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【広報ふじ平成7年】特集●成人病健(検)診のすすめ

お父さん、お母さん、
いつまでも若い気でいるみたいだけれど、そろそろ、からだのゆがみが出てくる年齢。
定期健(検)診には必ず行って、健康状態をチェックしてきてね。
だって、ずーっと元気いっぱい、太陽みたいに輝いていてほしいから。

 「健康」、それは人が楽しく生活していく上でかけがえのないもの。しかし、健康のありがたみは、体の異常があって初めて感じるものです。自覚症状がないから自分は健康だと思っていても、体はひそかにむしばまれているかもしれません。市では、各種成人病健(検)診を行っています。自覚症状がないときこそ、健(検)診を受けることをお勧めします。
 今回は、富士市医師会の清水怜(さとし)会長と、乳がん体験者の会「槇(まき)の会」の竹田喜久代さんに、成人病健(検)診の大切さについてお話を伺いました。
*健診−健康状態を診査すること
 検診−特定の疾病(がん、結核など)を発見するために検査すること


自覚症状のない恐ろしい成人病
健(検)診で自分の健康状態をチェック

富士市医師会会長
清水 怜(さとし)さん
- 写真あり -
死亡原因の6割は三大成人病
 富士市における平成5年の死亡原因の6割は、三大成人病と言われる「がん」「心臓病」「脳卒中」でした。昭和33年に比べると、三大成人病の死亡率が14.1%もふえています。これは、富士市だけの傾向ではなく全国的な傾向となっています。この原因は、いわゆる感染症と呼ばれている細菌などによる病気が、抗生物質などにより克服されたからにほかなりません。しかし、この間に食生活が大きく変化してきたことも見過ごすことはできません。
 成人病は、生活習慣病とも呼ばれており、長年にわたる誤った生活習慣の積み重ねから発病してくると言われています。ですから、40歳ぐらいから成人病の芽生えが見られ、年齢が高くなるにつれて、成人病にかかる率は高くなってきます。最近の日本は、急速に高齢化が進んでいますから、成人病の問題が深刻化しつつあるのです。


健(検)診で早期発見、早期治療を
 また成人病は、感染症などとは違って、困ったことに多くは無症状のまま病気が進んでしまいます。そして、自覚症状があらわれたときには、かなり進行した状態であることが珍しくありません。無症状の初期の段階で発見され、治療が開始されていたら…と思われることもしばしばあります。
 成人病を初期の段階で発見するためには、必ず定期的に健(検)診を受けることが大切です。それは、自覚症状があるから受けるというのではなく、年1回は症状がなくても必ず受ける、という習慣を持つことだと思います。既に何らかの自覚症状のある人は、迷わず医療機関で診察を受けてください。それは、検診というより、精密検査という段階になります。


健(検)診後のフォローが大切
 まずは、健(検)診を受けることが大切ですが、健(検)診後のフォロー(自己管理)も同様に大切です。健(検)診で何らかの異常が指摘されても、自覚症状がないからといって、放置してしまう人、あるいは忙しいからといって、先送りしてしまう人がかなりいます。それでは、成人病が芽生えた時期に適切な治療を受けるせっかくの機会を逃してしまうことになります。
 ですから、健(検)診後、何らかの異常を指摘された人は、必ず医療機関で診察を受けてください。そうすれば、高血圧または糖尿病などでも、医師の適切な指導、アドバイスで生活習慣を変えたり、適切な運動を取り入れたりするだけで、特に飲み薬などを用いなくても、コントロールが可能な場合も少なくありません。そして、健(検)診が自分自身の生活習慣を見直すよい機会ともなると思います。


若いうちから生活習慣に注意
 「まだ若いから大丈夫」あるいは「自分だけは大丈夫」と思いがちですが、決して安心していてはいけません。子供のうちからの生活習慣の積み重ねが、成人病を招いているとも言われています。若いうちから生活習慣に気をつけてください。大まかに言えば、次のようなことが基本になります。
1.食生活 1日3回バランスのよい食事(1日30品目)をとる
2.運動  体を適度に動かす。車を使わないで歩くことに努める
3.休養 ストレスをためないように適度な休養をとる。睡眠時間を不足のないように(7〜8時間)とる 
 そして、年1回の定期的な健(検)診を受け、成人病から身を守っていきましょう。

富士市のデータ
- 図表あり -
( 図表説明 ) 死因別死亡者数の状況(平成5年)
( 図表説明 ) 三大成人病の死亡割合の推移


がんに対して無知だったことを後悔。
でも、前向きな気持ちで病気と上手につき合っていきたい

乳がん体験者の会「槇(まき)の会」会長
竹田喜久代さん(鈴川)
- 写真あり -
まさか自分ががんになるなんて
 私が乳がんの手術をしたのは、16年前のことです。実はその4年前には、しこりがあるのがわかっていたんですね。今から思えば、なぜしこりを発見したときに、病院でしっかりがんかどうか確かめなかったのかと、とても後悔しています。そうすれば、こんなつらい思いをしなくても済んだのに…。
 でも、まさか自分ががんになるなんて思ってもいませんでした。家族にも、がんを患った人がいませんでしたから…。がんは、遺伝するものではなく、だれにでも起きる病気だったんですね。とにかく、がんに対して無知だったということです。

「病は気から」、気持ちを前向きに
 転移を繰り返し、死への恐怖と、治療との壮絶な戦いで、一時は絶望的になりました。でも、死に直面して、このまま死にたくないと思ってきたんです。そうしたら、同じ一生なら楽しく過ごした方がいい、と気持ちを前向きに持っていこうと考えるようになりました。病気だって上手につき合っていけばいいんですよね。転移したってまた治せばいいんですから…。「病は気から」って言いますけど、今は死への不安とか恐怖とかはありません。とっても元気です。

悩みを分かち合う「槇の会」
 「槇の会」は、私と同じく乳がんを患った人たちが悩みなどを話し合い、励まし合う会として、平成元年に発足しました。現在は、2か月に1回、がんや薬についての勉強会、気功、調理実習などを行っています。乳がんは、場所が場所だけに他人に知られたくないと思っている人も多いのでは…。でも、一人であれこれ悩んでいるよりは、この会に入って情報を交換すれば、きっと気持ちが楽になると思います。

「自分は大丈夫」なんて思わないで
 私が乳がんと長年つき合ってきて言えることは、「乳がんは自分で発見できる。そして、早期発見、早期治療できれば確実に治る病気」ということです。「自分は大丈夫」なんて思わないで、月1回の自己検診と年1回のがん検診を受けることをお勧めします。それと同時に、がんに対する知識をしっかり身につけてほしいですね。


乳がんの自己検診法
<自己検診のポイント>
毎月1回、月経が終わって1週間以内、閉経後の人は毎月決まった日にステップ1〜3を行う
ステップ1
鏡の前で視診  皮膚の凹凸、ひきつれ、ただれ、色の変化、乳頭からの分泌物がないかどうかチェック
1.両腕を下げて真っすぐに立ち、両乳房をよく観察します
2.両手で腰を強く押さえてよく観察します
3.頭の後ろで両手を組み、胸を前方に押し出すようにして、よく観察します
ステップ2
立って触診  入浴時に、石けんがついた手で乳房に触れると、小さなしこりまで見つけやすくなります。しこりは、つまんで探すのではなく、指の腹に触れるかどうかです。また、最低4周以上触れること
1.片方の手を上げ、もう一方の手で乳房を探ります
2.4本の指をそろえてよく伸ばし、わきの下から円を描きながら、乳首に向かってゆっくりと進めます
3.軽く乳首をつまみ、血のような液が出ないかどうかチェック
ステップ3
寝て触診  一方の手を頭の上に置き、肩の下に枕を入れます。ステップ2と同じ方法で乳房をチェック。そして、枕を移動させて反対の乳房も調べます
- 図表あり -

★自己検診は正しい方法でないと見つけられません。不明な点は、保健女性センターへ。10人以上集まれば出張講座も行います


成人病健(検)診を受けましょう!
- 図表あり -
( 図表説明 ) 平成7年度実施一覧表
●詳しい日程、会場については、「健康カレンダー」をごらんください
●70歳以上の人、65歳以上70歳未満で老人医療の対象者、生活保護世帯と市民税非課税世帯の人は、受診料が無料です
●40歳・50歳総合健診は、すべての健(検)診を一度に受診できます。対象者はぜひ受けてください。ただし、今年度中のほかの健(検)診との重複受診はできません

成人病健(検)診についての問い合わせ
保健女性センター保健予防係 電話64-8992
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
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