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【広報ふじ平成7年】富士の民話あれこれ

金正寺の猫
 いつごろのことか、はっきりとは、わかっていませが、、平垣にある金正寺(きんしょうじ)に飼われていた猫が、近郷の猫を集めて、夜な夜な踊りの集会を開いていたというお話が伝えられています。
 今回は、金正寺の住職である加藤義忠さんから、お話を伺いました。

 平垣の金正寺という古い寺に、年をとった大きな三毛猫がいました。片宿の百姓のおじいさんは、その猫がボスになり、毎晩、中島村の茅積場(かやつんば)で近郷の猫が集まって踊っているのをはっきり見たそうです。
 ある晩おじいさんは、ふろ場の手ぬぐいに泥がついていて、かける場所も違っていることに気づきました。そこで、おじいさんは寝床へもぐって眠ったふりをしていると、真夜中になって飼い猫のタマが、手ぬぐいを口にくわえて出かけるではありませんか。おじいさんは、不思議に思ってタマの跡をそっとつけてみました。そうとは知らないタマは、片宿の家から畑を抜け、田んぼを通って中島村の茅積場まで来ました。
 何と、そこには何十匹という猫が集まって、手ぬぐいを頭にかぶり、後ろ足で立って愉快そうに踊っていました。
 すると、実然猫たちが一斉に踊りをやめて、一匹の大きな描を迎えました。手ぬぐいをいなせに結って、ゆうゆうとやって来たのは、金正寺の猫だったのです。
 それから夜明けまで猫たちは楽しく踊ったということです。
*茅積場・昔は農閑期の田畑にカヤを積んでいました。
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加藤義忠さん (平垣)
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 この話の続きで、「ある娩のこと、金正寺の猫は踊りの集会へ来るのが遅くなってしまいました。一匹の猫が理由を尋ねたら、『晩飯のおかゆが熱かったからだ』と答えました」という話もあります。
 猫は「猫舌」だから、熱いおかゆを食べるのに時間がかかったんでしようね。
 現在、金正寺では猫を飼っていませんが、たまに近所の猫が、夜になると境内に集まっているようですよ。
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