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【広報ふじ平成8年】行政改革 市役所もリストラ

−小さな政府で大きなサービスを−

長引く不況の影響のため、「リストラ(リストラクチャリング=事業の再構築)」という言葉をよく耳にします。市でも、市役所を取り巻く行財政環境がとても厳しい状態となり、行政改革(いわばリストラ)を行うことが必要になってきました。そこで、市は、小さな政府で大きな市民サービスを行うため、行政改革を進める上でのおおもととなる「富士市行政改革大網」をまとめました。
今回は、この富士市行政改革大網のあらましを紹介します。

基本的な考え方
 「富士山をシンボルにみどりあふれる文化と産業のまち」を目指して進めている「ふじ21世紀プラン(第三次富士市総合計画)」。その後期基本計画が、平成8年度からスタートします。この計画に掲げている諸施策を円滑かつ効果的に行うためには、現在の自治体のあり方を広い視野から見直すことが必要です。そこで、次の2項目を基本姿勢とし、行政改革を進めていきます。
《基本姿勢》
1、簡素で効率的な行政システムの確立
2、時代の要請や市民のニーズに的確にこたえる行政の推進
 なお、この行政改革大綱は、市民サイドからの意見や要望を取り入れるため、市民の代表などで構成される富士市行政改革市民懇談会の提言に基づいてまとめました。


こんなことに取り組んでいきます

1、簡素で効率的な行政システムの確立
1.事務事業の合理化・効率化
  行政に対する市民からの需要の多様化に伴い肥大化した事務事業を、実効性などの視点から見直し、その合理化・効率化を図ります。
 ・事務事業のスクラップ・アンド・ビルド(廃止と新設)
 ・各種イベントの見直し
 ・事務処理の迅速化・簡素化 など
2.民間活力を生かした事務事業の推進
  広範にわたる事務事業を効果的に実施していくため、民間の技術や能力などを十分に活用し、次に掲げるものについて委託化を検討します。
 ・高度な特殊技術や専門知識を必要とする事務事業 ・公共施設の管理・運営業務
 ・その他の事務事業
3.組織・機構の見直し
  組織・機構の簡素化・合理化に配慮しながら、市民の多様なニーズや新たな行政課題に的確にこたえていくための組織・機構づくりを進めます。
 ・ふじ21世紀プラン後期基本計画を効果的に推進する組織・機構の整備
 ・保健・医療および福祉行政の連携の強化 など
4.職員定数の適正化
  事務量調査や職務分析を実施し、的確な定数管理を行います。また、新たな行政事務へは、職員配置の見直しにより対応します。
5.行政の情報化の推進
  行政事務の効率化や情報処理能力の改善などを図るため、行政の情報化を進めます。
 ・行政情報のシステム化の推進
 ・パソコンを活用したOA化の推進
6.行財政運営の効率化
  税の収納率を向上したり、国・県の制度などを有効に活用したりするなど、財源確保のシステムの確立に努めます。また、事務事業については、徹底した見直しを行います。
 ・補助金の整理統合
 ・使用料・手数料の適正化
 ・経費の節減 など

2、時代の要請や市民ニーズに的確にこたえる行政の推進
〔1〕市民の立場に立った行政サービスの展開
1.窓口サービスの強化・充実
  親切で迅速な窓口サービスを実施します。
  また、窓口の統合化や手続の簡素化を図り、情報通信技術の進歩や市民のライフスタイル(生活様式)の多様化に対応した市民サービスを展開します。
 ・窓口サービスの強化・充実
 ・窓口業務の時間延長の検討
 ・諸証明などの交付手続の見直し
- 写真あり -
( 写真説明 ) パソコンを活用してOA化を進めます
2.地域情報システムの整備
  市民参加による市民本位の行政を推進していくためには、行政情報を的確に市民に提供しなければなりません。
 そこで、広報広聴業務機能を一層充実していくとともに、新たなシステムのあり方についても検討し、地域情報システムの整備を図ります。
 ・ケーブルテレビ、コミュニティ放送などの活用
 ・インターネットの利用促進 など
3.公共施設の弾力的運営
  生涯学習やレクリエーションなどで利用する公共施設については、より利用しやすく、親しみやすい公共施設として、弾力的な運営を図ります。
 ・施設目的に合った諸機能の充実
 ・利用方法や利用時間の見直し

〔2〕時代に即応した行政の推進
1.地方分権への対応
  市民サービスの向上と、個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現するため、来るべき地方分権の時代に向けての受け皿づくりに努めます。
2.市民と行政の連携強化(市民参加)
  市民のニーズを的確にくみ取り、施策に反映していくため、市民と行政との新たな連携強化のあり方を幅広く検討しながら、市民と行政が一体となった住みよいまちづくりを目指します。
 ・まちづくり推進会議などの一層の充実
 ・各種審議会の委員構成などの見直し
 ・各種ボランティアや町内会などの住民組織など、行政への市民参加のあり方の検討 など
- 写真あり -
( 写真説明 ) まちづくり推進会議を一層充実します(吉永北地区菜の花の里まつりから)
3.公正でわかりやすい行政の推進
  公正で開かれた行政運営を進めるため、許認可などに要する標準処理期間や審査基準を明確にし、申請手続の簡素化や処理期間の短縮化を図ります。
4.危機管理への的確な対応
  大規模災害などの非常時において、市民の生命、身体、財産などを守るため、「阪神・淡路大震災」 の教訓を生かした危機管理体制の充実を図ります。
 ・災害発生時の初動態制の確立
 ・被災者対策の確立
 ・迅速な復旧体制の確立 など
5.公社などの組織の強化・充実
  公社などの管理運営については、組織の自立性を高め活性化を図るため、現状を点検するとともに、事業内容などの見直しを行います。
6.行政と市民の役割分担
  市民の行政に対する多様な需要にこたえていくため、市民が公益的活動へ参加できる体制やボランティアの受け入れ体制の整備を図ります。


取り組みに当たって

1.職員の基本姿勢
  すべての職員は、行政改革大綱の理念のもとに、積極的かつ効率的に職務に専念し、市民本位の質の高い行政を推進するよう努めます。また、施策の作成や執行に当たっては、「最少の経費で最大の効果」を管理運営の基本に置きます。
2.職員の能力開発と人材活用
  地方分権が進む中で、政策形成能力や行政需要の変化に即応できる創造性のある人材を育成します。また、他の自治体や民間企業との人事交流を行い、適切な人材の活用を図ります。
3.取り組み期間
  当面の取り組み期間を平成8年度から12年度までの5年間として実施します。
4.推進体制
  行政改革は、庁内に設置した富士市行政改革推進本部で実施計画を策定し、推進します。実施計画の内容は、富士市行政改革市民懇談会の意見などを反映させていきます。また、計画の実施に当たっては、定期的に市民懇談会に報告しながら意見交換を行い、必要に応じて実施状況を市議会や市民に公表していきます。

問い合わせ 企画課事務管理担当 内線2838
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