富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 平成08年 > 平成8年2月5日 657号 > 【広報ふじ平成8年】交番

【広報ふじ平成8年】交番

私たちの安全を守るまちのキーステーション

最近は犯罪が多様化し、一般市民が犯罪に巻き込まれることが、多くなっています。私たちは、「住民の安全確保」のあり方について、もう一度見つめ直す必要があるのではないでしょうか。
今回は、私たちのまちの安全を日夜守ってくれている「交番」について紹介します。

世界に誇るKOBAN=交番
 日本は、世界一治安がよいと言われています。その理由は、教育的水準の高さや国民性など、いろいろ考えられますが、やはり、交番・駐在所が果たす役割は無視できません。
 現在、全国には約1万5,000か所の交番・駐在所が設置されていて、全警察官の40%に当たる約9万人がそこに勤務しています。このように地域社会に配置された警察官と住民との信頼関係によって、世界に誇れる治安のよさを維持しているのです。
 地域住民と協力しながら犯罪を防止していく「交番」。このシステムは世界各国でも高く評価され、シンガポールやタイなど東南アジアのほか、アメリカ合衆国の一部でも採用され始めています。まさに「KOBAN」は、国際的な呼び名になっているのです。


住民の理解と協力が必要
 富士市には約200人の警察官がいます。これは、約1,100人の市民に対して、一人の警察官が配置されていることになります。
 しかし、最近の犯罪増加や犯罪の多様化などから、交番に対する住民ニーズも変化してきています。より一層のパトロール強化や交番に常駐する警察官の増員などが求められていますが、実際には警察官がふえない限り、簡単には対処できない問題のようです。
 そこで必要となるのが、住民の理解と協力なのです。例えば「交番相談員」や「地域安全推進員」などが挙げられます。
 交番相談員とは、市内に住む警察OBが平日の昼間、交番で道案内や落とし物の対応を行うもので、市内では、富士駅前交番と御幸町交番の2か所で活躍しています。
 また、地域安全推進員は、警察と情報交換をしながら、住民自身の防犯活動を進めています。市内では、自転車の盗難防止や通学路の危険箇所の点検、防犯灯必要箇所の調査など、140人の推進員が活動しています。


富士市の犯罪の特徴
 暴力団による犯罪の多さが、富士市の特徴と言えます。けん銃や麻薬・覚せい剤が、一般市民の手の届く距離まで近づいてきたのは、まさに暴力団のしわざなのです。
 暴力団に対しては、き然とした態度で対応することが大切です。暴力団の要求に屈して資金を提供したり、問題の解決に暴力団を利用したりしてはいけません。
 暴力団についての相談は、最寄りの交番でも応じています。住民の協力が、犯罪を未然に防ぎます。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 富士市の犯罪発生件数の推移
- 写真あり -
( 写真説明 ) 英語にもなったKOBAN。犯罪の多発に悩むアメリカ合衆国では、交番制度を参考に、住民と一体となった警察活動を目指しています。日本でも、地域の“生活安全センター”として、より地域に密着し、住民に愛される交番を目指しています。


広東(かんとん)語が話せるおまわりさん
富士駅南交番
阿部祐士(ゆうじ)巡査
- 写真あり -
 中国語の一つとして、中国南部や香港などで日ごろ話されている広東語を、阿部さんがマスターしようと思ったのは、警察官になってからのことでした。
 地域で生活する外国人がふえてきていることから、阿部さんは外国語を学ぶ必要性を感じていました。しかし、高校時代は英語が好きだった阿部さんが、さまざまな外国語の中から広東語を選んだ理由は、実は香港にあったのです。
 イギリス領の香港は、1997年に中国に返還されます。香港映画が好きな阿部さんは、以前から「返還される前の香港へ行ってみたい」と思っていたのです。
 警察官に対する研修制度は、とても充実しています。特に外国語は、最近、ニーズがふえていることから、さまざまな研修システムが用意されています。阿部さんは、東京や大阪の研修所で広東語を学んだ後、念願の香港で3か月間、実際の生活を通して広東語をマスターしてきました。
 広東語を話せる警察官は、県内に3人。富士市以外でも広東語圏の外国人に関係する事件が発生したときは、捜査などに協力することもあります。
 富士駅南交番の所轄管内には中小企業が多く、市内でも就労外国人の多い地区と言えます。交番で道を尋ねる中国人も含め、月に1、2回は広東語が役立っています。
 また、巡回で所轄管内の家庭を訪問したとき、広東語を話す中国人が住んでいて、生活相談に乗り、感謝されたこともありました。交番では、さまざまな住民のニーズにこたえながら、住民生活の安全を守らなくてはならないのです。
 高校時代、剣道部に在籍していた阿部さん。人一倍正義感の強い青年は、親しい先輩が警察官になったのを見て、その制服にあこがれるようになりました。
 そして、阿部さんは高校卒業後、警察官に。実習中に学校の部室荒らしを現行犯で逮補したこともありました。
 「交番の電話が鳴ると、ドキッとしますよ。
 警察官の仕事は、肉体的にも精神的にも大変です。だけど、毎日が変化に富んでいて、とてもやりがいのある仕事だと思っています」と胸を張って話してくれました。

密着レポート 交番の1日

1月のある日 御幸(みゆき)町交番におじゃましました。

 交番では、定期的な巡回や道案内などのほか、地域で発生したさまざまな事件に対応しなくてはなりません。
 御幸町交番は、昭和44年に新聞記者が犠牲となった殺人事件をきっかけとして、その現場近くに新設されました。吉原商店街の南側に位置するこの交番は、現在、市内では富士駅前交番に次いで、2番目に出動件数の多い交番となっています。
 御幸町交番の忙しい1日をちょっとのぞいてみましょう。

盗まれた自転車を発見!
1.「あのー、2か月前に盗まれた友達の自転車をゲームセンターの前で見つけたんですけど…」
- 写真あり -
( 写真説明 ) 釼持知特(けんもちとものり)巡査部長と小澤孝徳(たかのり)巡査長(写真右)
2.発見現場に急行し、自転車が本人のものであることを確認。しかし、残念ながら犯人を見つけることはできませんでした。
- 写真あり -
3.事件が解決した後の事務処理も大切な仕事です。 御幸町交番の管内で多い犯罪は、自転車の盗難、車上ねらい、出店荒らし(飲食店・商店主の不在中に店をねらわれる)など。また、カラオケや迷惑駐車などの苦情が多いのも特徴です。
- 写真あり -


交番とまちを結ぶ巡回連絡
巡回連絡とは、管内の住宅や事業所などを訪問し、世帯員や事業所の営業時間などを個別に調査することです。管内状況の把握は、犯罪の未然防止や緊急時の対応のためには欠かせない、大切な仕事です。

吉原商店街は、御幸町交番の管轄です。人が集まる所では、事件やトラブルも多く発生しがち。巡回中は、少しも気が抜けません。
- 写真あり -
警ら箱は管内の28か所に置いてあり、その中には、巡回中に管内の異状の有無をチェックする表が入っています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 松永めぐみさん(吉原1丁目)写真左
「御幸町交番のおまわりさんは、優しく頼もしい人ばかり。地域の人にとても愛されています」


交番は現代の道しるべ
 交番には、さまざまな人が訪れます。財布を落とした人、道に迷った人、自転車を盗まれた人…。そのほとんどは、何かのトラブルで困っている人です。交番は、その人たちにとって、問題解決の「かぎ」となります。
 また、交番のおまわりさんは、事件が発生したらすぐ駆けつけ、私たちの安全を守るために全力を尽くしてくれます。
 交番は、私たちの安全を守る「まちのキーステーション」。
 今度、一生懸命頑張っているおまわりさんを見かけたら、気軽に声をかけてあげてください。
「いつもありがとう」と。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 御幸町交番では、シルバー人材センターや法務局などへの道を尋ねる人が多いそうです。

市内の警察署・交番・駐在所
富士警察署   荒田島166     電話 51-0110
富士駅前交番  上横割官有無番地   電話 61-6398
西富士交番   松岡492-22   電話 61-1100
御幸町交番   御幸町6-1     電話 51-1387
和田町交番   今泉1-13-41  電話 51-4269
鷹岡交番    入山瀬514-1   電話 71-3800
伝法交番    伝法2750-2   電話 52-2013
新富士駅前交番 柳島275-16   電話 62-0511
富士駅南交番  横割1-20-14  電話 63-0913
吉原駅前交番  鈴川本町11-22  電話 33-0042
水上交番    中河原28-2    電話 33-1047
富士見台交番  富士見台6-3-15 電話 21-2193
中野町駐在所  大渕3010     電話 35-3700
天間駐在所   天間16-1     電話 71-1141
柏原駐在所   中柏原新田171-3 電話 33-0001
東駐在所    境54-13     電話 38-1255
須津駐在所   中里924-8    電話 34-0233
広見町駐在所  広見本町9-14   電話 21-1901
比奈駐在所   比奈1446-13  電話 34-0156
原田駐在所   原田484-6    電話 53-6907
神戸駐在所   神戸426      電話 21-2194
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp