【広報ふじ平成7年】特集●中央図書館
新しい中央図書館が10月4日(水曜日)13時いよいよオープンします
地下1階、地上4階建て。富士山をあらわした大きな屋根と、上昇感を感じさせる中央の塔。
皆さん、お待たせしました。
富士市の新しい文化の顔、富士市立中央図書館がついにオープンします。
新しい図書館は、「本と人が出会う場所」「人と人が出会う場所」として、施設や備品などのハード面とサービスなどのソフト面の両面に工夫がなされています。
これから、市内の西図書館、東図書館、富士文庫、移動図書館車、でごいち文庫と連携しながら、皆さんに文化を発信していきます。
今回は、この中央図書館がどんなものか、あらましについてご紹介します。
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新しい図書館に期待を込めて…
この図書館をつくるに当たって、多くの利用者の意見や要望などを取り入れてきました。その中から、3人の皆さんにお話を伺いました。
富士市車椅子(いす)友の会代表
小林正治(まさはる)さん(今泉)
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障害者が気軽に利用できる図書館に
私たち「車椅子友の会」のメンバーは、中途障害者ばかりなので、みんな以前に自分の足で動き回った経験があるんです。ですから、車いすで自由に行ける場所が少ないということに、いらだちを感じています。
例えば、階段しかない施設には、よほどのことがない限り行きませんね。確かに、人に声をかけて抱き上げてもらえばいいんでしょうが…。健常者の人たちだって、見知らぬ人に声をかけるのはちゅうちょすると思います。それと同じなんですよね。
前の中央図書館は、車いすでは入れませんでした。ですから、新しい中央図書館には、とにかく「段差をなくしてスロープ化してほしい」ということと、「車いすで自由に動けるように、駐車場やトイレ、通路などにスペースをとってほしい」ということを要望してきました。
新しい図書館には、これらの要望が取り入れてあるようなので、ぜひ行ってみたいと思っています。あとは、障害者が気軽に利用できるような雰囲気づくりをしていただきたいですね。
富士子どもの本を学ぶ連絡会会長
鈴木貴美子さん(原田)
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グループの活動の発表の場として利用したい
「富士子どもの本を学ぶ連絡会」は、公民館などで、子供たちに絵本の読み聞かせをしたり、本の貸し出しをしたりしているグループの連絡会です。
本が子供に与える影響は、すごく大きいんです。子供たちに絵本の読み聞かせをしていると、その場面ごとで、子供の表情が変わってくるのがわかります。本にふれあうと、感情が豊かにもなるし、言葉もたくさん覚えて、自分の気持ちを言葉によって豊かに表現できるようになるんです。
ですから、新しい中央図書館には、「低い本棚にしてほしい」とか、「小さな子供も安心して読めるような部屋をつくってほしい」とか、たくさんの子供たちが本に親しめるような図書館にしてほしいと要望しました。
新しい図書館には、設備の整った視聴覚室があるそうなので、私たちのグループが活動発表する場として、ぜひ利用したいと思っています。大型紙芝居、人形劇、影絵…、図書館へ本を借りに来た人たちに楽しんでもらいたいですね。
みんなの図書館のぞむ会代表
久利(くり)光代さん(鮫島)
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みんなが利用しやすい図書館に
「みんなの図書館のぞむ会」は、利用者の声を聞くことを目的にした「富士市図書館協議会」が発足したことをきっかけに、昭和63年、「暮らしの中に図書館を!」を合い言葉に結成されました。
この会は、「図書館は本を読み、本を貸し出すだけの場所ではなく、市民の暮らしにしっかり根を張り、役立つところであってほしい」「図書館はまちの独自の文化をつくるところであってほしい」など、細かい要望を話し合うというより、図書館に対する夢をみんなで語り合いました。
7年間夢見てきた新しい中央図書館が、ついにオープンすることになり、とても喜んでいます。きっと利用しやすく、職員も気持ちのよい対応をしてくれるだろうなと楽しみです。そして、いつも新鮮な資料を提供してくれるだろうと期待をしています。
私たちの会は、これからもこの図書館が「みんなが利用しやすい図書館」であるよう、継続して活動していきます。
考えています。こんなところ
「市民の皆さんが利用しやすい図書館」となるよう、この図書館ではさまざまな配慮がなされています。ここでは、その一部をご紹介します。
本と人が出会う場所
明るく広々としたゆとりの空間
この図書館の魅力は、広々とした1階のフロアにすべての図書館資料が集められていて、資料が見つけやすくなっていることです。
そして、国道に面した部分は大きなガラス張りの窓になっていて、自然光がいっぱい入り、明るい雰囲気。しかも、館内には優しい音楽がBGMとして流れ、心を和ませてくれます。
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( 写真説明 ) 読書コーナー
窓際に読書席をたっぷり143席用意。ゆったりした気分で読書意欲もわいてきます。
( 写真説明 ) すべての資料が集まる1階フロア
ちびっ子たちや子供連れでも…
子供たちのために、子供専用のトイレ、手洗い場、読書席などを用意しています。
赤ちゃんを連れている人のためには、ベビーカーを用意しているほか、男女両方のトイレに、ベビーベッドとベビーキープ(乳児安全座席)を用意しています。
また、親子で本に親しめる「おはなしのへや」もあります。
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( 写真説明 ) おはなしのへや
親子で絵本を読んだり、紙芝居や絵本などの読み聞かせをしたりする部屋。カーペットコーナーからつながっていて、靴を脱いでゆったりと親子で本に親しめます。
( 写真説明 ) 子供でも飲みやすい高さの冷水機
人と人が出会う場所
お年寄りや障害者でも…
正面出入り口付近は、ゆるやかなスロープで段差がありません。そして、階段には、左右に2本ずつの手すりが、踊り場も含めて切れ目なくついています。また、階段は色や素材を工夫して、段差がはっきりわかるようにしています。
目の不自由な人向けには、点字図書や大活字本などを取りそろえているとともに、朗読サービスも行います。
また、車いす用のトイレ、電話、冷水機、駐車場も用意しています。そのほか、車いすのまま利用できる読書席や利用者用端末機などもあります。
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( 写真説明 ) インターホン
正面出入り口にあります。目の不自由な人など、介添えを必要とする人のためのもの。これを押すと、職員やボランティアが駆けつけ、直接応対します。
( 写真説明 ) 読サービス室
静かな防音の部屋です。目の不自由な人に、図書館ボランティアが朗読サービスを行います。
( 写真説明 ) 2段になっている階段の手すり
手すりは、階段を上がるときは高い方が、おりるときは低い方が力が入りやすいということから2段にしています。身長の高低差にも対応できます。
( 写真説明 ) 車いすのまま利用できる利用者用端末機
利用者用端末機は、図書情報を検索する機械です。中央図書館だけでなく市内の西・東図書館、富士文庫の情報も検索できます。
小さな子供からお年寄りまでたくさんの人に利用してほしい
市立中央図書館 宮川芳明館長
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図書館は本と人、人と人が出会う場所
新しい中央図書館は、「市民が日常生活に役立つ情報を提供する場所」、また「本と人、人と人が出会う場所」として、さまぎまな工夫がされています。ここでたくさんの本に出会い、知識や教養などを深め、それを日常生活に役立ててもらいたいと思っています。そして、図書館に来た人同士の出会い、職員やボランティアとの出会いなど、多くの人との交流も深めてもらいたいと願っています。
市民とともにつくり上げた図書館
この図書館は、たくさんの市民の人に利用してほしいですね。それも、気軽に訪れてほしい。小さな子供も、お年寄りも、そして障害を持つ人も…。ですから、この図書館をつくるに当たって、市民の皆さんから意見や 要望などを伺いました。
昭和62年に、富士市図書館協議会が発足して以来、図書館利用団体や図書館ボランティア、障害者の団体、中学生などと話し合いをしてきました。そして、皆さんの声をできる限り設計などに取り入れてきました。
図書館を利用して!
この図書館は、立派な建物になっていますが、利用しやすいよう中身もいろいろ考えられています。ぜひ、この図書館を生涯学習の場として利用していただきたいと思っています。
1階
1階は、図書がすべて手にとって見られる開架式になっています。一般用図書や児童用図書、郷土・学習資料、新聞、雑誌、AV(視聴覚)資料などの利用ができます。
また、落ち着いて読書ができるよう、読書席やタタミコーナーなどを用意してあります。
サービスデスクは一か所にまとめ、図書の貸し出し・返却の受け付けと総合案内、レファレンスサービス(図書館の資料に関しての質問、相談)を行います。
- 図表あり -
●絵画コーナー
「図書館は文化を発信する所」ということから、複製絵画を貸し出しします。このサービスは県内で初めて。世界的な名画や現代アートなどの複製絵画約200点があります。
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●新聞・雑誌コーナー
豊富な種頬の新聞・雑誌を取りそろえてあります。雑誌のバックナンバーも見られます。
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●タタミコーナー
靴を脱いでくつろぎながら本が読めます。また、囲碁や将棋も楽しめます。
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●リスニングコーナー
AVコーナーで借りたCDとカセットテープが聞けます。8台のうち2台は、ボディーソニック(音を体感できるもの)です。
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●成人開架
約14万冊の図書が利用できます。資料の種類に応じて、わかりやすく配列してあります。
●YA(ヤングアタルト)コーナー
活字離れの進む中・高校生に図書館を利用してもらおうと、このコーナーを設けました。中・高校生向けの本やティーンズ文庫、漫画などを取りそろえてあります。
また、伝言板があり、若者たちのふれあいの場としても活用されます。
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●AV(視聴覚)コーナー
豊富な種類のビデオ、CD、カセットテープ、LDを取りそろえてあります。館外貸し出しができるほか、館内でも利用できます。
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( 写真説明 ) ビデオが見られるモニター画面を9台用意。そのうちの1台は大画面で、しかもボディーソニック。迫力満点で、臨場感が味わえます。
●エントランスホール
ステンドグラスを通したやわらかい光が、入館者を温かく迎えます。
また、モニターの大画面で、図書館の最新情報をお伝えします。そのほか、展示コーナーでは、図書館情報だけでなく、市民の皆さんの企画によるものも展示します。
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●児童開架
子供用の本、絵本、紙芝居など約3万冊を用意。子供が本を取りやすいよう、低い本棚になっています。読書用のテーブルも低くなっていて、子供が楽に座れます。
また、子供専用の端末機とサービスデスクも設けています。
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( 写真説明 ) 絵本は見やすいよう、表紙を見せる置き方をしています。
●グループ室
読書会や図書の研究会など、グループで利用できます。
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2階
2階は、学習室、視聴覚室、会議室があり、学習と図書館活動を行う場になっています。また、図書館ボランティアの人たちが集うボランティア室や、朗読の吹き込みができる録音室があり、図書館ボランティアの活動拠点としても利用されます。そのほか、飲食コーナーやラウンジなどがあり、ゆったりと休憩できます。
●視聴覚室
舞台とハイビジョンにも対応できるスクリーンを備え、講演や映画会、人形劇、影絵など多目的に利用できます。また、電子ピアノも用意してあり、音楽鑑賞会が開けます。
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●会議室
テレビ画面で視聴覚室とつながり、子供連れでも安心して講演などの聴講ができます。
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●学習室
学生と一般の人が学習する場として、98席設けています。明るく広々としたスペースで、学習にじっくり取り組めます。
ガラス越しに1階が見渡せ、学習のために来た人たちも、思わず書架に引き寄せられます。
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●ラウンジと屋上庭園
ラウンジではゆったりと談話ができます。また、北側の窓越しには、宇宙の発展をあらわすモニュメントが見られ、心が休まります。
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●飲食コーナー
館内では、飲んだり食べたりできるのはここだけです。自動給茶機と自動販売機を設置。
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その他の階
3・4階は、約45万冊の図書を収蔵できる書庫があります。
地下は駐車場と移動図書館車のスペースです。
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( 図表説明 ) 案内図
★駐車場への出入りは!
1.地上・地下への出入りができます
2.地下駐車場への進入だけできます
中央図書館利用案内
■開館時間
9時〜17時
■休館日
月曜日、国民の祝日、図書整理日(月末)
■利用できる人
どなたでも無料で利用できます。
■図書館資料(本、雑誌、紙芝居、複製絵画、AV資料など)を借りるとき 利用者カードが必要です。この利用者カードは、西図書館、東図書館、富士文庫、移動図書館車でも利用できます。
*利用者カードがない人は、身分を証明するもの(免許証、保険証など)をお持ちください。即時発行します。
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( 写真説明 ) 利用者カード
■図書館資料の借り方
・本、雑誌、紙芝居
一人10冊まで、期間は2週間以内。
・複製絵画
中学生以上一人一点のみ、期間は1か月以内。
・ビデオ、CD、カセットテープ
一人3点まで、期間は一週間以内。
*ビデオ、CD、カセットテープ、LDは、館内で鑑賞することができます。ただし、館内利用の場合も、貸し出し手続が必要です。
■図書館資料の返し方
図書館が閉まっているときは、正面出入り口のブックポストへ返してください。ただし、AV資料は傷がつきやすいので、直接AVデスクに返してください。
■読みたい本や資料が見つからないとき
係員にお尋ねください。また、利用者用端末機でも検索できます。読みたい本がその場にないときは、予約できます。
■レファレンスサービス
図書館の資料に関しての質問、相談に答えるサービスです。調査・研究をしているときや、調べ方がわからないときなどは、お気軽にご相談ください。
■コピーサービス
図書館の資料に限り、1枚10円でコピーできます。
■グループ室を使用したいとき
係員に申し出てください。電話でも予約できます。
■駐車場
地上28台、地下59台の計87台がとめられます。車いす用のスペースもあります。
■駐輪場
120台以上とめられます。
オープンは10月4日(水曜日)13時
街のオアシス"中央図書館″へ出かけて、本に出会い、そして、人に出会ってみませんか。
皆さんの来館をお待ちしています。
問い合わせ
市立中央図書館 〒417富士市永田北町3-7 電話 51-4946(コイ ヨクヨム)
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