、この計画に基づき防災対策を行っていきます。


柳島区自主防災会をリポート!

柳島区自主防災会会長 戸田耕作さん
柳島区自主防災会役員 村瀬長生(ながお)さん
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自分たちの地区は自分たちの手で守る

月2回は訓練を実施
 私たち柳島区では、昭和53年に市から小型消防ポンプを貸与されたのをきっかけに、自主防災会を設立しました。
 設立以来、毎月第1、第3水曜日に消火隊の訓練を行ってきました。訓練では、小型消防ポンプや消火栓、消火器などの機材の点検を行っています。
 また、9月1日の総合防災訓練と12月1日の地域防災訓練では、地区の皆さんに参加していただいて、避難訓練や消火訓練を行っています。去年の防災訓練では、阪神・淡路大震災の教訓で新しく購入した、浄水機を使っての訓練も行いました。

課題はマンネリの打破
 今後の課題は、地区の皆さんに危機意識を常に持っていただくよう、意識啓発をしていくということ。訓練のマンネリによる意識低下が一番怖いですからね。また、住民のほとんどが勤め人なので、実際に災害が起きたときの人員の確保をどうするかということです。

地区独自の防災対策を
 今度の地域防災計画の見直しでは、自主防災会の役割が重視されています。「自分たちの地区は自分たちの手で守る」という気持ちで体制を整えていかなくてはいけません。そのためには、地区の皆さんに協力していただきながら、柳島区独自のやり方で防災対策をしていくことが大切だと思います。
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( 写真説明 ) 戸田さん宅の戸別受信機

防災計画についての問い合わせ 防災対策課 内線2776


防災計画の見直し
防災対策用救助資機材が皆さんの命を守ります

 富士市消防本部では、以前から防災対策用救助資機材を整備してきました。そして、今回の地域防災計画の見直しで、平成七年度に新たに検索用のファイバースコープと赤外線熱画像カメラの2点を購入しました。
 災害が起きたとき、皆さんの命を守る大切な救助資機材。消防本部が保有している資機材の中から、新しく購入した2点のほか主なものを紹介します。
*写真は、去る5月24日、28日に行われた富士市防災会議委員と町内会(区)長の皆さんへの展示披露から

1.ファイバースコープ
検索機器。建物が倒壊し、人が閉じ込められたときなど、その建物の中の様子をテレビ画面に映し出します。狭い場所でも検索ができます。
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2.赤外線熱画像カメラ
検索機器。暗い場所や煙が立ち込めている場所などでも、温度差を利用して中の様子をテレビ画面に映し出します。
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3.大型油圧救助器具
スーパーカッター
救助切断器具。車両などに閉じ込められた人を救助するときに威力を発揮します。
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スプレッダー
重量物排除器具。建物や車両などのドアをこじあけたりするときに使用します。
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4.マット型空気ジャッキ
重量物排除器具。車両などの下敷きになった人を救助するときに使用。空気圧によって重量物を浮かせます。
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5.放射能防護服(左)と化学防護服
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 これらのほか約50種類の救助資機材を積載した救助工作車を、中央消防署と西消防署に配備しています。救助工作車はさまざまな災害現場に駆けつけ、救助活動に活躍します。

救助資機材についての問い合わせ 消防本部警防課 内線3341
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
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