「富士梨(ふじなし)」
富士市では、明治の初めごろからナシの栽培が始まりました。水戸島や宮島でナシの試験栽培を行ったのが、「富士梨」の起源に当たります。
ナシの栽培を始めた当初、近所の人たちは、先駆者のことを無謀な奴だとあざ笑っていたそうです。ところが、立派なナシが実ったので、周りの農家もナシ栽培を始めることとなり、当時の加島村や田子浦村を中心に普及しました。
品種は、明治37年ごろに「長十郎」が登場してから、富士梨の約80%は、長十郎が占めるほどになりました。現在では、新水、幸水、豊水などが主流になっています。
富士梨の特徴は・・・
1.果実は甘味が多く、水分が豊富で肉質がやわらかい
2.皮をむいておいても、酸化することが少ない
3.日持ちがよく、長距離輸送に耐えられる
などが挙げられます。
よく冷えた、甘くて水分たっぷりのナシの味覚は、夏から秋にかけての風物詩。
ことしは、富士梨に秘められた歴史を感じながら、味わってみては、いかがですか。