今回は、平成7年度の当初予算をお知らせします。
市の予算には、一般会計と特別会計、企業会計があり、一般会計の歳入の59.4%を市税が占めています。
皆さんが納めた税金は、一体どのように使われているのでしょうか。
富士市の財布の中身は、どうなっているのでしょうか。
あなた自身の目で確かめてみてください。
一般会計は3.1%アップ
今年度の一般会計は694億5,000万円。前年度と比較して3.1%の増加となっています。
一般会計の歳入で一番多いのは、皆さんから納めていただく市民税や固定資産税などの市税です。全体の59.4%を占めていますが、前年度より2.7%の減少を見込んでいます。
ことしも昨年に引き続き、法人市民税の大幅な落ち込みが予想されているため、財政調整基金の取り崩しや市債の活用などで、財源確保に努めました。
富士市では、税金などの自主財源は73.2%。国の補助金や借入金などの依存財源は26.8%となっています。
平成7年度 一般会計
一般会計とは市税収入を主な財源として、道路・教育・福祉などに使う会計です。
歳入の約6割は市税 412億4,130万円
歳出のトップは土木費 143億9,652万円
歳入
会計年度内に入ってくるお金
科目別 収入金額
総額 694億5,000万円
市税(市民税、固定資産税など) 412億4,130万円
市債(市の借入金) 88億5,560万円
国庫支出金(国からの補助金など) 41億8,983万円
諸収入(貸付金元利収入など) 39億2,045万円
県支出金(県からの補助金など) 19億3,858万円
地方譲与税(国から地方に譲与されるお金) 18億3,000万円
分担金及び負担金(施設入所者の負担金など) 17億2,449万円
使用料及び手数料(市営住宅使用料など) 16億590万円
繰越金(前年度からの繰越金) 11億5,400万円
繰入金(基金からの繰入金) 10億289万円
その他 19億8,696万円
財源別歳入 694億5,000万円
自主財源
市税 59.4%
諸収入 5.7%
分担金及び負担金ほか 8.1%
依存財源
市債 12.8%
国庫支出金 6.0%
県支出金ほか 8.0%
歳出トップは土木費
歳出を目的別に見ると、今年度は、市街地の整備事業や都市計画事業などの土木費がトップで、歳出の20.7%を占めています。
土木費の主なものには、市道や都市計画街路の新設改良、河川の改修、広見公園の整備などがあり、快適なまちづくりのために使われます。
次に多いのは教育費で、市民プールの移転新築や(仮称)広見第二小の用地取得などに使われます。また、今年度は、第二清掃工場(し尿処理施設)の建設のため、衛生費が第3位となっています。
歳出
会計年度内に使うお金 *会計年度(4月1日〜翌年3月31日)
科目別 支出金額
総額 694億5,000万円
土木費(道路や公園などの整備に) 143億9,652万円
教育費(学校整備や社会教育に) 124億2,152万円
衛生費(ごみ処理や病気の予防に) 109億2,742万円
民生費(社会福祉などに) 93億273万円
公債費(借りたお金を返すために) 68億8,616万円
総務費(庁舎管理や人件費などに) 66億9,486万円
消防費(消防、水防、防災のために) 24億4,313万円
労働費(働く人のために) 22億3,183万円
農林水産業費(農林業や水産業のために) 18億4,965万円
商工費(商業や工業の発展のために) 16億3,840万円
議会費(議会の運営のために) 5億5,076万円
その他 1億702万円
目的別歳出 694億5,000万円
土木費 20.7%
教育費 17.9%
衛生費 15.7%
民生費 13.4%
公債費 9.9%
総務費 9.6%
消防費 3.5%
労働費 3.2%
農林水産業費 2.7%
商工費 2.4%
議会費ほか 1.0%
市民1人あたりに使うお金 29万8,540円
市民1人当たり市税負担額 17万7,281円
内訳の主なものを見ると…
道路や公園などの整備に 6万1,885円
教育に 5万3,396円
ごみ処理や病気の予防に 4万6,973円
社会福祉などに 3万9,989円
*平成7年4月1日の人口23万2,632人で算出
財政事情ミニ辞典
自主財源
市がみずからの手で、収納したり徴収できる財源のことです。例えば市民税、諸収入、使用料や手数料、繰入金、繰越金などです。
富士市の歳入総額に占める自主財源比率は、73.2%です。ちなみに県下の市町村平均は約64%となっています。
依存財源
自主財源に対して、国や県からの収入をいいます。国庫支出金、県支出金、地方譲与税がこれに当たります。
財政調整基金
家庭の貯金と同じような性質を持っています。経済事情の変動などに対応するために積み立てられたお金で、財源が不足する場合に不足額を補うために使います。
市債
市が建設事業などを行うため、国や銀行から長期にお金を借りることです。
特別会計
行政の基本的な経費を一般会計といい、特定の事業ごとに分けて、別個に会計を設置している経費を特別会計といいます。
富士市には、16の特別会計と2つの企業会計があります。左の表では、財産管理特別会計(内山、旧吉原、旧島田、旧今泉、旧今泉・一色・神戸・今宮、旧元吉原、旧須津、旧吉永、旧原田)を省略しています。
特別会計の予算額 325億269万円
前年度から6.5%の伸び
会計区分 予算額
老人保健医療事業 105億1,800万円
国民健康保険事業 102億100万円
下水道事業 94億4,700万円
富士中部土地区画整理事業 11億3,300万円
公共用地先行取得事業 5億3,739万円
地方卸売市場事業 2億3,800万円
駐車場事業 6,750万円
企業会計
水道事業の予算額 48億4,432万円
病院事業の予算額 118億4,525万円
水道
昨年の夏は、猛暑に加えて空梅雨だったこともあり、全国的に水不足となりました。ところが富士市は、富士山の恩恵を受けて水資源が豊富なため、水不足の心配はありませんでした。また、水道料金も安く、県内の21市の中で2番目に安い料金となっています。
水道事業の経営には、多額な資金が必要です。いつでも必要なときに、必要なだけの水が使えるよう、水道施設の整備と維持管理を行わなければなりません。
このために必要な、水道施設の建設資金のほとんどは、企業債(借入金)で賄われており、元金に利息をつけて返済しています。
各家庭へ十分に水を提供するために必要となる、これらの費用は、皆さんからの水道料金が充てられています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 水道使用量の状況
( 図表説明 ) 実際に水道を使用した月の使用量は、2か月後のデータにあらわれます。(例・10月のデータは、8月中の使用量)
平成7年度 収益的収入・支出予算
この予算は、年度内における水道事業の経営に関するすべての収益と費用を計上してあります。
平成7年度の予算において1億1,979万5,000円の利益が見込まれますが、この利益は、施設と水道管網の整備、改良を実施するための資本的収支予算の不足分に補てんするため、どうしても必要なものとなります。
収入 31億4,887万6,000円
支出 30億2,908万1,000円
利益 1億1,979万5,000円
収入
水道料金 72.3% 22億7,510万円
加入金 3.4%
その他収入 24.3%
支出
人件費 18.6%
工事請負費 36.8%
減価償却費・資産減耗費 15.4%
企業債支払利息 13.6%
その他費用 11.8%
純利益 3.8% 1億1,979万5,000円
平成7年度 資本的収入・支出予算
この予算は、事業計画などをもとに、老朽管などの管網整備と配水設備などの改良事業を実施するための事業費ほかを計上してあります。
収支における不足分は、内部留保資金(減価償却費など)と積立金などで補てんされます。
収入 8億7,075万4,000円
支出 18億1,523万7,000円
不足額 9億4,448万3,000円
収入
企業債 44.1%
補助金、負担金など 3.9%
不足額 52.0% 9億4,448万3,000円
支出
拡張事業費 60.6%
改良事業費 17.6%
企業債償還金ほか 21.8%
補てん
積立金 4億5,850万7,000円
内部留保資金 4億8,579万6,000円
富士市の良質で豊富な飲料水は、上水道と簡易水道によって提供されています。
平成6年度末における富士市の上水道普及率は88.4%、簡易水道普及率は10.7%となっています。現在の上水道の形態は、昭和41年の2市1町合併後、水道施設と水源の確保を進めてきたことにより、完成したと言えます。
昨年の水不足や、ことしの阪神・淡路大震災におけるライフラインヘの打撃など、最近、水の大切さを痛感させられた出来事が重なっています。それらの状況を踏まえ、富士市の水道事業は、これからも市民生活の維持発展のため、不安のない「豊かで清浄な水道づくり」を目指し、地方公営企業として、市民サービスに努めていきます。
6月1日から七日までは、水道週間です。この機会に改めて水道のことを見つめ直してみませんか。
水道に関する問い合わせ 水道部庶務課 内線2530